概要
陸上自衛隊では観測(偵察)ヘリコプターOH-6カイユースを使用していたが、更なる偵察力の向上を目指して開発された観測ヘリコプター。
ひそかに忍び寄り情報を奪うことから『ニンジャ』の愛称で呼ばれている。
設計開始のわずか3年後に試作機が完成し初飛行するという、航空機にあるまじきすさまじい開発スピードで完成させた。
もともと川崎内で基礎研究が進められていたというのもあるが、米国からの圧力を避けるために、ある程度形に出来る状態になるのを待ってから正式に開発したから出来た芸当である。
胴体幅は1メートル以内とかなりスリムで、胴体両脇にハードポイント付きの安定翼をもつ。陸上自衛隊が運用している攻撃ヘリのAH-1とよく似たシルエットをしている。
搭乗員は二人。通常視界の広い後席が操縦席となっている戦闘ヘリと違い、操縦は前席で行い、後席で観測を行う。
前線での偵察任務を見越して、安定翼のハードポイントには増槽のほかに自衛用の空対空ミサイルが搭載可能。
メインローターは関節のないヒンジレスハブローターを採用し、高い安定性を得ているほか、ダクテッド式のテールローターは通常とは違い不等間隔による配置となっており、騒音低下に一役買っている。
ホバリングによる安定性が高く、パイロットが手放しでも安定した状態でホバリングすることが可能となっているほか、機体を90度傾けた状態での急上昇、背面宙返りなど、機動性も高いことから、動画サイトでは飛行中の動画に対して『お前の飛び方はおかしい』とコメントされるほど。
そして手にした栄誉
その優れた性能により、優れたヘリコプターに送られるハワードヒューズ賞を米国製ヘリ以外で初めて受賞している。
そのほか
現在、陸上自衛隊の次期攻撃ヘリコプターでもあったAH-64Dの調達が価格高騰により途中で中断したことによって、OH-1の重武装化案が出ている。
もともとスリムな外見で自衛用の空対空ミサイルも搭載できるということから、はじめからそのつもりではないのか?という意見はOH-1の登場時からあった。
ただし、今のところ正式な発表はない。
また、次期汎用ヘリコプター(UH-X)としてOH-1ベースの汎用ヘリコプターを開発が予定されている。