モーターの出力を軸トルクとしてではなく、軌道に沿った運動(工学的に言うところの
直線運動)として得る車両のこと。
(連絡:ざっと書いた程度なので、間違いなどありましたらホイホイ書き直しちゃって
ください。)
まず最初に
一般的にリニアモーターカーというと磁気浮上式の車両が連想されがちだが、定義上
浮上するかしないかは関係ない。
特徴
長所
・駆動部分が小型化できる。
・駆動方式が必然的に高効率なダイレクトドライブ方式になる。
・勾配に強い。
・保守が容易。
短所
・回転するモーターに比べると電力消費効率が悪い。
・駆動部と地上の固定部に障害物を巻き込んでしまうことがある。
駆動方式
車両から駆動する場合について記述する。地上から駆動する場合は敷設する設備と、
車両の装備の立場が入れ替わる。
リニア誘導モーター
地上にリアクションプレートとよばれる金属の板を敷設し、その上を駆動部の電磁石を
使って移動する磁界をかけると、誘導電流による磁界がリアクションプレートに生じ、
その磁界との吸引・反発力によって走行する。形としては展開した誘導モーターである。
リニア同期モーター
地上に磁石(永久磁石か電磁石か問わない)を敷設し、その上を駆動部の電磁石を使って
移動する方向に吸引・反発するように磁界を移動させる。これも同じく展開した
同期モーターである。リニア誘導モーターより高効率だが、敷設費用が高額になる。
リニア整流子モーター
形としては整流子モーターを展開したもので、効率は最もよいのだが、整流子
モーター同様機械的に接触している部分があるため、寿命が短く使われていない。
磁気浮上方式
一般にリニアモーターカーとよばれるマグレブ(Maglev)の浮上方式について下記の
ものが挙げられている。また、鉄道である以上軌道の案内が必要になるが、浮上に
使われている仕組みをそのまま使っていることが多い。
吸引式
磁石に引き寄せられる材質(鉄など)でできたレールを吸いよせて車両を浮上させる。
軌道敷設費用は安いが、車両とレールの間の隙間が狭すぎると吸い付いてしまうため、
隙間を一定に保たないとならない。それゆえ高度な隙間計測・磁石の制御が車両側に
求められる。
反発式
地上側に閉ループのコイルを軌道に沿って設置し車両側の磁石が通過したときの
電磁誘導作用で浮上する方式。吸引式より任意にかつ大きく浮上できるが、車両側に
非常に強力な電磁石が必要になる。また、停止~低速時は車輪が必要。