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OSO18の編集履歴

2023-10-14 14:14:44 バージョン

OSO18

おそじゅうはち

OSO18とは、標茶町に生息するエゾヒグマの、駆除対象となっていた一個体の行政上のコードネームである。

概要

北海道標茶町に生息するエゾヒグマの一個体。

2019年以降、標茶町内および厚岸町の隣接地域にて、夜な夜な牧場を襲撃し乳牛に被害を出した。


観測史上稀に見る巨躯を持ちながら、野生生物の領分を越えた猟奇性により、ただただ快楽のためだけに牛を殺して回る……というホラー映画の怪物みたいなイメージを着せられてしまった、非常に臆病で少々マヌケな普通のヒグマである


「OSO18」のコードネームは、「標茶町オソツベツ地区で発見された、足跡の最大幅18cmのクマ」の意。一般にツキノワグマに比べて体が大型化するヒグマとしても異様な大きさであり、その体重は300kg~350kgと推定されるが、肥満によりそれ以上の体重となっている可能性も高い(400~450kgと推定する専門家もいる)。


しかしながらその後の調査により18cmというのは測定ミスであり、実際は足跡幅16cm、体重300kg未満で極々普通のヒグマとして推定値が下方修正された。

後に判明した実際の体格も、修正後の推定値に近いものである。


そもそも足跡というのはそうそうくっきり残るものではない上に、少し時間が経っただけでも風化して変形してしまう。大きな測定誤差が出るのは無理もない話であり、測定者の瑕疵とはいい難い。

しかしながら、そのように信頼性の薄い分析を真に受けて大騒ぎした者たちは、大いに反省すべきだろう。

実際にこの情報が独り歩きしたせいで分析や対応に少なからず迷走を引き起こしている。


性格

ヒグマは一般的に仕留めた獲物に執着すると言われているが、OSO18は警戒心の強さが執着心を上回っており、人の気配を感じると獲物を諦めてすぐに逃げてしまう。

そうすると腹を満たすことが出来ずに次の獲物を探さざるを得ないため、結果的に被害の拡大に繋がった。


後に体表に確認された傷から、OSO18は設計の甘い箱罠に中途半端に引っかかり、結果として人工物の危険性を学習する機会を得てしまった模様である。

しかしながら目立ちにくいくくり罠に関しては警戒が及んでおらず、無防備に踏み抜いて作動させたと見られる事例が散見されている。

ただし当初喧伝されていた体重400kgの推定値に基づいてくくり罠を強化していたため、罠の動作が遅くなり空振ることを繰り返していた。


警戒心が高い一方で、OSO18は自身の力量を過信していた節がある。

上述した通りOSO18はヒグマとしては平凡な体格の個体だが、対する乳牛は成体になると体重600kgを超える。OSO18は無謀にも倍以上の体重差がある相手に挑みかかって返り討ちに遭うことを繰り返したため、重傷を負わされただけで食害されないという事例も頻発し、これまた被害を増やすことになった。


この様にOSO18は臆病な一方で少々抜けている部分があり、これらの正確が最悪の形で噛み合った結果が上述した前代未聞の被害件数だったのである。


しかしながら当初の測定誤差に加え、程度の低いマスコミや通ぶりたいネットの方々が、断片情報を面白おかしい方向に拡大解釈しまくった結果、体重400kgを超える日本史上でも稀な化けグマが、腹も減っていないのに快楽を得るためだけに夜な夜な牛をいたぶって遊んでいるという実態からかけ離れた想像図が出来上がってしまうことになる。


被害

上述したようにOSO18は少々性格が変わっているだけで極々普通のヒグマであるわけだが、もたらした被害は被害額ベースで考えると非常に大きい。

被害総額は直接被害だけで8000万円を超え、間接的なものも含めると一億円をゆうに超えている

直接的な人身事故を伴わないヒグマによる獣害事例としては、過去最大の被害総額であるとも言われる。


被害頭数は66頭、そのうちの32頭が命を落とし、助かったウシも怪我やPTSDによりの出が悪くなるなど、乳牛として使い物にならなくなる例が多い。


被害者の中には牧場の経営が立ち行かなくなった人もいる。また、放牧場を持たない所有者から乳牛を預かって放牧する町営牧場にも被害が及んでおり、死亡した牛に対する所有者への弁済金の支払いに市民の税金が使われることから、町営牧場は一時的に新規の乳牛受け入れを拒絶している。すでに預かっている乳牛も所有者の元への返還を余儀なくされている。

放牧ができないため、標茶町・厚岸町内での乳牛の飼育頭数が平時より大きく制限されることとなり、必然的に発生する飼いきれなくなった乳牛は、肉牛として殺処分せざるを得ない。このような実情は、最悪の場合非正規雇用で働く牧場職員の雇い止めにさえ至らしめるものであり、たとえ直接的な人身事故に至らなくとも失業や廃業による間接的な死者を出しかねない、極めて憂慮すべきものである。


駆除へ

ほうぼうを騒がせたOSO18は、2023年7月30日釧路で熊狩の経験が全くない地元の自治体の職員によって、そうとは知らぬままにアッサリと駆除されてしまった。


職員は眼の前の痩せ細ったクマが、人知を超えた未知の怪物であるかのように喧伝されたOSO18の正体だとは知る由もなかった。

記念に剥製にしようにも、2発もぶち込まれた頭蓋骨が粉々になってしまっていたため難しく、結局クマは業者に引き渡されてジビエとして供されることになる。


対策班がこの事実に気づいたのは駆除から半月が経過した後のことである。当然その頃にはOSO18は隅々まで食肉に加工された挙げ句、残った骨は牙を除いて廃棄されてしまっていた。おかげで対策班は廃棄場を掘り起こす羽目になったという。


関連タグ

北海道

獣害


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