概要
CV:仲野裕
盾の勇者の成り上がり
盾の勇者を陥れ続けた愚王
メルロマルクの王。
ただしメルロマルクは女王国であり、王配である彼は女王である妻ミレリア不在時の代理でしかない。
七星勇者の一人杖の勇者であり、かつて亜人との戦争で活躍し英知の賢王と呼ばれていた。
初登場当初は杖の眷属器に見放されかけており、その力を使えなかった。(奴隷紋無効等の最低限の加護は与えられていた)
シルトヴェルトの亜人に関係する因縁から亜人に崇められる盾の勇者である岩谷尚文に様々な迫害を行うが、女王が帰還するとともに盾の勇者に行った数々の行為の罰としてマルティ共々改名の罰を受けてオルトクレイからクズ(クズ=メルロマルク32世)へと名前を変えられ、王族としての権限をはく奪される。
亜人に家族を殺され続け、自分の手で家族を殺してしまった復讐者
以前はルージュ=ランサーローズという名前のフォーブレイの末席王子であったが、ハクコ種に両親共々親しい者を皆殺しにされた恨みでシルトヴェルトと戦争しているメルロマルクに移住し、現在の名前に改名して将兵として活躍した。
そんな矢先に、溺愛していた盲目の妹ルシアをハクコの手によって死んだであろう程の血がその場に残されていたことからさらにその復讐心を募らせた。
ハクコへの制裁を終えた時には一度溜飲を下げ、一先ずはメルロマルクの王としてシルトヴェルトを飼い慣らす事を前提として和平しようとした。だがその一貫として来ていたシルトヴェルトからの来賓によって息子シゼルを毒殺、さらに使われた毒薬が対象を魔物化させる危険薬物「ウロボロス劇毒」だったためウロボロスの使徒と化した息子を自らの手で殺害してしまう。
これらの出来事により「二度と家族を喪いたくない」という自身の家族愛が肥大化し妻や子供を溺愛する一方で、ハクコを始めとしたシルトヴェルトと亜人種そして彼らの信仰の対象である盾の勇者を目の敵にし、自身の復讐に賛同したマルティや三勇教と手を組んで尚文を陥れ続けていた。
改名後も宴会で尚文に振舞われる料理に毒を盛ったり、尚文を見かけるたびに騒ぎ立て、杖の勇者である事が判明しても強化方法を頑なに教えなかったが、殺されたと思っていた妹の忘れ形見で妹と瓜二つのアトラとその兄フォウルに出会って、徐々に態度を軟化させていき、尚文に突っかかることもなくなった。
家族に家族を殺され、盲目的な家族愛から目が覚めた杖の勇者
タクト一派や彼と通じていたマルティ改めヴィッチ達の手によりアトラとミレリアを殺されるが、息を引き取る直前のミレリアから後のことを託される。さらにその後の尚文の叱責により立ち直り、杖の勇者、そして英知の賢王として復活し尚文と和解する。その時に自身のこれまでの蛮行の愚かさに気づき、自らクズを名乗り続けることを決意する。
英知の賢王の名は伊達ではなく、タクト戦では四聖全員から現代日本の科学や航空技術の話を聞き、それとタクトの性格を参考に敵側の行動を予測し見事に的中させたり、女神の尖兵戦では持ち前の頭脳を生かし配下や仲間を使い敵を足止めしつつ敵のみを魔法で焼き払ったり、魔法の二次効果をかすることなく躱すなどの活躍をし女神軍を蹂躙し、尚文達だけでなくかつての戦争を通して英知の賢王の実力を知るシルトヴェルトの面々を慄かせた。
女神戦後はメルロマルクの女王となった娘メルティの手伝いや公務をしつつ魔法技術の発展に力を入れ、キール主演の演劇「盾の勇者の物語」では自分役、自身の半生を描いた演劇でフォーブレイ王のアレンジ役で出演したりする。
web版と他メディアとの差異
web版ではタクト戦の後で捕らえられたヴィッチを完全に見限り処刑する。
書籍版ではタクト戦でヴィッチが逃亡しているため手を下していない。自分では手心を加えてしまうかも知れないとまだ未練を残しつつも、尚文に息の根を止めてくれと伝えており覚悟を決めている。
アニメ版では断罪の描写が変わっており、原作では尚文が積年の恨みとばかりに死刑を提案し、ミレリアが生かして苦しめた方がいいと権威剥奪と改名させたのに対し、アニメではミレリアの方から処刑しようとするが、尚文がミレリアが本心では処刑を望んでいないことに気づき、執行直前で改名の罰を提案した形になっている。
また14話でメルティの捜索報告を受けた直後に「またわしから家族を奪う気か。盾め!」と呟く一面が描かれた他、原作での断罪時に「盾が悪い!」としか言っていなかったのに対し「家族が受けた災いを此度も必ずもたらす!そんなことは断じて許さん!」と訴える等、上記の「盾の勇者を崇める亜人により家族を失った」という盾の勇者を憎む理由が原作よりも早くに強調された。
(真)槍の勇者のやり直し
元康から改名後の名前であるクズと呼ばれ、尚文に害しか与えない老害と認識されている。
本編では見られなかったが盾を擁護するものも反逆者と見なして隙あらば殺そうと企んでいる。
シルトヴェルト編では三勇教と手を組んでシルトヴェルトに戦争を仕掛けるが、女王に偽物の謀反者として扱われ捕虜にされる。(殺すと杖の眷属器が飛んでいってクズが七星勇者である事がバレてしまうため)
フォーブレイ編では冤罪事件が発生したその日の内にマルティと一緒に殺されるが、それを露呈しないよう影武者が成り代わる。その影武者は三勇教徒であり、新しい教皇を据えた三勇教とミレリアの親戚筋の女性と共に国を乗っ取る形で暴走、国を贄にして悪魔を召喚する事態となってしまう。
さらに杖の眷属器も親戚筋の女性に憑依し亡霊として復活したマルティに乗っ取られるが、オルトクレイの魂も杖と共にあり死した後でマルティの本性を知り、三行半をつけてミレリアに杖を託していった。
また三勇教と関わりがあったのは事実だが政治には踏み込ませないようにしていたとミレリアの口から明かされた。
ゼルトブル編後編ではミレリアの願いもあって殺されはしないものの、クズと改名され牢に幽閉されてしまう。
こちらの世界でもアトラと会った際に大人しくなり、アトラやミレリアに牙を剥いた三勇教に引導を渡し、杖の勇者としての使命を再自覚するが、マルティの本性を自分の目で見なかった事、アトラもミレリアも死ななかった事、戦争にならなかった事、改名の罰を与えたりアトラとフォウルを奴隷にしたのが元康だった事等の要因が重なった事で本編のように四聖勇者らと和解はできなかった。
真・槍の勇者のやり直しの真・チュートリアル編では突如行方不明になったマルティを探すためにギルドを通して呼びかけを行っていたところ、タクトが駆け付け彼にメルロマルク国内での活動を許可・勇者同士の活動を推進した事で錬と樹が殺される遠因を作ってしまった。
マルティがタクトに殺された(という尾ひれのついた噂)事を聞き、ミレリアからその証拠を見せられた際には意気消沈した模様。
シルドフリーデン編ではタクト一派の手により脱獄。
同じくマルティを奪われた者であるタクトと結託し自身が先の戦争で得た情報(元康が異常に強い事とフィロリアルを飼い慣らしている事)を伝えた上で「奴らと本気で戦うならあと十年は修行しろ」と釘を刺す。
しかしタクトが十年はおろか半年足らずで元康と尚文達の復讐を実行に移してしまい自身もそれに便乗。
タクト一派にフィロリアルの卵を巻き付けさせ人質とし元康の動きを封殺、尚文と殺し合う事を強要したものの尚文の仲間達の尽力でメルティやミレリアを奪還され、さらにミレリアからアトラとフォウルを介した説得を受けてしまう。
それを見かねたタクトによって本編同様ミレリアに重傷を負わせられた事で彼と決別、敵であった尚文と元康に妻の救助を懇願し、元康達を倒すための修行を疎かにしてでも復讐を早まって実行に移したタクトをダメ出しし自害を勧める。
最終決戦後、タクト一派の情報を提供する形で協力するようになり以前よりも大人しくなった模様。
伝承のフィロリアル編では前述のシゼル毒殺の詳細が明かされ、(元康が仕込んだ)ウロボロス劇毒によってマルティが使徒化するのを目の当たりにし、息子を喪った時のトラウマが蘇ってしまっただけでなく毒殺にマルティが関与していたと思われる証拠が発見された事で完全に意気消沈した。
関連タグ
盾の勇者の成り上がり 盾の勇者の成り上がり登場キャラクター一覧
クズ(曖昧さ回避)
ルルーシュ・ランペルージ(家族の死を機に名前を変えて他国へ移住、盲目の妹がおり行動原理が「妹を守るため」、己の叡智と異能の力を持って戦争に身を投じる、戦争の末に王となる等多くの共通点を持つ者繋がり)