妙法村正
みょうほうむらまさ
日本の打刀の一つ
概要
伊勢桑名の刀工、村正の晩年の作
初代千子村正晩年の作とも、三代目村正作とも言われる。
刃の長さ66.4cm、反り1.5cm、元幅2.8cm
表に村正銘と共に「妙法蓮華経」の題目が切ってあるためこう呼ばれる。
また裏には「永正十年葵酉十月十三日」と切られており、10月13日は法華宗の宗祖である日蓮上人の忌日である。※日蓮上人の死亡年は弘安五年。
刀身に彫刻があり、表は草の倶梨伽羅、裏は倶梨伽羅像が彫られている。
茎に「鍋信」とあり、肥前佐賀城主鍋島信濃守勝茂が所持したという。
その後、嫡子の小城藩初代藩主鍋島元茂に譲られ終戦まで代々鍋島家に伝わった。
昭和17年12月16日 重要美術品指定。
当時の資料より鍋島家が所有していたことが確認できる。(*1)
村正作刀では唯一重要美術品に指定されている。
真田幸村の所有であったとよく言われるが全く根拠のない話である。
現在の所在は不明。
*1 国立国会図書館デジタルコレクション官報 昭和17年12月16日3コマ目 文部省告示第六百四十二号