概要
原語のカナ表記にしてウエスタンとも言う。
派手なアクションと壮大な自然を背景とした描写、そして、悪を成敗する歯切れの良さから高い人気を得た。
しかし、インディアン(ネイティブアメリカン)と呼ばれる先住民に対する人権意識が高まるにつれ、その方向性を大きく問われることとなった。伝統的な西部劇の構図では、先住民を単純な悪役にすることで白人視聴者の人気を得ようとしていたからである。
現代でもSF等とリンクさせることで西部劇風の創作がなされることはあり、日本でも類例が見られる。
pixivでは西部劇風の世界観による作品、あるいは既存の西部劇作品を題材にした二次創作などで用いる。
史実の『西部開拓時代』
大衆向けの娯楽でも有った為、西部劇世界では『 ガンマンは相手が先に銃を抜かないかぎりこちらから攻撃することはない 』といった武士道にも通じる正義の価値観や勧善懲悪といったものが強調されるのがセオリーなのだが、
実際の『アメリカ西部開拓』は、修羅の国やリアル『北斗の拳』といった表現のほうがお似合いなレベルで殺人や強盗、先述のインディアンや黒人等に対する異民族迫害・差別が横行する無法地帯であったとされる。
アメリカ南北戦争の影響で没落した南部諸州の民衆がゴールドラッシュに沸くカリフォルニア周辺の西海岸地域へ職や生活の場を求めて移住していったのが始まりだが、何もない荒地にゼロからインフラを築いていく傍らで既に東海岸を追われていたインディアンや白人入植者同士で限られた資源や「生活できる土地」を奪い合っていたというのが実情であったようだ。当時、『自由の国』であるアメリカは最大の治安維持組織であるアメリカ軍の規模を最小限に留めており、特に地方の治安維持に関しては民衆の自治や良心といった『見えざる手』に委ねていた部分が多かった。このため、たとえ現地の実情がどんなに酷いものであったとしても国家運営に支障がない限りは基本的には放置されていた。
西部開拓の狂熱はアメリカ全土に波及し、最後には大西洋岸および太平洋岸の両方から内陸に向かって進んでいった。詳しい内容はこちらとこちら。