ひとりでしにたい
ひとりでしにたい
あらすじ
山口鳴海35歳、独身。
伯母が「孤独死」したことをきっかけに「終活」を始める。
ひとりでよりよく死ぬために、ひとりでよりよく生きたい。
登場人物&猫
山口鳴海(やまぐちなるみ)
35歳、独身。美術館の学芸員。自分で購入したマンションで猫と暮らしている。
伯母が「孤独死」したことをきっかけに「終活」を始める。
素直な性格で、自身の失敗を反省し次に生かそうとする。
那須田を始め周囲の人間から終活に必要な知識や制度を学び始める。
那須田優弥(なすだゆうや)
24歳。鳴海の同僚。官庁から出向中のエリート。
鳴海と「孤独死」に興味を持っている。
那須田の言動から生い立ちが複雑そうな印象があるが、詳細は不明。
松岡(まつおか)
鳴海の同僚。独身。眼鏡をかけたショートヘアの女性。
父は既に亡く、母親が特別養護老人ホームに入所している。兄が一人居る。
母親の介護で仕事の早退や休みが多かった時期がある。
兄のことは(介護に一切関わらなかったことや簡単に仕事を休めないと発言したことから)
「いないのと同じ。クソの役にも立たないから」と酷評する。
上記の経験からか介護に関わる知識や制度に詳しい。
山崎(やまざき)
鳴海の同僚。3年前就職してきて広報担当になった女性。年代は那須田と近い。
大学へは日本学生支援機構の奨学金(第一種)を取って進学、卒業した苦学生。
奨学金返済を地道に続けている。
魯山人(ろさんじん)
鳴海の飼い猫。ブリティッシュショートヘアのハチワレ。
鳴海の出勤後は二足歩行をして、つまみ食いをしたりパソコンをいじったりする。
山頭火をパイセンと慕う。
山頭火(さんとうか)
鳴海の実家の飼い猫。雑種のハチワレ。
家人がいない時は二足歩行をして、魯山人とビデオチャットをしたりする。
山口和夫(やまぐちかずお)
鳴海の父親。光子の弟。2年前に定年退職後、自宅警備員に従事する。
生涯独身だった姉・光子をあまり良く思っていない様子。
良くも悪くも夫婦揃って見栄っ張りな性格。
山口雅子(やまぐちまさこ)
鳴海の母親。結婚してからずっと専業主婦。
子ども達が独立した後はヒップホップダンス教室に通う。
良くも悪くも夫婦揃って見栄っ張りな性格。
山口聡(やまぐちさとし)
鳴海の弟。早くにまゆと結婚し独立、5歳の息子・翔がいる。
良くも悪くも普通の成人男性。
山口まゆ(やまぐちまゆ)
鳴海の義妹。聡の妻。5歳の息子・翔がいる。
鳴海からは(キラキラし過ぎて)「違う生き物だ!」とちょっと苦手に思われている。
山口翔(やまぐちしょう)
聡とまゆとの間に生まれた息子。鳴海の甥っ子。5歳。
フライドポテトが好き。
光子伯母さん(みつこおばさん)
鳴海の伯母で鳴海の父・和夫の姉。自宅マンションで「孤独死」した。享年70歳。
若い頃は美人で、大手企業の管理職にまで上り詰めたバリバリのキャリアウーマンだった。
光子の死は、鳴海の人生や価値観に大きな影響を与える切っ掛けになった。