いざ、天才ピアニストに挑め!凡才少年の奇跡の物語が幕を開けるーー!!
🎼概要
週刊少年ジャンプの連載漫画。2021年42号から連載。略称は「ピ」「ピピピ」など。Twitterでは四文字以上の単語がトレンド入りする仕様の上に、一部登場人物の名前が一般に用いられる単語なので、公式は感想を呟く際にハッシュタグ「#PPPPPP」を使うよう呼びかけている。
🎼あらすじ
音上家に七つ子が生まれた。時は経ち成長し七つ子の六人は有名ピアニストになったが、ただ一人ラッキーだけは「『凡才』の人間=凡人」だった。ラッキーの処遇を巡って両親は離婚。母親に引き取られたラッキーだが、母親が難病を患ったことに伴い、本格的にピアニストを目指すことになる。
🎼作品紹介
生き別れの兄弟を主人公・ラッキーがピアノで救う話。ラスボスは父親。登場人物の大半が片親家庭・天才と凡才の苦悩・病床の母親など、一見ドロドロしたストーリーに思われるが、「4対4のピアノバトル」など、中身はちゃんとジャンプ漫画。音楽を主な題材とするため、コンクールの成績が悪くても(或いは公式の演奏の場でなくとも)対戦相手の心へ響けば主人公の目的は達成可能である点も特徴。
🎼登場人物
🎼主要人物
園田ラッキー(そのだ ラッキー)
主人公。七つ子の一人で五男。兄弟の六番目。兄弟の中で唯一の凡人であるが、他の兄弟達とは一緒に遊びながらピアノを弾き合う等、兄弟仲は良かった。両親が離婚し、難病を患った母の入院に伴い、母方の叔母の家に引き取られた。「いつかまた兄弟7人で一緒にピアノを弾きたい」と願っている。映像体験的な音楽をピアノで表現することができる。得意な曲はモーツァルトの「きらきら星」。カラーページでは黄色。海が苦手。
古須亜子(ふるす あこ)
ヒロイン。四分谷音楽高校首席。絶対音感を持つツインテールの少女。ピアニストだった母親を堕落させた音上楽音を恨んでいた。ラッキーのピアノを「願いを叶えてくれるピアノ」と言った。
🎼音上家の関係者
音上楽音(おとがみ がくおん)
ピアノの天才で七つ子達の父親。蝶調の元夫。子供達の中で唯一、ファンタジーを生み出せないラッキーに厳しく当たり、妻との離婚後も自身が引き取った子ども達に過剰なプレッシャーをかけている。「凡が出す事を許される音は音楽には在らず」が信条。大富豪のパトロンを使い世界中のコンクールを買収し、自分にファンタジーを見せてくれる天才だけのピアノの世界を作ろうとしている。
園田蝶調(そのだ ちょうちょう)
ラッキー達七つ子の母親。離婚後に難病を患ってしまい、長年病院に入院しており、ずっと寝たきりだった。ある日意識を取り戻すが、医師から余命を宣告されている。
ラッキーの祖父
有名なピアニストだった。本名や容姿を含む詳しい素性は不明。
🎼ラッキーの兄弟達
本来はラッキーを含めて七つ子だが、世間的には六つ子と言う事にされている。両親が離婚する前は兄弟関係は良好だった。
名前はラッキーを含めて頭文字にド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シが付いている(一番目は長男のドン、二番目は次男のレイジロウ、三番目は長女のミーミン、四番目は三男のファンタ、五番目は四男のソラチカ、七番目は末弟のシカト)。
音上ドン(おとがみ ドン)
七つ子の一番上の長男。厳格そうな見た目とは裏腹にレイジロウの名前を忘れかけたり、母を覚えているか危惧されるなどかなり忘れっぽい性格。作曲家に忠実なファンタジーを生み出す。
音上レイジロウ(おとがみ レイジロウ)
七つ子の一人で、ラッキーの次兄。「轟音の天才」。幼い頃は兄弟達の中でも特にラッキーと仲が良かった。両親の離婚後は、孤独とストレスに苛まれ、登場時は睡眠薬を飲まないと眠れない状態になっている。
演奏すると夕焼け色の巨人が現れる。筋力と体力がある。カラーページでは夕焼け空のようなオレンジ。
現在は他の兄弟たちのイラストも多いが、ミ編前半連載時まではpixivに投稿されてるイラストの大半が彼のイラストだった。
音上ミーミン(おとがみ ミーミン)
七つ子の一人で、ラッキーの姉。無邪気でマイペースな不思議ちゃんで、両親のことは「パパン」「ママン」と呼ぶ。父に対して挑発的な態度を取る小悪魔のような一面も持つ。作曲家の解釈やコンクールの順位と関係なく、自由に演奏したいと望んでいる。カラーページでは緑。
何も考えず演奏すると葉の生い茂った森のファンタジーを、自由に演奏するとミの音から妖精を生み出す。
音上ファンタ(おとがみ ファンタ)
七つ子の一人で、ラッキーの三番目の兄。よく複数の女子と遊ぶほどの女好きだが、自分を捨てた女として母を憎んでいる。聴き手に合わせて様々なエリアを映し出す遊園地のファンタジー。ピアニストとしてのプライドを持っており、音上で唯一、聴衆のことを考えた演奏をする。カラーページによれば紫の髪。
音上ソラチカ(おとがみ ソラチカ)
七つ子の一人で、ラッキーの四番目の兄。兄弟の中ではまともな部類らしいが……。
カラーページでは青空のような水色。
音上シカト(おとがみ シカト)
七つ子の一番下で、ラッキーの弟。重度のファザコンである一方、ラッキーにも母にも一切興味を持とうとしない。
🎼音高の関係者
本名は「出田英雄(だだ ひでお)」。音楽学校の講師。猫目のスキンヘッドの男性。ラッキーに強い興味を示す。昔、コンクールで一度だけ楽音に勝ったことがあり、当時の自分のことを「ラッキーの完成形」だったと振り返っている。
巻六九(まき ロック)
四分谷音楽学校の生徒。たまにラッキーと席が隣になる。ラッキーが「元音上」と知っている。自分がいくら頑張って演奏しても「喝采」を手に入れることができなかったため、ピアノに喜びを感じなくなっている。常識人枠。
山中メロリ(やまなか メロリ)
四分谷音楽学校の3年生で理事長の門下生。プロピアニストとして活躍し、現在は人気バンドでピアノをしている。楽音の野望から音楽業界を守るため、天才を捨てた「元天才」。
天才だった頃の演奏ではグニャリと世界が歪む。ミーミンと縁がある。
本作の前日譚である読み切り作品「ダダダダーン」にも登場。カラーページではピンク。
日野運(ひの さだめ)
前日譚「ダダダダーン」の主人公。ピアノの天才ではないが、学びの天才ではある。短編のカラーページでは赤。
現在では音楽業界の情報通。曲のアナリーゼから音楽関係者の裏事情まで色々と知っている。
理事長(りじちょう)
メロリを門下に持つ四分谷音楽学校の理事長。
本作の前日譚である読み切り作品「ダダダダーン」にも登場。
🎼その他
ラッキーの叔母(本名不明)
ラッキーの母の妹。姉とは違いブサイクかつ性悪な女性。自分の姉と甥を嫌っている。姉同様のシングルマザーでもあり、息子を甘やかしている一方、息子と共にラッキーを虐げている。
正志(まさし)
ラッキーの従兄弟。母同様に性悪な性格をしており、母と共にラッキーを厄介者扱いしていじめているが、ピアノの才能は皆無である。
Mr.クレシェンド
楽音のパトロン。落ち着かなくなると徐々に声を荒げて迫ってくる。
楽音の理想に賛同しており、協力している。楽音のピアノにそれだけの価値を感じているようだ。
名前の由来は「だんだん強く」を意味する音楽記号と思われる。
新座ワオ
作曲家。新人発掘が趣味。DADA先生とは同級生で理事長の門下生仲間だった。ラッキーの演奏を高く評価している。マオという妹がいる。
🎼用語
映像体験的な音楽
ラッキーが演奏できる音楽。視覚を伴う下記「ファンタジー」とは異なりラッキーの実体験をベースとしているため、触覚、味覚なども感じることができる。出現させる条件は①曲の本質を思い②誰かを③どこかへ連れて行こうとすること。
音上家
音楽業界において有名な名家。楽音が世界三大音楽コンクールを制覇することにより、その地位を築いた。
ファンタジー
音上家の兄弟など超一流の演奏家が奏でる「映像的な音楽」によって目の前に現れる、この世のどこにも実在しない幻覚。演奏される曲や演奏者によって、また同じ演奏者でも弾き方によって現れる「ファンタジー」は異なる。
園田ラッキーは「ファンタジー」を発する能力が低かったがために実父・音上楽音から「凡才」の烙印を押されてしまった。
四分谷音楽高校
ラッキーたちが通う音楽高校。正志はここの入学試験に落ちた。
🎼関連タグ
ダダダダーン…本作の前日譚。天才だった頃の山中メロリと、ピアノに触れる前の日野運の出会いの話。2022年6月現在、ジャンプ+で無料で読むことができる。→ジャンプ+『ダダダダーン』
テニスの王子様、黒子のバスケ…登場人物が現実離れした漫画的表現で競技を行うジャンプ漫画繋がり。
腐向けタグ→ピ6【腐】
🎼外部リンク
公式TwitterPPPPPP公式
質問箱を開設しており、時折、読者からの質問に答えている。
ジャンプ+公式試し読み1話2話3話
🎼関連動画
🎼連載開始時の公式PV
🎼ボイスコミック1話〜3話(cv:斉藤壮馬・芹澤優)
🎼作中に登場する音楽
クラシックが主となる。Spotifyなどの音楽アプリで検索すると、ファンが関連音楽をプレイリストにしているので、まとめて聴く場合はそちらを推奨(※非公式)。
🎼序盤
ピアノ協奏曲26番 K.537 ”戴冠式”/モーツァルト
1話登場。ラッキーと出会った時にフルスが聴いていた曲。音上兄弟の長男ドンの演奏で、王宮に続く階段のファンタジーが現れた。
きらきら星変奏曲/モーツァルト
1話登場。かつては7つ子みんなで仲良く演奏した思い出の曲。ラッキーが高校入試で演奏した際は、DADAに幼い兄妹7人がピアノを演奏する様子を眺める体験をさせた。
平均律クラヴィーア曲集第一巻第一番(プレリュードとフーガ)/バッハ
2話登場。蝶調が好んで聞いていた曲。ラッキーが高校入試で披露し、入学後にもDADAの指示でもう一度演奏したが映像体験をさせるには至らなかった。ミーミン曰く楽音が好きな曲でもあるらしい。
エチュード作品25第9番変ホ長調 ”蝶々”/ショパン
2話登場。ラッキーの兄弟(おそらくファンタ)がよく演奏していた曲。こちらもラッキーが入試、及び入学後に演奏したが映像体験をさせることはできなかった。
超絶技巧練習曲第4番 マゼッパ/フランツ・リスト
3話登場。フルスが自主練で弾いていた曲。その超絶技巧にラッキーは慄いていた。
亡き王女のためのパヴァーヌ/モーリス・ラヴェル
3話登場。DADA門下入門対決の課題曲。ラッキーが演奏しフルスに母親から頭をなでで貰うという映像体験をさせた。また、メロリが好きな曲でもあり彼女は学生音コンの本選で披露していた。
🎼レ編
ピアノ協奏曲イ短調OP.54/シューマン
5話登場。仙台国際音楽コンクールのファイナルでレイジロウが演奏。会場に轟音を響き渡らせると同時に夕焼け巨人のファンタジーを出現させた。
歓喜の歌/ベートーヴェン
7話登場。新座ワオOSTオーディション予選の課題曲(厳密にはそのアレンジ元)。ラッキーはロックに大勢の観客から喝采をあびる体験をさせた。
トルコ行進曲/モーツァルト
10話登場。DADAの助言を受け、ラッキーが音を響かせる練習のために弾いていた。
「新世界より」第2楽章「家路」/ドヴォルザーク
12話登場。OSTオーディション本選の課題曲(厳密にはそのアレンジ元)。ラッキーはレイジロウに友人との普通の帰り道を体験させた。
🎼ミ編
エリーゼのために/ベートーヴェン
16話登場。ミーミンが電機屋でラッキーに披露した曲。独自解釈で弾いたら妖精のファンタジーを、何も考えずに弾いたら木々の間から曲の本質が垣間見えるファンタジーを出現させた。
革命/ショパン
20話登場。学生音コン予選でフルスが選んだ課題曲だったがミーミンが自分の指定曲そっちのけで演奏。ぐにゃりと歪む美しい木々と軍隊を踏みつける女王のファンタジーを出現させた。
悲愴/スクリャービン
23話登場。学生音コン予選でラッキーが選んだ課題曲。ラッキーが音上家で育ち、虐待され、最終的に家を出てキョウダイと離れ離れになる体験をフルスたち観客にさせた。