ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

しまかぜの編集履歴

2013-11-11 11:30:53 バージョン

しまかぜ

しまかぜ

しまかぜとは、近畿日本鉄道が運行している特急列車の愛称である。

概要

近鉄はこれまでも伊勢志摩方面への観光輸送へは力を入れていたが、少子化、そしてモータリゼーションの浸透と、近鉄に限らず鉄道会社に求められるサービスの質はより高いものとなっていた。そこで、2013年に伊勢神宮で行われる第62回式年遷宮に照準を合わせ、この時代のニーズに応えた新たなる観光列車を計画した。

開発にあたっては21000系『アーバンライナー』以来行われてきたマーケティング調査、そして伊勢志摩方面への観光客への調査を行い、求められる理想の車両像を浮き彫りにしていった。その結果、

  • 広々とした座席空間
  • 快適さを追求したプレミアムシート
  • 様々な旅のスタイルにこたえるバリエーション豊かな客室
  • 気持ちよくご乗車いただくための設備、サービス

を開発コンセプトとし、「単なる移動手段ではなく、乗ること自体が楽しみとなる」、そんな未来志向の観光列車として登場したのが本列車である。

運転開始は、2013年3月21日。『しまかぜ』の名は、列車名であると同時に専任の50000系電車の愛称でもある。

同列車のPRは運行開始前から積極的に行われ、試乗会はもちろん、現車落成前から主要各駅にてプレミアムシート展示を行った。またCMも放映され、CMキャラクターには女優の檀れい、イメージソングにはクリスタル・ケイの「風の彼方」がそれぞれ起用された。

車両

しまかぜに使用されるのは、専用に開発された50000系車両で、前述した開発コンセプトに沿って開発された同形式は、まさしく観光特急としては近鉄トップクラスといってもいいグレードを誇る車両となった。


エクステリア・性能

車体はこれまでの近鉄車両と共通の普通鋼製。しかし、6枚のガラスエリアで構築された直線基調のシャープな先頭部は、在来車との違いを大きく主張している。塗装はクリスタルホワイトに、「伊勢志摩の晴れ渡る空」をイメージしたブルー、「近鉄特急の頂点としての品格」をあらわすゴールドのラインをまとう。平屋車両の車端部には『Premium Express SHIMAKAZE しまかぜ』のロゴマークが、「心地よい風」をイメージしたブルーのラインを添えて描かれている。ドアはこれまでと同様、外側にせり出す900mm幅のプラグドアである。

走行システムは21020系『アーバンライナーネクスト』に準拠しており、制御システムはIGBT素子VVVFインバータ制御で、230Kwの三相かご型誘導電動機を1C2M制御で駆動する。最高速度は平坦線で最高速度130km/h、33.3‰の勾配区間でも110km/hで走行できるという強靭な足回りを持ち、下り勾配区間用の抑速ブレーキも装備する。

さらに、台車はこれまでと同じボルスタレス台車を採用しながら、特筆すべきは新幹線以外の鉄道車両で初めて全車両にフルアクティブサスペンションを搭載したことであろう。近鉄が同社にかける期待のほどがうかがえるというものである。


インテリア・設備

50000系しまかぜの真骨頂は、なんといってもその車内設備である。これまでの特急と異なり、レギュラーシートの設定がなく、すべてプレミアムシートor個室orカフェで構成され、利用料金にはさらに「しまかぜ料金」が上乗せされるなど、周囲から一段上の扱いがなされている。


プレミアムシート車(1・2、5・6号車)

【擬人化】しまかぜちゃん♪

しまかぜにおいては、この車両が「一般グレード」となる。近鉄の他の甲特急に備わるデラックスシートすら超越するシートピッチ1,250mmという破格のサイズを誇り、特にハイデッカー構造の両先頭車は床面高さが720mmかさ上げされており、先頭部では全面展望も楽しめる、まさに『プレミアム』の名に恥じないグレードの高さである。定員は先頭車で1両あたり27名、平屋の中間車でも30名となる。


個室車(4号車)

全部合わせて3タイプの席が用意されている。コンパートメントタイプの「サロン席」は、23000系のものの発展形といってよく、23000系では1+2配列だったものを、通路を片方へよせ6人用(4名利用可能)としたものを3区画配置。和風個室は掘りごたつが設けられ、大型テーブルとリクライニング式の座椅子を用意。洋風個室はL字形ソファーが配置され、どちらも定員4名(どちらも3名利用が可能)、広さは約5.5㎡である。他、喫煙室と化粧室も設けられている。


カフェ車(3号車)

同車は、近鉄では20000系『楽』以来途絶えていた伝統のダブルデッカー構造が復活するとともに、近鉄では初めて本格的な供食設備が備えられた。階上には窓向きに13席、階下にはグループ利用も可能な6席が用意され、海側に平床通路を設け通り抜けも可能。この平床部に販売カウンターが設置され、常に4名程度のアテンダントが乗務し、乗客の出迎え・見送りを行い、また個室・カフェ席からアテンダントを呼び出してメニューの注文などができる。その肝心のメニューは、「海の幸ピラフ」、「松坂牛カレー」、「特製うな重」、軽食、おつまみ、お酒類、ソフトドリンク、「しまかぜカステララスク」を筆頭にしまかぜ車内販売ならではのメニュー・お土産品もそろうなど、実に充実した内容である。

なお、近鉄では以前、21000系・23000系車内でも似たようなサービスが、さらに以前も12000・12200系「スナックカー」車内で供食サービスが行われていた。しかしいずれも短命に終わったサービスであり、そもそも供食設備そのものが今日においては時代錯誤とみなされ衰退の一途をたどっていたが、今回はそのリスクを振り切ってのサービス実施となった(ただし、しまかぜ以前に小田急ロマンスカーVSEがやはりSE車以来の伝統として受け継いでいる)。しまかぜの旅の魅力の一つとして、愛されることを願ってやまない。


一方で「近鉄のダブルデッカー特急」でありながら、その象徴ともいえるビスタカーの名は継承されなかった。これまでの近鉄ダブルデッカー車は直系以外の20100系『あおぞら』、20000系『楽』も番外ではあるが「VISTA CAR」のロゴを入れていた。その系譜はこのまま途絶えてしまうのだろうか。


運用

しまかぜの使命は当然のごとく伊勢志摩方面への観光輸送のため、原則大阪難波・近鉄名古屋~賢島間の運用がメイン。


関連タグ

アーバンライナー 伊勢志摩ライナー さくらライナー Ace 50000系

近畿日本鉄道 伊勢神宮


もしかして

ぜかまし島風艦隊これくしょん

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました