概要
シリンダーが3つ直列に並んでいるエンジンのこと。
メリットは同じ排気量の直4エンジンと比較すると1気筒あたりの排気量が大きく、冷却・摩擦などによる損失が小さくなり、高トルクを得られ低燃費につながる。また複雑なエキゾーストマニホールドが不要になるため、排気系を簡略化でき軽量化につながる。
デメリットは直4と異なる振動特性、爆発回数の少なさに起因する騒音やトルク変動が問題となる場合がある。そのため搭載する上でなんらかの機構・素材を追加することが必要となる。
また排気量が大きくなるにつれて高回転でのエキゾーストノートの雑味が大きくなるため、特に四輪車では好みが分かれる点である。
V6は仕組みとしては片バンクが直3となるため、振動の特性の一部を受け継いでいる。
なおこれらは直2と比較すると、メリット・デメリットは反転する(直2の方が燃費・コスト面で有利だが、雑味も増す)。
二輪車では2気筒と4気筒の中間というややもすると中途半端な立ち位置から定期的に流行ったり廃れたりを繰り返しており、現在はトライアンフ、ヤマハ、MVアグスタのような特定のメーカーが盛んに作っている。MVアグスタは1960年代に直3でWGP(今のMotoGP)を席巻していたこともある。
四輪車では主に600cc以上1,500cc以下の小排気量エンジンに採用されている。バイクと違い、自動車の2気筒は非常にレアな(新興国向けにごく少数あるか、フィアット500くらいしかない)ため、事実上の最小気筒数となっている。
かつては軽自動車やBセグメント車の廉価グレードなど、大衆車の中でも最安の部類の車にしか採用されなかったが、「CASEの時代」を迎えた昨今はコスト削減と燃費改善の両立ができることから、BMWやメルセデス・ベンツといった高級車メーカーすらも積極的に直列3気筒をダウンサイジングターボのレイアウトとして採用しており、今最も注目度の高いレイアウトの一つである。