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RADEONの編集履歴2014/03/22 19:12:43 版
編集者:黒田 野衣留
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RADEON

らでおん

AMD社が開発するGPUを搭載したビデオチップ、ビデオカード、およびそれらの製品シリーズ名である。 「Radeon」の米国 AMD 社における読みは「レイディオン」で、日本ではローマ字読みの「ラデオン」や「ラディオン」をはじめとして多様な呼称が用いられ、しばしば「ラデ」と略して呼称される。

歴史

ATI Technologies 社のビデオチップ「Rage」シリーズの後継製品で、当時性能面で先んじていた NVIDIA 社の GeForce シリーズの対抗製品として登場。しばらくは苦戦が続いたが、RADEON 8500 で並び、そして RADEON 9700 Pro で一歩抜きん出た。一時は奪われたシェアを取り戻した以降も、より高速な PCI Express バスの採用やマルチ GPU 環境を実現する CrossFire など技術向上に余念がなく、同じく性能向上のめざましい NVIDIA の GeForce シリーズとは互いに抜きつ抜かれつの競争を繰り広げている。

一方で、シェーダー技術を動画再生の支援に転用する技術の開発にも注力している。マイクロソフトの DirectX Video Acceleration (DXVA) にも対応し、メディアプレーヤーソフトとの連携により高画質・高品質な DVD (MPEG-2) やDivX、Windows Media Video などの動画を再生する際の CPU の負担を大幅に軽減させた。UVD や AVIVO はこうした技術をさらに発展させたものである。

モバイル用途には省電力技術を搭載し消費電力を低減した「Mobility Radeon」がある。チップセットの開発も進められており、「Radeon IGP」や「RADEON XPRESS」には Radeon のグラフィックス・コアが統合されている。これらチップセット シリーズは ATI が AMD に買収されたことをきっかけに、Radeon の名は冠さなくなった。

Radeon を採用したビデオカードは多くのメーカーから販売されている。テレビチューナを搭載し、ビデオキャプチャ機能を備えた製品が「ALL-IN-WONDER」である。

伝統的に大手PCメーカーへの大量供給に強く、メーカー製PCにおいて幅広いシェアを築いている。主に、Apple、ASUS、DELL、MSI、NEC、SONY、エイサー(Gateway)、エプソンダイレクト、ヒューレット・パッカード、富士通、レノボ製のデスクトップパソコン、ノートパソコンにおいて Radeon を採用したビデオカードが搭載されている。

GPU の半導体製造はファウンドリ企業へ発注しており、台湾を拠点とする TSMC や UMC が担っている。また、AMD の半導体製造部門が独立した GLOBALFOUNDRIES にも発注しているとされる。

デバイスドライバは Catalyst Control Center という名称で提供されている。

2010年10月発表発売の Radeon HD 6800 シリーズから ATI ブランドが廃止され、AMD に統一された。

製品命名規則

同一世代であれば数字が大きいほうが高い性能になるように規定されている。 なお、DirectX 9 対応の製品から DirectX 10.0 対応製品までは、製品名末尾の記号で製品間の性能の高低を示した。

デスクトップ

R100 世代 (7xxx)

R100

初代RADEON。RAGEシリーズの後継として登場。カリスマエンジンと名付けられた新しいアーキテクチャを採用し、0.18μmで製造された。メモリバス幅128bit。

RV100

廉価版RADEON。メモリバス幅64bit・ハードウェアT&Lユニットの省略・ダイサイズ縮小等により、性能の低下と引き換えに低価格化を実現した。

RV200

改良版RADEON。R200の技術をフィードバックし、0.15μmで製造されたが、DirectX 7 対応に留まった。

HydraVisionにより、マルチモニターに対応。

R200 世代 (8xxx/9xxx)

R200

DirectX 8.1対応。0.15μmで製造され、Vertex Shader1.1・Pixel Shader1.4各2基・パイプライン4本を持つ。

RV250

R200廉価版。Vertex Shader・パイプライン半減。

RV280

RV250を、AGP 8xに対応させた物。Vertex Shaderは2基。

R300 世代 (9xxx/X3xx/X5xx/X6xx/X10xx)

R300

Vertex Shader2.0・Pixel Shader2.0に対応した、DirectX 9.0世代 (メモリバス幅256bit)。T&Lは省略され、Vertex Shader4基・パイプライン8本。廉価版は、メモリバス幅128bit・パイプライン半減。0.15μmで製造される。

R350

R300改良版。R300のノイズを軽減している。

R360

R350改良版。内部温度が確認可能となった。

RV350

R300を0.13μmで製造し、メモリバス幅128bit・パイプライン半減によって低発熱化・サイズ縮小を行ったもの。

RV360

RV350に、低誘電層間絶縁膜技術 (Low-K) を使用して、性能向上・省電力化を行ったもの。

RV351LX

RV350を0.11μmで製造することで低コスト化を行ったもの。X1050を冠したものでも、RV370と異なりこちらはAGPネイティブとなる。

RV370

RV360を、PCI Expressに対応させ、0.11μmで製造することで低コスト化を行ったもの。

RV380

RV360を、PCI Expressに対応させ、同時に高クロック化したもの。

R400 世代 (X7xx/X8xx)

R420

Vertex Shader2.0b・Pixel Shader2.0aに対応した、DirectX 9.0世代RADEON。メモリバス幅256bit・GDDR3対応、0.13μmで製造され、Vertex Shader6基・パイプライン16本。

R423

PCI Express対応版R420。

R430

0.11μmで製造される、R423。パイプライン12本・DDRの廉価版もある。

R480

R423改良版。0.13μmで製造される。

RV410

R430の廉価版。メモリバス幅128bit・パイプライン半減の8本。DDRメモリにも対応。

R500 世代 (X1xxx)

R520

OpenGL 2.0対応。ATIのDirectX 9.0c世代のグラフィックカードである。2005年10月にローンチされ、このシリーズはいくつかの拡張が持ち込まれている。つまりアンチエイリアシング付きのHDRレンダリング用途で必要とされる浮動小数点レンダーである。

R600 世代 (HD 2xxx/HD 3xxx)

R600

DirectX 10.0 に初めて対応し、 DirectDraw の対応はしない。また、AMDにとってピクセルシェーダとバーテックスシェーダを統合したユニファイドシェーダを用いた2番目のグラフィックス製品でもある(初代は Xbox 360 に採用された Xenos)。このプラットフォームによる製品名は HD 2400、HD 2600、HD 2900 である。シェーダアーキテクチャにVLIW命令を採用している。

RV670

R600 を基に、DirectX 10.1 に新たに対応するほか様々な変更が加えられている。この世代からはハイエンドで新しいアーキテクチャを採用し、ミドルレンジ、ローエンドと派生製品を作っていくのではなく、$200~300のミドル(正確にはアッパーミドル)チップをダイサイズを抑えて作り、ハイエンドは CrossFire を使用して競合他社に対抗している。そのためハイエンドの製作コストが下がるだけではなく、ミドルレンジやローエンドの新アーキテクチャ採用チップの登場が早くなっている。この世代では世界初の55nmプロセスが採用された。この世代より XT や Pro 等の表記は外され数値は絶対性能順になっている。PCI Express 2.0 に対応。

R700 世代 (HD 4xxx)

RV670 を基に強化が行われた。RV770 アーキテクチャではストリームプロセッサ (SP) 及びテクスチャ ユニットが増強され高負荷時に強くなった。更に今までの高解像度、AA 時に弱いという弱点は ROP (RBE) の 強化で克服している。またリングバスが廃止されたことなどにより、チップ面積や電力あたりの性能が以前の世代に比べ劇的に向上している。その上でアッパーミドル (RV770) 以上のチップでは GDDR5 に対応して高性能化を図った。またこの世代からは新たに UVD 2 が搭載されており、専用ソフトでアップスケール(解像度の大きいディスプレイで拡大してもジャギーなどを抑えて綺麗に見える機能)が可能になっている。RV770 は2008年6月発売以来、高い描画性能と比較的安価な価格設定により好調な売行きを記録した。2008年8月に発売された HD 4870 X2 では海外のベンチマークで発売当時の単体カードでは最速を記録した。HD 4850、HD 4870 は 800 のストリーム プロセッサを搭載しており、GDDR3、GDDR5 のビデオメモリをそれぞれ使用している。R700 は合計 1600 のストリームプロセッサを搭載しており、GDDR5 のビデオメモリを使用している。

Evergreen 世代 (HD 5xxx)

Cypressは RV770 を改良し、世界で初めて DirectX 11 に対応した。ストリームプロセッサ (SP) とテクスチャユニットを前世代のちょうど 2 倍搭載し、より高いクロックで動作する新しい GDDR5 メモリの採用によってメモリ帯域やそれに関する性能も強化されている。また ROP 数も比例して 2 倍に増えたことで高負荷時のパフォーマンスが更に向上した。 HD 5870 のフルロード時最大消費電力は前世代 HD 4870 より増加したが、可変クロック機能を導入し、アイドル時にはコア クロック、メモリ クロック共に低下させることで、消費電力の低減に成功した。また、CrossFireでのアイドル時にはスレーブ側カードを完全に停止、シングルカード CrossFireの HD 5970 ではアイドル時に片GPUを停止させるなど、省電力設計に気を配っている。 当世代より OpenCL に最適化した設計がなされた。 全モデル3画面以上の出力を可能とする Eyefinity 技術を搭載する。

Northern Islands 世代 (HD 6xxx)

開発コードネームはカリブ海の島々に由来している。 Evergreen と同じく 40 nm プロセスで製造されている。Caymanとそれ以外ではシェーダ構成が違っており、2つのアーキテクチャから成り立った世代である。 またDisplayPort 1.2やHDMI 1.4が搭載され、動画再生支援も UVD3.0 に対応し MPEG-4 MVC (Blu-ray 3D)、DivX、Xvid 形式の動画が新たにサポートされた他、MPEG-2の対応も強化された。Eyefinityも改良されており、HD 6800、HD 6900シリーズではリファレンスモデルで5画面の同時出力が可能となっている。HD6750、HD 6770は前世代HD 5750、HD5770のリネームであるが、Blu-ray 3D対応、HDMI出力1.4aとなっている。

Southern Islands 世代 (HD 7xxx)

28nm プロセスで製造されている。PCI Express Gen3、DirectX 11.1に対応した。

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