吼えろツインターボ!!全開だ!ターボエンジン逃げ切った!!(高橋雄一アナの実況より)
概要
1988年4月13日生まれの競走馬。破滅型と称される「大勝ちか大惨敗か」の二つしかない極端なレーススタイルから、マニア人気が高い。
父ライラリッジ、母レーシングジイーン。どちらも重賞を取った経験のない、悪く言えば地味な血統である。
馬体も小柄で、明らかに他の馬よりも小さな馬体は非常に目立つものとなっている。その小さな身体に反して二面性を持ち、馬房ではおとなしいが調教時は人が跨るのを酷く嫌がるなどの気性は荒さを見せたとされる。
新馬戦時から「とにかく初っ端から全力でスタートダッシュを決め、後は馬の体力に身を任せる」というスタイルはほぼ確立しており、引退までこのスタイルをほぼ貫き続けた。
唯一現役時代に定石に則った走りをしたのは武豊騎乗時のみ。なおこの武豊騎乗時のレース運びは快く思われておらず、おまけにろくな成績を出せなかった(15着のビリッケツ)こともあり、ファンからボロクソに言われがち。
はっきり言って成績だけで見ればさして名馬とは言い難い競走馬だが、時にその身を滅ぼすレベル(実際鼻出血などで長期休暇を余儀なくされた)での馬鹿逃げを駆使して勝利を収めている。中舘英二騎手を得て、名馬相手に二連勝を収めたのは特に有名。
実況からも愛されており、勝利時にアナウンサーが放った「吼えろツインターボ!」(七夕賞)と「逃亡者ツインターボ」(オールカマー)は名フレーズ・名文句として語り草である。
中央競馬を一部揺るがせたツインターボだったが、輝かしい活躍は93年の七夕賞とオールカマーの二つだけ。地方に移って一勝した後は振るわず、種牡馬入りした。しかし特に目覚ましい血統ではなく、成績的にも需要はなく、5頭の産駒を残した矢先の98年の年始、心臓の病で11歳という若さで世を去った。
ターボエンジン全開で駆け抜けた逃げ馬は、死ぬときもあっという間に走り去ってしまった。
華のある名馬と比べると、目覚ましい活躍には程遠い競走馬時代だったが、差し馬スタイルが席巻する競馬界にある意味で一石を投じ、その個性的かつ極端なレーススタイルは、今でもファンから愛を持って語り継がれている。