概要
真空中では299792458[m/s](約30万km/s)だが、物質中では媒質によってこれより遅い値をとる。光の屈折が起こるのは異なる媒質では光速も異なるため。
荷電粒子が媒質(絶縁体)内の光速度より速い速度で運動すると媒質が荷電粒子によって変極した後、平衝状態に戻る際に光子を放出するが、この光子が干渉せずに増幅しあう。これをチェレンコフ放射といい、その光をチェレンコフ光という。荷電粒子の運動速度がその媒質中の光速以下の場合は媒質から放出された光子が干渉しあうため、光は観測されない。
光速の違いがひびく影響
可視光線も電波も電磁波の一種であることから、絶縁体(誘電体)が導体の近くにあると光速が空気中よりも遅くなり波長が短くなるため、プリント配線上では同じ周波数の信号でも波長が短くなり、光速が無視できなくなる。
そのため、配線の長さを等しくするために短い線をわざと蛇行させたり(ミアンダ配線)、モジュール間のバス配線を線の本数の少ないシリアル通信にするなど、工夫が必要になる。
光速の違いを利用したもの
上記の現象を利用して誘電体にアンテナを作り、本来必要な大きさより小さなアンテナを作ることが最近の無線機器ではよくある。これにより、機器の小型化ができる。