概要
人類の細胞に共生するミトコンドリアの反乱を描いた瀬名秀明氏著のホラー小説。
またスクウェア（現スクウェア・エニックス）より発売された同名のPlayStation用のゲーム。
Pixivにおいてはゲームにおいてのイラストが多いが大元の原作は前者である。
小説とゲームではストーリーが違うが、ゲームにおいて原作へのクロスオーバーが見られ
どちらも共通しているコンセプトは
生物的遺伝子の主導権を得るために太古より生物に寄生し何億年も生き延び、反乱を起こすということである。
またベースにある科学的知識として
■ミトコンドリアの共生起源説
■木村資生の分子進化の中立説
■ヒトの進化におけるミトコンドリア・イヴ説
■リチャード・ドーキンスの利己的遺伝子説
（Wikipediaより抜粋）
がストーリーの構成の根本的なところにある。
小説はラジオドラマ化・漫画化・映画化され
ゲームはPlayStationで「パラサイト・イヴ」、「パラサイト・イヴ2」が発売されており
2010年12月にPSPで「The_3rd_Birthday」が発売予定となっている。
尚、The 3rd Birthdayは公式アナウンスによるとパラサイト・イヴシリーズではなくゲームシリーズの主人公であるアヤ・ブレアシリーズとされており過去2作との繋がりはあまりない。
尚､こうなってしまった背景にはPE2が原作の世界観から大きく離れてしまったことで､原作者からPEの世界観を使う権利を消されてしまったことが原因であるとされる。
小説版
主人公である生化学者の永島利明は事故死した妻・聖美を生き続けさせる為に妻の細胞の培養を始める。
しかし、その細胞の増殖、殊にミトコンドリアの増殖は異常なものであった。
また事故以前に聖美から腎臓の提供を受けた少女、真理子の体にも異変が起き始めていた。
全ては10億年前に生物の細胞へと侵入、寄生という形態で共存し新たな生命体へと進化するためのミトコンドリアの計略だった。
小説版は作者の瀬名秀明氏が大学院薬学部に在籍していたこともあり
研究器具や専門用語などが多く作中に登場し
ある程度の専門用語は巻末で必要最低限に解説されている。
また、映画版はストーリーを大きく変更し切ないラブサスペンスとして映像化された。
公開当時「さよなら、人間共。」というキャッチフレーズを聞いた人も多いのではないだろうか。
漫画版の著者はしかくの氏で全1巻で発売されている。
ストーリーは映画版を中心に構成されている。
ゲーム版
パラサイト・イヴ
舞台はマンハッタン、ニューヨーク。
主人公であるアヤ・ブレアはクリスマスイヴの夜にカーネギーホールにて
オペラを観劇中に物語の序幕となる惨劇に巻き込まれてしまい人類の存亡をかけた
ミトコンドリアとヒトとの美しく、そして凄惨な争いへと身を投じていく。
当時のスクウェアから発売されたシネマティックRPGというジャンルのPlayStation用ゲーム。
FF7とFF8の間の期間にFFのスタッフとハリウッドのスタッフとのタッグで製作され
美麗なCGやドラマティックな音楽が話題となり人気を博した。
今作でアヤは生物のミトコンドリアが反乱によりネオ・ミトコンドリアとして
覚醒した生物N.M.C.（ネオミトコンドリアクリーチャー）と
反乱に呼応するように目覚めた能力「パラサイト・エナジー」を駆使して戦うこととなる。
尚、原作の小説から数年後という設定になっており、劇中にも小説の展開に触れる会話がある。
（2010年11月4日よりゲームアーカイブスにて配信中）
『PARASITE EVE DIVA（ディーヴァ）【N.Y.死の歌姫】』というタイトルでコミカライズされたが
ゲームと一部設定が違い、アヤに同性の恋人が居るなど大きな波紋を呼んだ。
パラサイト・イヴ2
1作目から3年後、FBI捜査官となったアヤは残存するN.M.C.を追跡を続けていたが
ある事件をきっかけに、再びミトコンドリアとの因縁に苛まれることになる。
舞台はロサンゼルス及びネヴァダ州となっている。
また、3年前にパラサイト・エナジーに目覚めた時点（当時25歳）でアヤ自身の
ミトコンドリアの影響により外見年齢は25歳のままを保持している。
アヤのシャワーシーンが映し出されたTVCMが大きく話題を呼んだ。
とにもかくにも1作目から雰囲気や操作性ががらりと代わり戸惑ったプレイヤーも多いのではないだろうか。
特に操作面では1作目のキーを押した方向に移動するタイプではなく、いわゆる
ラジコン操作（上方向で前進、下方向で後進、左右で方向指定）になっている。
また、武器・防具・アイテムやチューンナップなどのシステムは現実的な範疇に圧縮され
RPGからアドベンチャーに近い形態に変更された。
仕様の変更こそあるものの銃器とパラサイト・エナジーの存在をそのままに
今作ではアヤの内面を多く垣間見ることのできる作風となっている。
周回ボーナスやプレイモードの増設などやり込み要素も強化されている。
また、FFシリーズのとある主人公が使用する名称と同じ銃器が登場する。
2010年11月18日よりゲームアーカイブスにて配信中。
The 3rd Birthday
アヤはニューヨーク市警、FBI捜査官を経て今作では時間の捻れから発生した
異形の存在「ツイステッド」を鎮圧する組織C.T.I(Counter Twisted Investigation) に所属している。
アヤは任意の相手の意識を乗っ取り、思うがままに操る技術「オーバーダイブ」の
唯一の適合者であり、今作でこの能力を駆使し戦っていくこととなる。
プラットフォームは当初携帯電話FOMAとなっていたがPSPへと変更された。
過去2作との時系列的な繋がりはあるようだが、アヤ以外の多くの設定が変更され
ミトコンドリアやパラサイト・エナジーなどのシリーズに共通していた設定は登場しない様子である。変わりに「オーバダイブ」という概念が登場する。
因みに、今作の時点でアヤの実年齢は39歳。
このあたりは現人類のミトコンドリアも見習って欲しいものである。
関連タグ
ファイナルファンタジー スクウェア・エニックス DFF The3rdBirthday アヤ・ブレア 光速の異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士 レトロゲーム パラサイト・イヴ2
