書籍版
コミカライズ版
漫画 | 真鍋譲治 |
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掲載誌 | コミックライドアドバンス |
既刊 | 3巻(2023年現在) |
概要
正式名「脱法テイマーの成り上がり冒険譚 ~Sランク美少女冒険者が俺の獣魔になっテイマす~」
作者のすかいふぁーむ氏がテイマーを題材とした作品を多く手がけている中で、本作は『エロ』に特化しており、書籍版やコミカライズ版でもお色気描写が書かれている。
当初は「女の子のこと【テイム】できたらいろいろやりたい放題なんじゃないか」という男の夢を詰め込んだ作品になるはずだったが、ヒロインの方がいろんな意味で強いということもあってか、若干主人公が振り回され気味となっている。
シリーズ累計10万部を突破(2023年現在)。
あらすじ
魔物を従える冒険職「テイマー」のリントは、劣等職と白眼を向けられながらも魔物の相棒キュルケと共に一旗をあげようと王都へと趣いた。
そんな時、ソロでありながらSランクの美少女冒険者ビレナからパーティーを組まないかと誘われてしまう。
これを皮切りに、聖女を始めとした女の子たちと契約して最強パーティーを作る、法律スレスレの冒険譚が始まった。
登場人物
- リント
テイマーである冒険者の青年。
両親を事故で亡くした後、生きていく為に冒険者になっていた。当初は力を持たず、生まれ故郷のフレーメルのギルドでも他の冒険者に冷遇される日々を送っていた。諸処の理由でテイマーの職業を手にした後も、唯一テイムできたのは最弱のモンスターであるスライムであり、後の相棒であるキュルケであった(ちなみにキュルケによって見つかった高級の薬草を採取した事でEランクに上昇)。数年後にDランクまでに上り詰めて王都で一旗を上げようとした所をビレナと出会う。
テイムした魔物に対しては乱暴に扱う事はせず、貴重な薬草や魔物を食べたとしても「(テイムした)魔物と信頼関係を築くために必要なもの」と割り切っている。また、スケベな部分もあるらしいが、当初は甲斐性がなかった。上記の通り冷遇される日々を送ったせいか自尊心の低さも見られる。
戦闘する際はテイムした魔物の一体である炎帝狼のカゲロウとの「精霊憑依」と
ヴィレントから若かりし日の頃に身につけたローブ(加護付き)を授かり、イオレナ武具店から様々な武器(と魔法剣)を購入。
作者によると当初ランスのような人物にする予定であった(参照ツイート)。
- キュルケ
リントが最初にテイムしたスライムだった魔物。
現在は進化して羊毛のような毛に包まれ、小さな角と羽が生えており、スライムの面影が殆どない(リントがDランクになった頃に進化した)。口はあるようだが、食事をする際は餌に覆い被せて吸い込んでいく。
元々はリントが練習でテイムしてすぐに解放したのだが、リントのテイムが特殊であったのか自らの意思でリントに付いてきた。以降はリントの相棒として駆け抜けていた。
Bランクの冒険者を捩じ伏せるだけの力を持ち、とりわけ防御力がかなり高い。加えてリントが他の存在とテイムする事で徐々に強くなっていく。
- ビレナ
獣人美少女の冒険者。褐色がかった肌と猫のような耳と尻尾が特徴。笑い声は「にゃはは」。
ソロで活動しながらAランクになっただけはあってか凄まじい身体能力を有しており、Aランク相当のコカトリスの変異種を難なく撃破していた(後にこの魔物の討伐によりSランクに昇格)。
何より早さも凄まじく、普通の人間の目では見切ることが出来ない。その為、二つ名も「瞬光のビレナ」と名付けられている。
彼女の目的は最強のパーティーを作る事であり、美貌に惹かれて申し込んだ冒険者を今まで全て断ったが、リントとテイムする事で彼とパーティーを組んだ。
お気楽でやや脳筋気味な所もあってか、目的を果たす為に神国をぶっ壊そうとする等の国際問題になりかねない程の行動を平然とする事も。とは言え、冒険者としてのメンツを潰しかねない同業者に対しては厳しく、村人に威張り散らした上に金をせびり取ろうとした冒険者が大怪我をしている事を把握すると、特級ポーションで怪我を治す代わりに代金を支払わせるという制裁を与えた。
見た目こそ美少女であるものの、人間と違ってそれなりに歳を重ねているらしい。
リントとテイムしており、彼がビレナに提供するものは『性行為における感度を高める事』。
- リリルナシル
神国の聖女。金色の長い髪と青い瞳をした美女。
聖女という立ち位置が神国にとって特別であるため、教皇によって聖女の塔に幽閉されている(内部は豪華絢爛で、食べ物も施設も全て揃っているが、リリルナシルは自らの自由を奪う事が目的だと見透かされている)。
史上最高峰の聖魔法使いで、冒険者としてもSランクの実力を有している(そのSランクこそが冒険者として活動していた頃の彼女が聖女に戻る為の条件であり、ザウズルによって不正に引き上げられてしまった)。来攻撃に向いていない聖魔法で聖女の塔の一部屋を壊していた。
ビレナとはヴィレントの姉妹弟子という関係を持っていおり、自らを自由にするべく彼女に助けを求めた。ビレナが自らの故郷である神国をぶっ壊そうとした時は咎めたものの、面倒になったらそれもアリだと否定しなかったあたり、こちらも常識人ではなかった。
- ギル
二属性持ちのアースドラゴン。危険度はA+クラス。
小屋のような住処5つ分くらいのサイズと黄土色をベースに所々銀に輝いている体躯が特徴。前足後足に加え、飛行能力を持つ翼を備えた両腕があり、手足が6本もある。顎がフォーク状になっており、岩や鉱石を掘削する役目を持っている。総じて厳つい外見をしているがメスで、しかもドラゴンにおいては随分と若い。
竜の巣と呼ばれる火山地帯に住んでおり、目にしたビレナに突っかかってきたが、圧倒的な強さの前に敗北し、そのままリントと契約した(そのため、ビレナに対しては恐怖を覚え、リントとは意気投合している)。
主な戦力は岩石と火が混じったブレスと尻尾による物理攻撃。飛行能力もかなりのもので、背に付けられた鞍で三人を運搬させる事が出来るが、その巨体のせいで狭いダンジョンには物理的に入れない。
- カゲロウ
狼系の魔物の最高峰に分類する精霊、炎帝狼。危険度はSクラス。
魔力が狼を象って意思を持ったような存在であり、顔つきの方もコヨーテや狐に近い。『炎帝狼』の名の通り、魔力が揺らめいて炎を身に纏っている様に見える。この炎は半物質化しているので触れても熱くないが、敵対者に対して全身の魔力を熱に変換させて炎を繰り出していく。また、ドラゴンのブレスを相殺させる威力の遠吠えといった攻撃手段を有している。
加えて、普段いる精霊界から任意のタイミングで召喚でき、尚且つ主人に纏って戦う事が出来る。精霊憑依した状態は自らを炎に変化させて鎧の様に主人を包み込んでいく。
Sクラスに分類される通り、単体でもかなり強く、リントとテイムされたキュルケやギルに対して優位に立ち、ビレナとも互角に渡り合っているが、【スキル:精神統一】で魔力と気をチャージして爆発的な力を得たビレナの一撃で敗北を喫する。その後はリントとテイムをした。
- ミラ
とある村のギルドの受付嬢。
ふわふわとした金髪の美人であるが口と性格は悪く、Sランクの冒険者ビレナと組んでいるリントの昇格をギルドのルールを理由に認めず、またドラゴンテイマーを信じていなかった。
しかし試験官のギュレムがリント相手に手も足も出なかった上に、テイムしたドラゴンのギルが現れた事で思わず失禁するほどの恐怖を覚えてしまう。
その後はドラゴンテイマーだと知ったリントに頭を下げる羽目になり、ビレナに件の失態(テイマーであるリントに対しての態度の悪さが本部にバレれば立場に影響を及ぼす)を無かったことにする代わりにある条件を突きつけられる事となった。
- ギュレム
とある村のギルドの試験官。元Bランクの冒険者。ビレナを師匠と仰いでいたが、少しの訓練で音を上げていた為、頭が上がらない。
Cランクの昇格試験でリントと相手をするが、キュルケに剣を受け止められた挙句、カゲロウを纏ったリントに下され、ビレナにも一撃を食らって気絶。
その後はドラゴンテイマーだと知ったリントに頭を下げた挙句、ビレナから「鍛え直し」を宣告された。
- ザウズル
神国のトップである教皇。
教皇を崇めることを必須とした神教を国中に強制させ、国民全てが魔法使いである実態も魔法の素養のない者を信仰が足りないといった理由で排除させていた。しかも限られた聖職者や教皇の近衛騎士団を除いて国外に出られない様な圧政を行った事から、それらをキラエムに漬け込まれてクーデターを引き起こされてしまった。また、キラエムとの対立においても追い詰められた事に加え、最大戦力であるバロンをも手放す致命的なミスを犯してしまう。
聖女であるリリルナシルを国民の感情を操作する為の道具としか思っておらず、冒険者として活動した頃のリリルナシルを強引な方法で手中に収めていた。おまけに神のお告げをありえない事だとしているだけでなく、一糸まとわぬ美少年と美少女とヨロシクやっているなど、随分と俗っぽい人物。
最終的にはビレナに荒っぽい方法で拿捕されてしまった。
- キラエム
神国のナンバーツーにあたる枢機卿であり反教皇派のリーダー。
教皇ザウズルと権力を二分しており、思考は教皇と同じく独裁色が強い。とは言えただの権力亡者ではなく、行動力と人心掌握術を持っており、まずは教皇の不満分子を集めて勢力を蓄え、教皇派の切り札であるバロンの不在時を狙って反乱を起こした。
- シーケス
教皇の子飼いである暗殺者。神の意志を何よりも優先しており、教皇を神の代理人だと考えている。その事からリントは説得を放棄した。
かなりの実力を持っており、短剣と魔法を駆使してカゲロウを纏ったリントとキュルケを相手に優位に立っている。それでもリント達を驚異を感じて撤退、バロンに報告をする為に向かっていた。
- バロン
神国唯一の軍事力である滅龍騎士団の団長。
武器は身の丈以上の大斧であり、全身に纏った甲冑で魔力を張り巡らせる事で最上級のドラゴンのブレスをも難なく防げる。
単独でエンペラードラゴンを倒せる実力を持っており、冒険者で言えばSランク相当となる(因みに滅龍騎士団はBランクであり、ビレナには全く歯が立たなかった)。
教皇派の切り札と目されているが、リリルナシルからはザウズルの事を当に見限っており、キラエムとも何かしらの繋がりを持っていると推測されている。
- ルミ
フレーメルのギルドの受付嬢。
リントに対して何かに気にかけており、彼の昇格には喜んでいた。
ちなみにフレーメルのギルドの冒険者には天使として崇められており、リントが冷遇されているのは彼への嫉妬も含まれていると考えられている。
- ヴィレント
王都のギルドマスター。元Sランクの冒険者。
ビレナとは知り合いであり、リリルナシルを娘のように思っている。
- リッター=フォン=イオレナ
イオレナ武具店のオーナーである男性。
一応男爵家を継いだが、王家においては男爵家は下級貴族である為、商売で生計を立てている。
用語
- テイマー
ファンタジー作品でお馴染み、魔物を従える冒険職。
自分より強い魔物をテイムする事が出来れば、人間では到達し得ない領域に立てることができ、生まれ持った特別なスキルや才能がない者にとっては希望の星である。
一見すると便利ではあるが、問題点も多く存在する。テイマーを目指す人間の半分以上はまともに戦える力を持たない上に、他の冒険者は魔物のテイムを手伝わされることが多く、結果的に足を引っ張ってしまう。その事から「他力本願」「まともに戦えない臆病者」とレッテルを貼られてしまう(事実、ギルド側の信頼も薄く、回ってくる仕事も実績を積むのに苦労するものが多かった)。しかも、人間と敵対する魔物を連れていく以上、パーティーを組む事は出来ない上に、街やギルドに出入りすれば魔物共々排斥される危険性がある。
ドラゴンをテイムするような強力なテイマーがここ最近では出現していない事も、地位に悪影響を及ぼしている。
- テイム
魔物と主従関係を結ぶ、テイマー独自の能力。
魔物をテイムするには、テイマーがその魔物以上の強さがあるか、罠などを駆使して追い詰めるか、魔物が求めるものを与える事で契約する、といった必要がある。
魔獣を従えるには殆どの場合、餌を渡すだけで事足りるが、相手の知能が高くなればそれだけ要求は複雑で難易度も高くなる。
テイムは従魔との信頼関係で成り立つ平等な契約ではあり、言葉が喋れる程の自我を持つ相手に対しては基本的にテイムを行わない。しかしそういった信頼を軸にしたテイマーは数える程しかなく、殆どのテイマーは完全に一方的で奴隷となった者の自由を奪う「奴隷契約」の延長で考えてる。当然ながらそのやり方も魔物を使い潰すか反抗させないように抑圧させるので、従魔との信頼も力も得られない。
リントにテイムされた生き物は『存在進化』する特性があり、外見の変化や能力の劇的な向上が見られる。
一覧 |
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- 冒険者
魔物を討伐し、依頼をこなす職業。その為、命を危険に晒す事も少なくない。
ランクはFから始まり、一つ上のランクに行くためには当該ランクの適正クエストを規定回数クリアする必要が有る。
ランク一覧 |
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依頼はいくつでも受ける事はできるが、期限まで達成できなければ違約金が発生する。
- 闇魔法
相手の意思を完全に奪う禁術の類として管理される『洗脳』が確認できる。
- ポーション
お馴染み回復アイテム。
効果は結構疲れが取れる『無印』、一晩寝なくとも働ける『中級』、骨折を治せる『上級』と効果が上がって行き、その中で尤も効果の高い『特級』はかけるだけで全身の傷が瞬く間に回復し、耳一つなくなっても元に戻る事ができる。
その分値段もかなり高くなり、『上級』は貴族しか買えない代物であり、『特級』はヴェルモンド大商会をスポンサーに付いたBランクの冒険者がその値段を聞いた時はショックのあまり茫然自失となった。
- 精霊憑依
精霊使いの人間が使役している精霊と一体化する技術。
憑依した精霊の力を駆使することが出来、Aランクになった精霊使いはこの技術で戦っている。
しかしその分力のコントロールが難しく、リントは試行錯誤の末にどうにか使いこなせた。
また、精霊との信頼度も大事となっており、単に精霊を装備品のように解釈すると力を発揮できない。
- 星の書
一説では伝説の賢者が残したものや、神が書いたとも言われる本。
Fランクであったリントがこれと思わしき文献でテイマー技術を習得しており、読み終えるとそのまま洞窟に放置した(仮に持ち帰ったとしても、他の冒険者に奪われるリスクがあった)。しかしビレナにとって価値ある本であると知ったリントは一旦故郷に帰郷すると決めた。
- 魔法剣
伝説の鍛冶師マスターアランによって製作された武器。
剣の柄のような変わった形をしており、魔法剣士の武器に似ている。
製作途中でアランが力尽きた上に、希少で扱いの難しい素材がふんだんに使われているため、誰も加工しきれなかった曰く付きの品となっている(完成すれば歴史に名を残す名器となった)。
以後、未完成のままで終わったこの武器はイオレナ武具店に飾られたままだが、一目で見たリントが手にした。
魔物
ファンタジー作品でお馴染みのモンスター。
危険度クラスによって強さは変動し、Bクラスの上位に分類する魔物クイーンウルフはCランクパーティーを圧倒し、Aクラスの魔物はSランクの冒険者でもない限りはまず対峙した時点で命はない。Sクラスの魔物だと、そのSランクの冒険者が相手でも良くて互角に渡り合えるか、悪ければ歯が立たないと言われる存在。
さらに変異種は数百から千個に一つの確率で生まれる可能性があり、通常の個体よりも強力となっている。角付きの魔獣は他の魔獣の3倍くらいに引き上げられる。
- スライム
お馴染み半透明の魔物。
食べているものによって色が変わる性質を持ち、森で遭遇するものが緑、下水道は殆ど灰色か茶色。また、下水道の環境はスライムによって整えられる事があるため、スライムを狙う魔物の駆除を求められる。
リントがテイムしたキュルケも元々はスライムであった。
- 爆発果実(ダイナマイトフルーツ)
蔓性の茎に人の顔の程の大きさの実がなる植物型の魔物。
その実には人の顔のようなものが浮かんでいるのが特徴で、何もしなければ攻撃はしないが、収穫しようとすると真っ赤に腫れあがった後に爆発を起こす性質を持つ。
通常は怒り狂った顔をしているが、突然変異種は妙に穏やかな顔をしており、こちらを見つめた後に通常の十数倍の威力で爆発していく。
その為、採取方法も二種類に分かれており、「少し乱暴に叩いて安全な所まで下がる(安全に採取できるが食用としては品質が下がる)」タイプと、「果実ごとの特徴を見分け、爆発を防ぐように処理した隙に採取する(爆発のリスクは伴うが完品のものを採取できる)」タイプとなっている。
- ツノウサギ
額に一本角が生えたようなうさぎの魔物。
単体での強さは野うさぎが凶暴化した程度なので、大人一人で捕まえるのは容易。しかし速さは野うさぎの3倍である上に繁殖力も高く、追い詰められれば集団で鋭い角を振り立てて集団で襲いかかってくる。故に集団で襲撃した時の驚異はCランクの上位に位置する。
- ジャイアントヘラクレス
縦に二叉に分かれた巨大な角と小型のドラゴン位のサイズを持つ、最大級種の虫系魔物。
Bランク相当の実力を持つが、傷一つ付けずに倒すにはA+ランクの実力が必要(といっても、自分より強い相手にしか反応しない)。
その為、光や甘いものに集まる習性に合わせて大掛かりな罠で仕留める必要がある。
あまり知られていないが食肉としても美味いらしい。