ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴
『じゃりン子チエ』に登場した猫「小鉄」を主人公にしたスピンオフ作品。

『どらン猫小鉄』とは『じゃりン子チエ』に登場した猫「小鉄」を主人公にしたスピンオフ作品の総称である。


小鉄の出生と若き日の死闘を描いた『どらン猫小鉄』

本編の番外編をまとめた短編集『じゃりン子チエ番外篇 どらン猫小鉄奮戦記』

Webマガジンでの連載をまとめた『帰って来たどらン猫』シリーズがある。


ここでは主に第一作である『どらン猫小鉄』について解説する。

作品解説

作品解説

下町人情コメディとして知られる『じゃりン子チエ』ではあるが、その中で度々描かれる野良猫達のケンカは凄惨で血生臭い描写が見え隠れしている。

それを隠す事なく全力で描ききった作品が、この『どらン猫小鉄』である。

作中では少なくとも50匹以上の猫が犠牲になり、自分で耳を切り取った猫が何匹も登場するなど、もはやその描写は凄惨を通り越して狂気すら感じさせる。

一読すれば「じゃりン子チエの作者」でしかなかった「はるき悦巳」の評価を一変させる事になるだろう。

絶版中ではあるが、機会があれば一読をオススメする。

あらすじ

あらすじ

あの頃ワシ……オレはまだ若かった

とはいえ男とゆう言葉が色あせたスカ屁…うまくいえないが

そんなものに変わりかけていたことを思えばもおガキでもなかったろう


九州の閉山になった炭鉱町、その片隅に野良猫の楽園と言われた街「猫街銀座」があった。

そこに大阪から進出したヤクザ猫達が賭場を開き、便乗した地元のヤクザ猫が利権を巡って争いを始め、街は楽園から地獄へとその姿を変え「猫街銀座」から「三途の猫街」と呼び改められた。

血の抗争を続けるヤクザ猫達の街に、ぶらりと迷い込んだ一匹の名も無き野良猫。

後に「月の輪の雷蔵」の名を全国に轟かせ、竹本家の飼い猫となる「小鉄」だった。

登場猫

雷蔵(小鉄)

天涯孤独の野良猫。幾多の決闘を勝ち抜いてきた無頼漢。

様々な異名を持つが、一定した名称を名乗ることはせず、実質名無し猫であった。

「雷蔵」という名は、地元のヤクザの組長に名を尋ねられ、思いつきで名乗った自称である。

最初は遊び半分にヤクザ猫達の自滅を狙っていたが、カタギのオヤジに平和だった頃の思い出話を聞かされ、本気でこの街を救う決意を固める。

カタギのオヤジ

この街で唯一正気を保っている猫。拍子木で戦いの始まりと終わりを知らせるのが仕事。

何かと雷蔵に協力するが、ヤクザ猫達に拉致され半死半生の目に合わされる。

後に「月の輪の雷蔵」の命名者となり、雷蔵伝説を広めた語り部となる。

桶屋の勘公

棺桶作りに誇りを持っていたが、無尽蔵に増える死体のために棺桶を作り続け、

激務の中で精神的に追い詰められ、遂には自らの頭に五寸釘を打ち込んで発狂。

何もない所でトンカチを振るいながら、棺桶作りの信念を語り続けている。

モヒカン親分

大阪組の組長。顔の毛をモヒカンの様に剃り込んでいる。

柄の悪い関西弁を使う血気盛んな男。地元の猫を田舎出と見下している。

地元組の夜襲に対応できず大阪組を壊滅させられるが、生き残った3匹の子分と共に奇襲を仕掛ける。

田舎コンプレックスを生かした陽動作戦を決行し、30匹近くの猫をダイナマイトで爆殺した。

又八

モヒカン親分の息子。地元組に捕らえられ、「血時計」という逆さ吊りの拷問に遭う。

どんなひどい目に合わされてもへらず口だけは忘れない、ある意味根性のある性格。

大阪組の奇襲の際には背中にダイナマイトを括り付けられ、猫爆弾にさせられた。

西鉄親分

地元、九州組の組長。今はなき西鉄ライオンズの熱狂的なファンに育てられた。

狂信的なまでに西鉄ライオンズを崇拝しており、己の額に西鉄のイニシャルであるNLの文字を焼印で刻み、野球のヘルメットを模して自ら耳を切り落とし、西鉄全盛期のエースピッチャー、稲尾和久の使っていたストッキングを身に纏う。

性格は凶暴かつ卑劣、小心者でありながら狂気的で、行動や風貌のすべてが異常そのもの。

イヨマンテ

西鉄親分の忠実な部下。バンダナを巻き、ハンマーを持ち歩いている。

他のヤクザ猫達を指揮する立場にあり、自分勝手な親分と子分達に振り回される苦労人。

西鉄親分の息子であるカズヒサとフトシをボン(坊っちゃんの意)と呼ぶ。

名前の由来はアイヌ人の祭を元にした歌謡曲「イヨマンテの夜」から。

フトシ

西鉄親分の次男。名の由来は中西太から。父親以上に大柄な体格で、父親同様に耳がない。

生まれてから誕生日を迎える間もなく父親に耳を切り取られ、兄のカズヒサと共に脱走。

物語中盤でカズヒサと共に帰郷し、父親とも和解した。

頭の回転が遅いため状況に流されやすく、一見すると人畜無害にも見えるが、父親譲りの凶暴さはしっかりと受け継がれており、相手を痛めつける事に全く容赦がなく、ある意味父親以上にタチが悪い性格。

必殺技の「脳天崩しオランダ風車」は相手の足を持ってグルグル振り回し、遠心力で頭に血を集めて地面に叩き付けて破裂させるという残虐極まりない技。

カズヒサ

西鉄親分の長男。名の由来は稲尾和久から。帽子を深めにかぶり、不気味な雰囲気を漂わせている。

子供の頃、父親にNLの焼印を入れられそうになって家出し、神戸港からオーストラリア行きの貨物船に乗って脱走。現地でブーメランの存在を知って自分の武器とした。

ブーメランの軌道を完全に把握して使いこなしており、一度は雷蔵との直接対決で勝利している。

父親から放蕩息子として扱われていたが、父に倣って耳を切り、頭にナイフでNLのイニシャルを入れた姿を見せ、信頼を取り戻す。その後は九州組の若親分となり、冷静な判断力で父の手助けをする。

何かと雷蔵を特別視しており、自身の手で決着を付けたがっていたが…?


以下ネタバレ注意。

終盤では「てるてる坊主賭博」と称し、敵味方関係なく脱走者を吊るし上げる凶行に及ぶ。

続く雷蔵との再戦ではブーメランを完全に見切られてしまうが、隠し武器ブーメラン型ナイフを持ち出し、雷蔵の額に生涯消えない傷を残す。激闘の末、雷蔵の必殺タマつぶしで睾丸を引き千切られ再起不能にされるも、温存しておいたダイナマイトで心中を図る。

今際の際に己の心情を露呈し、雷蔵に共感を求めつつ道連れにしようとするが、身内がいない雷蔵には身内がいるのに孤独を感じているカズヒサに共感できず拒絶される。

最後には自身の孤独と狂気の根源が父親にあることに気付き、父を非難しながら理解を求めたが、最後まで父の理解は得られず、共に自爆して果てた。


父や弟にはない常識的な感情を持ってしまったが故に父以上の狂気に陥ったあげく、結局は小物の父親に振り回されっぱなしの人生だった事に最後の最後で気付いてしまうという、ある意味哀れな男。

『どらン猫小鉄』とは『じゃりン子チエ』に登場した猫「小鉄」を主人公にしたスピンオフ作品の総称である。


小鉄の出生と若き日の死闘を描いた『どらン猫小鉄』

本編の番外編をまとめた短編集『じゃりン子チエ番外篇 どらン猫小鉄奮戦記』

Webマガジンでの連載をまとめた『帰って来たどらン猫』シリーズがある。


ここでは主に第一作である『どらン猫小鉄』について解説する。

作品解説

作品解説

下町人情コメディとして知られる『じゃりン子チエ』ではあるが、その中で度々描かれる野良猫達のケンカは凄惨で血生臭い描写が見え隠れしている。

それを隠す事なく全力で描ききった作品が、この『どらン猫小鉄』である。

作中では少なくとも50匹以上の猫が犠牲になり、自分で耳を切り取った猫が何匹も登場するなど、もはやその描写は凄惨を通り越して狂気すら感じさせる。

一読すれば「じゃりン子チエの作者」でしかなかった「はるき悦巳」の評価を一変させる事になるだろう。

絶版中ではあるが、機会があれば一読をオススメする。

あらすじ

あらすじ

あの頃ワシ……オレはまだ若かった

とはいえ男とゆう言葉が色あせたスカ屁…うまくいえないが

そんなものに変わりかけていたことを思えばもおガキでもなかったろう


九州の閉山になった炭鉱町、その片隅に野良猫の楽園と言われた街「猫街銀座」があった。

そこに大阪から進出したヤクザ猫達が賭場を開き、便乗した地元のヤクザ猫が利権を巡って争いを始め、街は楽園から地獄へとその姿を変え「猫街銀座」から「三途の猫街」と呼び改められた。

血の抗争を続けるヤクザ猫達の街に、ぶらりと迷い込んだ一匹の名も無き野良猫。

後に「月の輪の雷蔵」の名を全国に轟かせ、竹本家の飼い猫となる「小鉄」だった。

登場猫

雷蔵(小鉄)

天涯孤独の野良猫。幾多の決闘を勝ち抜いてきた無頼漢。

様々な異名を持つが、一定した名称を名乗ることはせず、実質名無し猫であった。

「雷蔵」という名は、地元のヤクザの組長に名を尋ねられ、思いつきで名乗った自称である。

最初は遊び半分にヤクザ猫達の自滅を狙っていたが、カタギのオヤジに平和だった頃の思い出話を聞かされ、本気でこの街を救う決意を固める。

カタギのオヤジ

この街で唯一正気を保っている猫。拍子木で戦いの始まりと終わりを知らせるのが仕事。

何かと雷蔵に協力するが、ヤクザ猫達に拉致され半死半生の目に合わされる。

後に「月の輪の雷蔵」の命名者となり、雷蔵伝説を広めた語り部となる。

桶屋の勘公

棺桶作りに誇りを持っていたが、無尽蔵に増える死体のために棺桶を作り続け、

激務の中で精神的に追い詰められ、遂には自らの頭に五寸釘を打ち込んで発狂。

何もない所でトンカチを振るいながら、棺桶作りの信念を語り続けている。

モヒカン親分

大阪組の組長。顔の毛をモヒカンの様に剃り込んでいる。

柄の悪い関西弁を使う血気盛んな男。地元の猫を田舎出と見下している。

地元組の夜襲に対応できず大阪組を壊滅させられるが、生き残った3匹の子分と共に奇襲を仕掛ける。

田舎コンプレックスを生かした陽動作戦を決行し、30匹近くの猫をダイナマイトで爆殺した。

又八

モヒカン親分の息子。地元組に捕らえられ、「血時計」という逆さ吊りの拷問に遭う。

どんなひどい目に合わされてもへらず口だけは忘れない、ある意味根性のある性格。

大阪組の奇襲の際には背中にダイナマイトを括り付けられ、猫爆弾にさせられた。

西鉄親分

地元、九州組の組長。今はなき西鉄ライオンズの熱狂的なファンに育てられた。

狂信的なまでに西鉄ライオンズを崇拝しており、己の額に西鉄のイニシャルであるNLの文字を焼印で刻み、野球のヘルメットを模して自ら耳を切り落とし、西鉄全盛期のエースピッチャー、稲尾和久の使っていたストッキングを身に纏う。

性格は凶暴かつ卑劣、小心者でありながら狂気的で、行動や風貌のすべてが異常そのもの。

イヨマンテ

西鉄親分の忠実な部下。バンダナを巻き、ハンマーを持ち歩いている。

他のヤクザ猫達を指揮する立場にあり、自分勝手な親分と子分達に振り回される苦労人。

西鉄親分の息子であるカズヒサとフトシをボン(坊っちゃんの意)と呼ぶ。

名前の由来はアイヌ人の祭を元にした歌謡曲「イヨマンテの夜」から。

フトシ

西鉄親分の次男。名の由来は中西太から。父親以上に大柄な体格で、父親同様に耳がない。

生まれてから誕生日を迎える間もなく父親に耳を切り取られ、兄のカズヒサと共に脱走。

物語中盤でカズヒサと共に帰郷し、父親とも和解した。

頭の回転が遅いため状況に流されやすく、一見すると人畜無害にも見えるが、父親譲りの凶暴さはしっかりと受け継がれており、相手を痛めつける事に全く容赦がなく、ある意味父親以上にタチが悪い性格。

必殺技の「脳天崩しオランダ風車」は相手の足を持ってグルグル振り回し、遠心力で頭に血を集めて地面に叩き付けて破裂させるという残虐極まりない技。

カズヒサ

西鉄親分の長男。名の由来は稲尾和久から。帽子を深めにかぶり、不気味な雰囲気を漂わせている。

子供の頃、父親にNLの焼印を入れられそうになって家出し、神戸港からオーストラリア行きの貨物船に乗って脱走。現地でブーメランの存在を知って自分の武器とした。

ブーメランの軌道を完全に把握して使いこなしており、一度は雷蔵との直接対決で勝利している。

父親から放蕩息子として扱われていたが、父に倣って耳を切り、頭にナイフでNLのイニシャルを入れた姿を見せ、信頼を取り戻す。その後は九州組の若親分となり、冷静な判断力で父の手助けをする。

何かと雷蔵を特別視しており、自身の手で決着を付けたがっていたが…?


以下ネタバレ注意。

終盤では「てるてる坊主賭博」と称し、敵味方関係なく脱走者を吊るし上げる凶行に及ぶ。

続く雷蔵との再戦ではブーメランを完全に見切られてしまうが、隠し武器ブーメラン型ナイフを持ち出し、雷蔵の額に生涯消えない傷を残す。激闘の末、雷蔵の必殺タマつぶしで睾丸を引き千切られ再起不能にされるも、温存しておいたダイナマイトで心中を図る。

今際の際に己の心情を露呈し、雷蔵に共感を求めつつ道連れにしようとするが、身内がいない雷蔵には身内がいるのに孤独を感じているカズヒサに共感できず拒絶される。

最後には自身の孤独と狂気の根源が父親にあることに気付き、父を非難しながら理解を求めたが、最後まで父の理解は得られず、共に自爆して果てた。


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ここでは主に第一作である『どらン猫小鉄』について解説する。

作品解説

作品解説

下町人情コメディとして知られる『じゃりン子チエ』ではあるが、その中で度々描かれる野良猫達のケンカは凄惨で血生臭い描写が見え隠れしている。

それを隠す事なく全力で描ききった作品が、この『どらン猫小鉄』である。

作中では少なくとも50匹以上の猫が犠牲になり、自分で耳を切り取った猫が何匹も登場するなど、もはやその描写は凄惨を通り越して狂気すら感じさせる。

一読すれば「じゃりン子チエの作者」でしかなかった「はるき悦巳」の評価を一変させる事になるだろう。

絶版中ではあるが、機会があれば一読をオススメする。

あらすじ

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あの頃ワシ……オレはまだ若かった

とはいえ男とゆう言葉が色あせたスカ屁…うまくいえないが

そんなものに変わりかけていたことを思えばもおガキでもなかったろう


九州の閉山になった炭鉱町、その片隅に野良猫の楽園と言われた街「猫街銀座」があった。

そこに大阪から進出したヤクザ猫達が賭場を開き、便乗した地元のヤクザ猫が利権を巡って争いを始め、街は楽園から地獄へとその姿を変え「猫街銀座」から「三途の猫街」と呼び改められた。

血の抗争を続けるヤクザ猫達の街に、ぶらりと迷い込んだ一匹の名も無き野良猫。

後に「月の輪の雷蔵」の名を全国に轟かせ、竹本家の飼い猫となる「小鉄」だった。

登場猫

雷蔵(小鉄)

天涯孤独の野良猫。幾多の決闘を勝ち抜いてきた無頼漢。

様々な異名を持つが、一定した名称を名乗ることはせず、実質名無し猫であった。

「雷蔵」という名は、地元のヤクザの組長に名を尋ねられ、思いつきで名乗った自称である。

最初は遊び半分にヤクザ猫達の自滅を狙っていたが、カタギのオヤジに平和だった頃の思い出話を聞かされ、本気でこの街を救う決意を固める。

カタギのオヤジ

この街で唯一正気を保っている猫。拍子木で戦いの始まりと終わりを知らせるのが仕事。

何かと雷蔵に協力するが、ヤクザ猫達に拉致され半死半生の目に合わされる。

後に「月の輪の雷蔵」の命名者となり、雷蔵伝説を広めた語り部となる。

桶屋の勘公

棺桶作りに誇りを持っていたが、無尽蔵に増える死体のために棺桶を作り続け、

激務の中で精神的に追い詰められ、遂には自らの頭に五寸釘を打ち込んで発狂。

何もない所でトンカチを振るいながら、棺桶作りの信念を語り続けている。

モヒカン親分

大阪組の組長。顔の毛をモヒカンの様に剃り込んでいる。

柄の悪い関西弁を使う血気盛んな男。地元の猫を田舎出と見下している。

地元組の夜襲に対応できず大阪組を壊滅させられるが、生き残った3匹の子分と共に奇襲を仕掛ける。

田舎コンプレックスを生かした陽動作戦を決行し、30匹近くの猫をダイナマイトで爆殺した。

又八

モヒカン親分の息子。地元組に捕らえられ、「血時計」という逆さ吊りの拷問に遭う。

どんなひどい目に合わされてもへらず口だけは忘れない、ある意味根性のある性格。

大阪組の奇襲の際には背中にダイナマイトを括り付けられ、猫爆弾にさせられた。

西鉄親分

地元、九州組の組長。今はなき西鉄ライオンズの熱狂的なファンに育てられた。

狂信的なまでに西鉄ライオンズを崇拝しており、己の額に西鉄のイニシャルであるNLの文字を焼印で刻み、野球のヘルメットを模して自ら耳を切り落とし、西鉄全盛期のエースピッチャー、稲尾和久の使っていたストッキングを身に纏う。

性格は凶暴かつ卑劣、小心者でありながら狂気的で、行動や風貌のすべてが異常そのもの。

イヨマンテ

西鉄親分の忠実な部下。バンダナを巻き、ハンマーを持ち歩いている。

他のヤクザ猫達を指揮する立場にあり、自分勝手な親分と子分達に振り回される苦労人。

西鉄親分の息子であるカズヒサとフトシをボン(坊っちゃんの意)と呼ぶ。

名前の由来はアイヌ人の祭を元にした歌謡曲「イヨマンテの夜」から。

フトシ

西鉄親分の次男。名の由来は中西太から。父親以上に大柄な体格で、父親同様に耳がない。

生まれてから誕生日を迎える間もなく父親に耳を切り取られ、兄のカズヒサと共に脱走。

物語中盤でカズヒサと共に帰郷し、父親とも和解した。

頭の回転が遅いため状況に流されやすく、一見すると人畜無害にも見えるが、父親譲りの凶暴さはしっかりと受け継がれており、相手を痛めつける事に全く容赦がなく、ある意味父親以上にタチが悪い性格。

必殺技の「脳天崩しオランダ風車」は相手の足を持ってグルグル振り回し、遠心力で頭に血を集めて地面に叩き付けて破裂させるという残虐極まりない技。

カズヒサ

西鉄親分の長男。名の由来は稲尾和久から。帽子を深めにかぶり、不気味な雰囲気を漂わせている。

子供の頃、父親にNLの焼印を入れられそうになって家出し、神戸港からオーストラリア行きの貨物船に乗って脱走。現地でブーメランの存在を知って自分の武器とした。

ブーメランの軌道を完全に把握して使いこなしており、一度は雷蔵との直接対決で勝利している。

父親から放蕩息子として扱われていたが、父に倣って耳を切り、頭にナイフでNLのイニシャルを入れた姿を見せ、信頼を取り戻す。その後は九州組の若親分となり、冷静な判断力で父の手助けをする。

何かと雷蔵を特別視しており、自身の手で決着を付けたがっていたが…?


以下ネタバレ注意。

終盤では「てるてる坊主賭博」と称し、敵味方関係なく脱走者を吊るし上げる凶行に及ぶ。

続く雷蔵との再戦ではブーメランを完全に見切られてしまうが、隠し武器ブーメラン型ナイフを持ち出し、雷蔵の額に生涯消えない傷を残す。激闘の末、雷蔵の必殺タマつぶしで睾丸を引き千切られ再起不能にされるも、温存しておいたダイナマイトで心中を図る。

今際の際に己の心情を露呈し、雷蔵に共感を求めつつ道連れにしようとするが、身内がいない雷蔵には身内がいるのに孤独を感じているカズヒサに共感できず拒絶される。

最後には自身の孤独と狂気の根源が父親にあることに気付き、父を非難しながら理解を求めたが、最後まで父の理解は得られず、共に自爆して果てた。


父や弟にはない常識的な感情を持ってしまったが故に父以上の狂気に陥ったあげく、結局は小物の父親に振り回されっぱなしの人生だった事に最後の最後で気付いてしまうという、ある意味哀れな男。

『どらン猫小鉄』とは『じゃりン子チエ』に登場した猫「小鉄」を主人公にしたスピンオフ作品の総称である。


小鉄の出生と若き日の死闘を描いた『どらン猫小鉄』

本編の番外編をまとめた短編集『じゃりン子チエ番外篇 どらン猫小鉄奮戦記』

Webマガジンでの連載をまとめた『帰って来たどらン猫』シリーズがある。


ここでは主に第一作である『どらン猫小鉄』について解説する。

作品解説

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下町人情コメディとして知られる『じゃりン子チエ』ではあるが、その中で度々描かれる野良猫達のケンカは凄惨で血生臭い描写が見え隠れしている。

それを隠す事なく全力で描ききった作品が、この『どらン猫小鉄』である。

作中では少なくとも50匹以上の猫が犠牲になり、自分で耳を切り取った猫が何匹も登場するなど、もはやその描写は凄惨を通り越して狂気すら感じさせる。

一読すれば「じゃりン子チエの作者」でしかなかった「はるき悦巳」の評価を一変させる事になるだろう。

絶版中ではあるが、機会があれば一読をオススメする。

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あの頃ワシ……オレはまだ若かった

とはいえ男とゆう言葉が色あせたスカ屁…うまくいえないが

そんなものに変わりかけていたことを思えばもおガキでもなかったろう


九州の閉山になった炭鉱町、その片隅に野良猫の楽園と言われた街「猫街銀座」があった。

そこに大阪から進出したヤクザ猫達が賭場を開き、便乗した地元のヤクザ猫が利権を巡って争いを始め、街は楽園から地獄へとその姿を変え「猫街銀座」から「三途の猫街」と呼び改められた。

血の抗争を続けるヤクザ猫達の街に、ぶらりと迷い込んだ一匹の名も無き野良猫。

後に「月の輪の雷蔵」の名を全国に轟かせ、竹本家の飼い猫となる「小鉄」だった。

登場猫

雷蔵(小鉄)

天涯孤独の野良猫。幾多の決闘を勝ち抜いてきた無頼漢。

様々な異名を持つが、一定した名称を名乗ることはせず、実質名無し猫であった。

「雷蔵」という名は、地元のヤクザの組長に名を尋ねられ、思いつきで名乗った自称である。

最初は遊び半分にヤクザ猫達の自滅を狙っていたが、カタギのオヤジに平和だった頃の思い出話を聞かされ、本気でこの街を救う決意を固める。

カタギのオヤジ

この街で唯一正気を保っている猫。拍子木で戦いの始まりと終わりを知らせるのが仕事。

何かと雷蔵に協力するが、ヤクザ猫達に拉致され半死半生の目に合わされる。

後に「月の輪の雷蔵」の命名者となり、雷蔵伝説を広めた語り部となる。

桶屋の勘公

棺桶作りに誇りを持っていたが、無尽蔵に増える死体のために棺桶を作り続け、

激務の中で精神的に追い詰められ、遂には自らの頭に五寸釘を打ち込んで発狂。

何もない所でトンカチを振るいながら、棺桶作りの信念を語り続けている。

モヒカン親分

大阪組の組長。顔の毛をモヒカンの様に剃り込んでいる。

柄の悪い関西弁を使う血気盛んな男。地元の猫を田舎出と見下している。

地元組の夜襲に対応できず大阪組を壊滅させられるが、生き残った3匹の子分と共に奇襲を仕掛ける。

田舎コンプレックスを生かした陽動作戦を決行し、30匹近くの猫をダイナマイトで爆殺した。

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モヒカン親分の息子。地元組に捕らえられ、「血時計」という逆さ吊りの拷問に遭う。

どんなひどい目に合わされてもへらず口だけは忘れない、ある意味根性のある性格。

大阪組の奇襲の際には背中にダイナマイトを括り付けられ、猫爆弾にさせられた。

西鉄親分

地元、九州組の組長。今はなき西鉄ライオンズの熱狂的なファンに育てられた。

狂信的なまでに西鉄ライオンズを崇拝しており、己の額に西鉄のイニシャルであるNLの文字を焼印で刻み、野球のヘルメットを模して自ら耳を切り落とし、西鉄全盛期のエースピッチャー、稲尾和久の使っていたストッキングを身に纏う。

性格は凶暴かつ卑劣、小心者でありながら狂気的で、行動や風貌のすべてが異常そのもの。

イヨマンテ

西鉄親分の忠実な部下。バンダナを巻き、ハンマーを持ち歩いている。

他のヤクザ猫達を指揮する立場にあり、自分勝手な親分と子分達に振り回される苦労人。

西鉄親分の息子であるカズヒサとフトシをボン(坊っちゃんの意)と呼ぶ。

名前の由来はアイヌ人の祭を元にした歌謡曲「イヨマンテの夜」から。

フトシ

西鉄親分の次男。名の由来は中西太から。父親以上に大柄な体格で、父親同様に耳がない。

生まれてから誕生日を迎える間もなく父親に耳を切り取られ、兄のカズヒサと共に脱走。

物語中盤でカズヒサと共に帰郷し、父親とも和解した。

頭の回転が遅いため状況に流されやすく、一見すると人畜無害にも見えるが、父親譲りの凶暴さはしっかりと受け継がれており、相手を痛めつける事に全く容赦がなく、ある意味父親以上にタチが悪い性格。

必殺技の「脳天崩しオランダ風車」は相手の足を持ってグルグル振り回し、遠心力で頭に血を集めて地面に叩き付けて破裂させるという残虐極まりない技。

カズヒサ

西鉄親分の長男。名の由来は稲尾和久から。帽子を深めにかぶり、不気味な雰囲気を漂わせている。

子供の頃、父親にNLの焼印を入れられそうになって家出し、神戸港からオーストラリア行きの貨物船に乗って脱走。現地でブーメランの存在を知って自分の武器とした。

ブーメランの軌道を完全に把握して使いこなしており、一度は雷蔵との直接対決で勝利している。

父親から放蕩息子として扱われていたが、父に倣って耳を切り、頭にナイフでNLのイニシャルを入れた姿を見せ、信頼を取り戻す。その後は九州組の若親分となり、冷静な判断力で父の手助けをする。

何かと雷蔵を特別視しており、自身の手で決着を付けたがっていたが…?


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終盤では「てるてる坊主賭博」と称し、敵味方関係なく脱走者を吊るし上げる凶行に及ぶ。

続く雷蔵との再戦ではブーメランを完全に見切られてしまうが、隠し武器ブーメラン型ナイフを持ち出し、雷蔵の額に生涯消えない傷を残す。激闘の末、雷蔵の必殺タマつぶしで睾丸を引き千切られ再起不能にされるも、温存しておいたダイナマイトで心中を図る。

今際の際に己の心情を露呈し、雷蔵に共感を求めつつ道連れにしようとするが、身内がいない雷蔵には身内がいるのに孤独を感じているカズヒサに共感できず拒絶される。

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    漫画:水野マリィ,原作:軽井広,キャラクターデザイン:南々瀬なつ

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    ハズレ姫は意外と愛されている?

    漫画:あさの碧 原作:gacchi キャラクター原案:珠梨 やすゆき

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