概要
文明崩壊後、「攻性生物」と呼ばれる人工生物兵器が跋扈する世界で、
甲殻生物のような外観のドラゴンに偶然出会った主人公が戦いに巻き込まれていくというのが
全作品で共通する設定。「ドラマティックシューティング」と銘打たれている通り、世界設定が練りこまれたストーリー重視のゲームである。
用語
ドラゴン
この世界において神の使い、または悪魔として伝わる翼を持った存在。
「ドラゴン」と呼ばれているが腕が翼になっているワイバーンのような姿で、頭部には一本角、身体は白い装甲に包まれている。原理不明の生体ホーミングレーザーを放つことができ、作品によっては状況に合わせて形態を変化させる能力を持つ。
本来の能力を発揮するためには乗り手を必要とし、乗り手に対しては旧世紀の知識や、各種攻撃から身を守る力場、旧世紀の遺物である銃には純血種を打ち破るほどの力を与える。
クーリアと呼ばれる家畜化した「変異種」の遺伝基（この世界の遺伝子）に己の存在を託し、「塔」の活動に呼応して活動を開始した。
また「塔」を守るガーディアンも「ドラゴン」に酷似しているといわれているが…
「オルタ」では帝国により、旧世紀の遺跡である「生命炉」を使い、攻性生物を死に至らしめる腫瘍の遺伝基から製造された「ドラゴンメア」の部隊が敵として襲い掛かってくる。
攻性生物
旧世紀と呼ばれる時代の、高度な遺伝子操作技術で製造された生体兵器。
「純血種」とよばれる白い外殻に包まれたものは、おもに旧世紀の遺跡に生息しており、近づくものに対して徹底的に排除しようと攻撃してくる。生体光学兵器などを持つなど戦闘能力が高く、この世界の技術ではほとんど太刀打ちができない。
「変異種」とよばれるものは、かつては純血種であったが長い年月のうちに野生化して繁殖するようになったもので、独自の生態系を持つ野生動物のような存在となっている。一部の変異種は狩猟や家畜化の対象にされる程に変異している。
また遺跡から発掘される「エンジン」や、「アゼル」や「アバド」のように亞人とよばれる高度な知能を持つ「ドローン」、そして「ドラゴン」も同様の技術で造られたもののようである。
帝國
旧世紀の遺跡から発掘された浮遊する「エンジン」をはじめ、様々な技術を研究して実用化する「帝國アカデミー」と、その技術をもとに製造された「空中戦艦」や「戦闘機」などの兵器を運用する「帝國軍」を擁する唯一の国家。
純血種をはじめとする遺跡のガーディアンに対して有効な攻撃ができるようなっただけではなく、その武力で周囲の国家を併合しながら勢力を拡大している。
「塔」とよばれる旧世紀の遺跡をめぐって、ドラゴンとその乗り手とは「ツヴァイ」の時代に接触しており敵対することとなる。
「オルタ」の時代には南方の諸島国家と併合した結果、表記が「帝国」になり兵器や建築物などのデザインの民族色が強くなった。
シーカー
帝國によって、旧世紀の遺跡を荒らしまわる卑劣な盗掘者として取り締まられている集団。その実は旧世紀の知識をどこよりも理解している探索者であり、攻性生物や災害などによって滅びた村の生き残りや孤児を迎え入れることで人員を確保している。
実は帝國およびアカデミーは、彼らの中で思想をたがえる者たちが離反したことで生まれたものであることは秘されている。
ワームライダー
「オルタ」で登場した身体に攻性生物と共生を可能とし、生命力を高める効果のある藻類を幼いうちに埋め込むことで、変異種とともに採取狩猟生活をおこない暮らす人々。帝国からは匪族として蔑まれているが、アカデミー研究員の中にはその文化や生活に魅了されたために放逐されたものもいる。本編に登場した部族は変異種「シャプリ」を乗騎として「オルタ」の味方をする。
パンツァー語
パンツァードラグーンの中で使用されている架空言語で、ファンからは「パンツァー語」と呼ばれている。ラテン語を元に作られたもので、帝國の兵器や攻性生物の名称などの固有名詞はインド神話からとられているものが多い。
「アゼル」と「オルタ」のエンディングテーマ曲はこの言語で歌われている。
主な作品
・パンツァードラグーン
以降作品と区別するために「アイン」（ドイツ語で1の意味）という通称で呼ばれることも。
・パンツァードラグーン ツヴァイ
本作品以降、エスニック・無国籍的で荒涼とした世界設定が固まっている。
・AZEL パンツァードラグーンRPG
タイトルにある通り、本作品のみシューティングではなくRPG。
無印箱がx86だったためか、おまけ要素としてWindows版アインが収録されていたりする。
・OVA版
黒歴史。
あれこれ
受賞など
2012年にスミソニアン博物館で行われたビデオゲームの博覧会「The Art of Video Games」では、
黎明期から現在までのすべてのビデオゲームから美術・技術的に傑出した作品として選ばれた
全80作品のうちに「ツヴァイ」「アゼル」「オルタ」が含まれている。
The Art of Video Games Exhibition Checklist
リメイク版
Panzer Dragoon: Remake
「オルタ」以降、まったく動静のないまま16年を経過した2018年12月、ポーランドのパブリッシャーであるForever Entertainmentによって「アイン」「ツヴァイ」のリメイク版を制作するとの発表が行われた。
その時点では、内容自体はオリジナルを踏襲しつつ、システム調整・グラフィック刷新を行うとのコメントのみでその他詳細は不明のままであったが、さらに6ヶ月経過した2019年06月12日、任天堂より、「アイン」がNintendo Switch向けに発売される旨の正式発表がなされた。海外版は2020年03月26日、国内版は04月02日にリリース。
また10月25日、Steam版のサイトも公開されおり、PCでのプレイも可能となる模様。
パンツァードラグーン Voyage Record(仮)
一方国内でも、2020年03月10日、株式会社ワイルドマンより「パンツァードラグーン Voyage Record(仮)」の制作が公式発表された。
詳細は不明だが、仮題の頭文字で掛けているようにVRヘッドセット向けのシューティングゲームであり、
「アイン」「ツヴァイ」「アゼル」の抜粋のような内容、発売は2020年内。
同社代表はパンツァードラグーンに影響された同人ゲームの開発者でもあり、自ら「熱狂者」だと公言し
「Panzer Dragoon: Remake」の開発者に直言するなど、熱量は相当であるとのこと。
'関連タグ
- ドラゴン STG 海老
- いと貴き翼持つ者 アゼル/AZEL オルタ/ORTA プロトタイプ・ドラゴン ハヌマン シェルクーフ アトルムドラゴン
- セガ セガサターン
- 風の谷のナウシカ：まだ世界観が定まっていなかったアインでは、攻性生物のデザインやムービーの構図に影響が顕著である。
- メビウス：フランスのバンドデシネ作家、イラストレーター。アインのパッケージイラスト担当。
- 成田亨：初期ウルトラ怪獣をデザインした彫刻家、画家。構造や角にこだわりがあり、鬼や竜の研究もおこなっていた。2007年開催の「怪獣と美術展」図録に関わったとの記述。
- ドラッグオンドラグーン：タイトルが類似しているが関わっているスタッフも異なり、直接の関係はないゲーム。しかし、世界観やゲームシステムに本作の濃厚な影響が見て取れる。
- ガメラ2000：プレイステーションにおけるアインに似た操作感覚の3Dシューティング。
- ブルードラゴン：共通するスタッフがいる。
