ツァーリ・タンク
つぁーりたんく
第一次世界大戦中にロシア帝国が開発した戦車である。レベデンコ・タンクの愛称で呼ばれることもある。
概要
前史
第一次世界大戦では、イギリスのMk.Ⅰをはじめとして、各国で戦車が塹壕線突破兵器として競うように開発され、実戦投入された。ロシアのニコライ・ジュコフスキーおよびアレクサンダー・ミクーリンなどは、独自のコンセプトによる戦車を開発しようとした。
開発
現在の戦車が使用する無限軌道いわゆるキャタピラではなく、巨大な三輪車のような形状をした戦車であった。すなわち、直径9mのスポーク車輪二つを前輪にし、後輪は操作性をつけるために高さ1.5mのスポークホイールを付けていた。この三輪に支えられた8mの車体には砲塔が設置され、横側にも二つの大砲が付けられており、幅は12mあった。
評価
ツァーリ・タンクは初期のテストの際に 射撃力が弱く損傷しやすい兵器であるとされ、計画は中止になった。また巨大な車輪は障害物を乗り越える為に考えられたものであったが、重量が40tと過重のため軟弱な地盤では溝に張り付いてしまう傾向があり、そこから脱出するためのパワーもまた不足していた。更に、後輪が塹壕に引っ掛かることもあったといい、不整地、塹壕陣地の突破には不向きという当時の戦車としては本末転倒な兵器であった。
末路
1915年8月に高等弁務官事務所の前で行われたテストが大失敗に終わり、その場で放置されていた。1923年にスクラップされた。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
関連イベント
関連タグ