概要
大西洋連邦のMS開発計画(GAT-X)の発注を受けていたモルゲンレーテ社が、無断でその技術を盗用して製作した5機のモビルスーツ。
とりわけストライクガンダムのアーキテクスチャーをベースとしており、人体的な駆動性能とフレーム構造の多くに共通性が見られる。
オーブの主力機動兵器=MBF(Main Battle Figure)の系列に連なる機体群であるが、最初期のP(Proto)シリーズ、プロトアストレイ5機はM1アストレイと並行して開発されていた技術試験機に位置する。モルゲンレーテ社は宇宙のヘリオポリスでこの機体を生産し、地上のオノゴロ島でM1アストレイを製造する事により短期間での戦力化に成功している。
GAT-Xシリーズの技術をフィードバックしているために携行型ビーム兵器は標準搭載し、ストライク譲りのフレーム構造によって当時のザフト主力機群を火力・運動性で圧倒する。また、ストライクとは異なるアプローチのバックパック換装システムを有しており、背部のスライド機構によって基本装備を保持したままの装備増設が可能となった。その一方でPS装甲だけは盗用出来なかったため、装甲をオーブの得意とする軽量でそこそこ強度のある発泡金属(空間装甲の概念が適用されるので実体弾にはPS装甲ほどではないがある程度耐性がある。)にし更に装甲そのものも最低限とすることで軽量化し、被弾を避けるというコンセプトを採用している。
そのためGAT-Xシリーズと比較してもフレーム露出度が上がっており、その薄膜処理部位に塗装を施す事で機体のコンセプトを識別する形となった(赤=ナチュラル用、青=局地戦用、金=要人向け特別仕様。他のカラーはこの法則に当てはまらない)。
製造地のコロニー・ヘリオポリスでは5機分がロールアウト。うちP-01~P-03までの3機が製造され、04と05は予備パーツとしてストックされる。だが、同地がザフトの襲来を受けたことと、オーブ本国の意向からプロトアストレイが破棄される運びとなったことからP-01を除いた機体はオーブ国外に流出している。
所有者により大幅な改造がされる例も多く、後にジャンク屋ギルドが民間用としてM1アストレイのパーツを流用して製作したレイスタやシビリアンアストレイを販売しているのでバリエーションは非常に多岐にわたる(シビリアンアストレイに関して言えば、一部パーツの交換で完全にプロトシリーズとの互換も可能)。
プロトアストレイ一覧
アストレイ ゴールドフレーム
1号機。フレーム色は金。
唯一正規の製造者、すなわちオーブの手に渡った機体だが、プラントからの脱出の際に、調整無しにX102用のバズーカを使用したことで、不具合が発生、やむなく右腕をパージしている。(この時、まともに作業員に退避時間を与えなかったため数名が巻き込まれていると思われる。)
後にレッドフレームとの交戦で頭部を破壊されている。
アストレイ レッドフレーム
2号機。フレーム色は赤。
ジャンク屋ロウ・ギュールが入手した機体で、そのまま彼の搭乗機となる。
MSサイズの日本刀「ガーベラストレート」を武器に戦うサムライ・モビルスーツである。
「SEED」本編には登場しない……が、オープニングにのみ客演している(HDリマスター版ではミゲル・アイマンのジンに差し替えられている)。
また、溶接用トーチと工作用ナイフを備えた銃剣(に見える工作ツール。武器としても使用出来るが自己責任が伴う)「カレトヴルッフ」も装備する。また、この”道具”との併用も視野にいれた新型の頭部パーツ「ドライグヘッド」{和訳して”竜の頭”。高性能のセンサーや、発光機にも使えるビーム発振機を持つ}も開発、装備している。(この見た目からして、作業用機らしくないデザインは、「性能=見た目の格好よさ」が信条のロウの発案によるため)。
アストレイ ブルーフレーム
3号機。フレーム色は青。
回収された当初はロウが乗っていた(ほぼわずかではあるが、ナチュラル搭乗を主眼に置いたレッドフレームが最終的に愛機となるあたり、彼の悪運の片鱗が窺い知れる)が、後に傭兵・叢雲劾(むらくも がい)の乗機となる。各種オプション装備のテスト予定機であった名残からそのコンピュータには各種装備のデータが残されており、それを基に叢雲劾の手によっていくつかが実際に制作され使用された。
アストレイ グリーンフレーム
4号機。
パーツ状態で回収されたものを組み上げたもの。
フレーム色は緑だが、密林地帯における迷彩目的の塗装の可能性もあり、本来の色は不明。
ビームライフルに2本のサーベルを装備した「ツインソードライフル」を装備。
当初は拳法家のエースパイロット、バリー・ホーが搭乗していたが、後にゲリラの青年トロヤ・ノワレに譲渡された。
パイロットサポートのためにストライクルージュに搭載された補助コンピュータの発展型が搭載されているのが特徴。
アストレイ ミラージュフレーム
5号機。
これもパーツから組み上げたもの。グリーンフレームと同じく本来のフレーム色は不明だが、現在は紫。
ミラージュコロイドを用いて他の機体へ擬態(姿を変えるだけであり、機体性能自体は変わらない)出来るほか、頭部・前腕部・脚部が前後反転して、異形の近接格闘形態「グラディエイターモード」へ変形するのが最大の特徴。
また、ヴァリアブルフェイズシフトを用いた日本刀「天羽々斬(アメノハバキリ)」を装備する。