「……オマエモ…カ…」
「……オマエモ…アソコノ住人カ……?」
概要
"飢え"の記憶を宿す「ハングリー」のガイアメモリで変身したドーパント。風都きってのグルメ商店街「イブクロ横丁」に出没し、パティシエを餓死に追い込んでいる。
既にガイアメモリの毒素が回っているのか、それとも適合率が良くないのか言動がぎこちなく、イブクロ横丁にいる人間を無差別に襲うなど不気味な雰囲気を纏っている。
仮面を貼り付けたような不気味な顔を持ち、両腕や下腹部は異常に膨らんでいるが両足だけは細いなどまるで伝承の餓鬼を思わせる。普段は閉じているが背中含めて多数の目を持つ。
また、上半身と下半身は分離されており、腹部分は歯抜けした巨大な口のようになっている。さらに下半身には人形のような小人が存在する。
能力
半径100m以内の対象に凄まじい飢えを襲わせる。更に目を見つめられることで体内の栄養分を奪い、餓死に追い込まれる(翔太郎曰く「オイルタンクに穴が開いたバイクみたいにいきなり動けなくなった」、「空腹とかのレベルじゃなく活力がゼロだ」)。その際腹部をくり貫かれてしまうがあくまで異能を視覚化させたものに過ぎないため実際に空くわけではない。
とはいえ即座に餓死するわけではなく、描写から考察するにマキシマムドライブのような強力な攻撃を叩き込むか、効果範囲外まで移動すること(あるいはその両方)で解除することが可能と思われる。
ただし、その場合でも被害者は体がしばらく普通の食べ物を受け付けなくなる状態になるため、回復するまで起き上がることさえできない状態に追い込まれてしまう。
総合すると、飢えという生きてる限り避けようのない強力なデバフと、そんな一撃必殺の攻撃を目を合わせるという初見殺しかつ簡単な条件で発動させることが可能な難敵である。
関連タグ
スナススリ:同じく対象を飢餓状態にさせる怪人。
この先ネタバレ注意!!
ハングリーメモリの所持者はイブクロ横丁にあるケーキ屋「甘塔」の店長・森川一清。
ガイアメモリに前々から興味があったらしく、こっそり持っていたことが判明した。
しかし。
「違う!僕は怪物じゃない!……はずだ。はずなんだ!」
厨房で取り抑えられたフィリップたちへ必死に弁明し、慌てて「手付かずのままだ」と隠し場所を開けるも……そこは藻抜けの空。
混乱する彼に『声』が応える。
『ココダ』
『……オマエモカ?』
『オマエモココノ住人カ?コノ人間ノヨウニ満タサレナイノカ?ダッタラ……』
『オレト同ジダ……!』
今回の真犯人はハングリーメモリそのもの。
かつて森川はイブクロ横丁が衰退の危機に陥った際メモリに手を出し、ハングリーの能力で道行く人間を腹ペコにして大量の客引きを行った。
だがその一回だけで人々は横丁の良さを知り、客が来るようになった為、もう二度と使う事も無いと金庫に封印していた。…はずだった。
しかしガイアメモリの性質上、古い歴史から存在する「飢え」の記憶は、変身者とは異なる意思を持つほどの邪念が存在しており、一度森川という適合者に使用された事でそれが励起。
結果、ズーの様な専用機でもない普通のメモリでありながら、自ら喋り飛び回る自立行動型ガイアメモリへと自己進化を果たし、森川の意識と体を支配して凶行に及んでいたのだ。
正体を明かすや否や再度森川を操って自分を使わせると、ドーパントへと変身。
顔にある眼を開眼させてファングジョーカーに変身したWを飢えさせて善戦するも、エクストリームへの変身を許してしまったことで形勢は逆転。
能力を半減されただけでなく、プリズムメモリのマキシマムドライブで発動した閃光を直視したことで目が使えなくなり、ダブルエクストリームの直撃を受け、胴体にいた人形ごと叩き潰され敗北した。
森川は二人の探偵に感謝を述べ、お決まりのセリフを告げられたハングリーメモリはうめき声を上げて砕け散り、沈黙した。