概要
1999年4月から9月にかけて放送された円谷エンターテインメント(円谷プロダクションを退社した元専務の円谷粲が1989年7月に設立した映像会社)製作の特撮ヒロイン番組。テレビ朝日にて全20話が放送された。
『サイバー美少女テロメア』『美少女新世紀GAZER』などの円谷作品の流れを汲む、特撮美少女番組の決定版として制作された作品で、爽やかなラブコメなどのアニメ的要素を特撮でやろうというというのが本作のコンセプトであり、美樹本晴彦、林原めぐみといったアニメ作品ゆかりのスタッフ、キャストが参加しているのはそのため。
基本的にコメディタッチで進むが、中盤からは登場キャラが次々と死亡するシリアス路線に転向する。
また声優の堀江由衣が女優として顔出し出演している。
あらすじ
会社をリストラされ、アルバイト生活に明け暮れるアニメオタクな青年・藤田和幸の家に、ホームヘルパーとしてありす、あきら、あいりという三人の美少女が転がり込んできた。
三人の正体は、伝説の勇者アレスト・ホルンに仕える正義の騎士ヴァニーナイツであり、和幸こそがアレスト・ホルンの生まれ変わりだった。
そうとは知らない和幸は、悪の魔族アモル・ゴアに襲われてしまう。ヴァニーナイツは和幸を守るために戦うこととなった。
最終回「私だけのアレスト」
今作を悪い意味で有名にしてしまった原因。
このエピソードは、前半こそヴァニーナイツとアモル・ゴアの最終決戦が描かれているが、後半は一転して整合性の付かない、理解不能な映像が挿入され何が起こったのかわからないまま物語が完結してしまった。
具体的に説明すると
- 最終決戦を前に、和幸がアレスト・ホルンに覚醒するが闇落ちする。
- アレストを救うためにあきらとあいりが死亡。
- ありすが生き残り、アレストの下へたどり着くが意味不明なサイコホラー的精神描写がなされる
- 精神世界的ハッピーエンド。ラストで光の玉が宇宙へ飛び去って行く。
これを読んで意味が解らないと思った方。あなたは正しい。これでもかなりわかりやすく書いたつもりである。
これについては、放映直後から公式サイト宛てに視聴者からの意見・疑問・抗議が殺到。同業者の間からも「喪失感・虚脱感を感じる」「エヴァンゲリオンの劣悪な模倣」と厳しい意見が寄せられ、出演者すら苦言を呈するほどだった。
これについてプロデューサーの畑澤和也は公式サイトにて、「製作状況やストーリー構成が破綻した結果ではなく、制作陣たちがキャラクターや物語に真剣に向き合った結果の結末」と釈明しており、整合性のない一連の映像については、公式サイトやDVDの解説書に一応の解釈が記述されているものの、畑澤Pはこれは公式なものというよりも畑澤P個人の解釈であり、見る側によって他の解釈を行うこともできるとしている。
要するに視聴者ごとに別々の解釈の余地を残した結果、この結末になったということなのだろうが、それを知らないで見たらはっきり言って意味不明な展開にしか思えない。そもそも大切なオチを視聴者に丸投げしている時点で……
最終回に至るまでに物語を盛り上げておきながら物語としての結末をはぐらかす結果となったことについては、畑澤は反省の念を述べている。また、作風がシリアス路線になった時点で残り5話しかなく、物語を詰め込みすぎたこともこれほどの反響を呼ぶ最終回となった要因の一つに挙げられている。
放送からかなりたった現在でも特撮ファンの間では「あの終わり方は納得できない」と語り草になっている。
主な解釈
- 登場人物全員が死亡し、別の宇宙へと転生した。
- 実はアレスト・ホルンは勇者ではなくアモル・ゴアの首領で、ありすたちは知らないまま利用されていた。最終的にアレスト・ホルンによって地球が征服される。
- 「私だけのアレスト」とあるように、真の黒幕はアレストこと和幸を独占したいありす。結果、ありすと和幸が別の宇宙で結ばれるヤンデレエンド。
関連動画
関連項目
仮面ライダーディケイド・・・最終回が賛否両論になった作品つながり。こちらは劇場版で一応の補完がなされた。