闇を照らす者
やみをてらすもの
概要
牙狼〈GARO〉シリーズの最新作であり、テレビ放送での新作としては『牙狼〈GARO〉 〜MAKAISENKI〜』以来1年ぶりになる。主役が前作までの主役であった冴島鋼牙から放浪の魔戒騎士・道外流牙に変わり、その他の登場人物たちや舞台も一新されるなど、多くの謎を秘めた設定や展開となっている。
スタッフはGAROシリーズの主軸であった雨宮慶太は今作では原作担当のみにとどまり、歴代作品でアクション監督などを担当した雨宮の盟友・横山誠が総監督を務め、新たなるGAROの物語を描く。
ストーリー
黄金騎士・ガロの名を受け継いだ若き孤高の魔戒騎士・道外流牙は、ある指令を受けて深い森に閉ざされた独立国家・ボルシティに辿り着く。ホラーの気配を感じた流牙は結婚式の式場に押し入ると、ホラーに憑依されていた花嫁を参列者の目の前で斬った。即座に街の警備部隊・SG1から追われるが、やすやすとその場を切り抜けた流牙は野宿の最中、夜空に浮かぶ奇妙なニュース映像を目にする。それは、流牙が起こした騒ぎは事件にすらならないという不可解な事象を示していた。
一体、この街では何が起きているのか。輝きの失われた牙狼の鎧と、通常のホラーとは一線を画すホラー、魔導ホラーの存在。この街の若き魔戒騎士・蛇崩猛竜や楠神哀空吏、そして彼らを統率する壮年の魔戒法師・符礼や彼の弟子の女魔戒法師・莉杏と共に出会う様々な謎の中、流牙はホラー狩りの使命に身を投じていく。
登場人物
- 道外 流牙(どうがい りゅうが) / 黄金騎士ガロ
黄金騎士・ガロを受け継いだ青年。管轄する場は持たず、街から街へとホラーを求めてさすらう。黒い服装にワイルドな風貌のために怖い人と誤解されがちだが、基本的には素直で明るくポジティブな性格で、市井の人々とも気さくに交流する。仲間思いでもあり、哀空吏が猛竜を侮辱して見捨てようとした際や風見が食われた際は、剣を抜くほどの怒りを見せた。ただし、符礼のことだけは非常に嫌っており、物語序盤では言うことを聞こうとすらしなかったが、第20話で真実を知って彼と和解し、これまでのことを感謝した。 モノに触れることでヒトの想いを感じ取れる能力を持つ。また、聴覚が鋭くそれを頼りに行動することも多く、前述の能力も音として感じ取ることが多い。歌も上手く、第6話ではホラー狩りのためにライブへ乱入し、その歌声で客を即座に魅了している。 スマートな格闘スタイルで戦闘をこなす傾向にある。また、魔戒騎士として他の流派・一族の特徴についてもある程度の知識があるらしく、哀空吏に対して楠神流の弓術について語るシーンが存在する。 符礼の命令で7歳から10年間、無人島で羅号をパートナーとして騎士としての修行を積み、最後にその羅号を斬ることを符礼に命じられてやむなくガロの魔戒剣を抜いて羅号を斬り、ガロの力を手に入れた。身に着けているペンダントは、羅号の牙を形見としたものである。 町を訪れた際には、必ずその町を見渡せる場所に母親の墓を建てている。ボルシティにおいてもいつしか全ての魔導ホラーを討伐し、人々を守り切ったあかつきにはきちんとした墓を建てることを目標としている。 第18話で滔星の居場所を突き止めて猛竜や哀空吏と共に向かい、尊士達と交戦するが敗北し、牙狼剣を失い両目を潰される重傷を負って捕らわれてしまうが、修行時代の記憶と母親と交わした約束を思い出して自分自身の力を信じて諦めずに立ち向かい、ザルバと仲間達の助けを得て牙狼剣を取り戻し脱出する。失われた視力も第20話で波奏の力によって回復した。
- 魔導輪ザルバ(まどうりんザルバ)
流牙が常に手につけていた、意思を持つ指輪。彼自身は戦わないが、かつては数々の激戦を冴島鋼牙(さえじま こうが)やその父、冴島大河(さえじま たいが)ら伝説の魔戒騎士である歴代黄金騎士ガロと共に駆け抜けてきた。 符礼とは顔見知りであり彼から流牙に預けられたが、流牙を「まだまだボウヤ」と称して自らの主とは認めておらず、言葉も滅多に交わさなかった。そのため、流牙が符礼の元に合流して以降は、符礼の元にいたが、第18話で失明しても諦めずに戦い抜こうとする流牙の姿を見て彼を助けることを決意し、流牙が無事に牙狼剣を取り戻したことをきっかけに彼を主と認めて契約を交わす。 猛竜が「今時魔導輪か?」と言っていたことから、今作における魔戒騎士達はザルバのような魔導輪や魔導具を身に着けていないことがうかがえる(実際に猛竜と哀空吏も身に着けておらず、猛竜曰く、「喋るから面倒」とのこと)。
- 蛇崩 猛竜(じゃくずれ たける) / 炎刃騎士ゼン
炎刃騎士・ゼンに変身して戦う青年。普段は言動も軽く常に女性と遊び歩くプレイボーイで魔戒騎士らしからぬ破天荒な行動を取るが、キメる時はキメる男。新しく仲間に加わった流牙にも親しく接し、すぐに打ち解けた。やや熱くなりやすい性格でもあり、棘のある言動の多い哀空吏とは仲が悪く衝突することが多いが、危ういと見れば身を呈して助ける人の良さがある。 第18話でプラントを刺されそうになった流牙を庇い、右手を失う重傷を負う。 使用する武器は柳葉刀。
- 楠神 哀空吏(くすがみ あぐり) / 天弓騎士ガイ
天弓騎士・ガイに変身して戦う青年。魔戒騎士の名門として名高い楠神家の御曹司であり、その名を背負う重責から常に冷静沈着な性格となった。頭脳派であり、莉杏と組んで罠を張ったり緻密な作戦を立てることを得意とする。そのため、当初は女好きな猛竜や未熟で黄金の輝きを失った牙狼をまとう流牙のことは認めておらず、守りしものとしての意識も薄かった。非常に自信家でもあるが、一度プライドを崩されると脆いという一面も持つ。魔導ホラーとの戦いの中で、自らの弓が通じなかったことからその弱点や内面が明らかとなり、一度はボルシティから逃げ出そうとするが、何の罪もない人々の魂を弄ぶ魔導ホラーの所業を目の当たりにしたことや流牙との共闘を経て、魔戒騎士としての自覚を高く持つようになる。 早撃ちの名手・楠神の後継者である通り弓術に優れるが、弓につけた刃を利用しての格闘戦も得意であり、遠近両用の珍しいスタイルの魔戒騎士でもある。
- 符礼(ぶらい)
ボルシティを拠点とする壮年の魔戒法師。哀空吏は彼の部下的存在であり、莉杏の師匠でもある。流牙とは過去に因縁がある模様で、物語序盤では忠告や助言をしても唾棄されるほど嫌われていた。今の牙狼や魔導ホラーについても何か知っているようで、流牙を指令でボルシティに呼び寄せ、魔導ホラーを全て斬るように命じた。 羅号を操るための鞭に変形する魔導筆を持つ。
-魔戒獣 羅号(らごう)
符礼が操っている魔戒獣。四足の獣のような姿をしている。普段は符礼のマントの中に隠れており、偵察から符礼が乗る球型の乗り物を引く馬のような働きをする。彼が引き連れている赤色の個体と、修行時代の流牙のパートナーであった青色の個体の2種類が確認されている。 第16話で莉杏も羅号を操る術を符礼から伝授されるが、まだ羅号は彼女のことを主と認めていないようである。
- 莉杏(りあん)
綺麗で高価なものを好む、少々派手な女魔戒法師。魔戒法師らしからぬ言動も多いが、同時に魔戒法師としての仕事はきっちりこなす。得意の変装や法体術を駆使して潜入捜査を行うことが多く、その際にはよく哀空吏と組んで行動する。出生に起因した理由から他人を簡単に信じない性格だが、ホラーの被害者に関して同情や思いやりを見せるなど、決して非情な人物ではない。魔導筆の他、ホラーを封印できる弾丸を撃つ魔戒銃を愛用する。また、青い魔界竜の稚魚を使役する。 派手な男遊びが好きである一方でその性格から男嫌いでもあり、当初は流牙のことも信用していなかったが、第11話での協力を通して心を開くようになった。 第4話で偶然酒場で出会った燕邦と意気投合するが、第16話で彼女のホラー化を知って苦悩し、魔戒法師の使命と少しでも可能性があるなら彼女を救いたいという思いの狭間で葛藤する。 第18話で滔星達に捕らわれてしまい、波奏に変わる新たな魔導ホラーのプラントの母体として利用されそうになるが、すんでのところで流牙に救出される。