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概要

初出作品はゼリア・ビショップのためのラヴクラフトの代作『イグの呪い』。


大きな蛇人間、時にはは東洋の巨大な龍の姿をしたグレートオールドワン。鱗の生えた巨大な人間の男としても姿を現す。

現在はクン=ヤンの赤く輝くヨスにある「ンゴスの穴」に棲んでいる、あるいは封印されているとも伝わる。

地球に来て爬虫類と昆虫の創造に関与した(人類の創造にも関与したと唱える者もいる)。

旧支配者の中でも最も古い一柱であり、相応に強大な力を持つ神である。蛇の自在な召喚ができ、支配しているとされる。

一説には、蛇はイグが自分の故郷を思い出すために地球へと持ち込んだ生物だとされている(=つまるところ、蛇は元々地球外生物である)。


他のグレートオールドワンと違い、人類であろうとも信者には深い慈愛の心をもって接し、相応の報いをする。

蛇を尊重し、イグを熱心に崇拝する者には「蛇との会話能力」「いくつかの魔術」「あらゆる蛇の毒に対する抗体」などを与えるともある。この為に北米・オクラホマのネイティブアメリカンに信奉されており、この崇拝が南米にも渡り、ケツアルコアトルになったとも考えられている。

ただし、蛇の繁殖期である秋では狂暴になる為、信者は特殊なガラガラや太鼓を鳴らし、動物の生贄を捧げて荒ぶるイグを鎮める儀式を執り行う。


一方で非常に執念深い性格で、イグ自身を裏切った存在や、イグの身内や加護を与えた存在を害した敵対者には、必ず凄惨な報復を行う。

イグに関係のある蛇を殺したり虐待したりした愚か者に対し、イグは使者として〈イグの聖なる蛇〉を送り込む。見た目は普通の蛇だが姿が大きく、頭には白い三日月の印があるのが特徴。この蛇は相手を殺すまで追いかけ続け、噛まれた犠牲者は強毒によってあっさり死んでしまう。

また、イグの不興を買った人間は彼の存在によって、知性のない蛇に変えられる罰を被りもする。

更におぞましい罰には、イグの呪いを受けた女性は蛇めいた異形の子供を多数産む羽目に陥る。奇形児を妊娠しては流産を生涯繰り返すとも。


執念深い性格は様々なエピソードにも表れており、自らが創造した蛇人間が他の神を信仰するようになると、知恵と手足を奪い普通の蛇に変えてしまったとの逸話がある。

現在では蛇人間はイグの信仰を忘れなかった、ごく一部の部族の生き残りが残るのみである。


シュブ=ニグラスとの間には子供を複数儲けており、『妖蛆の秘密』にて、父なるイグ、暗きハン、蛇の髭を持つバイアティスとして並んで記述されている。


生態・出自など

太古の地球にザンダヌアの世界(または惑星)から来訪した。そこにはイグの兄弟であるロコンがまだ棲んでいる。


生命原理の象徴であり、尾を打ちならして覚醒と睡眠の周期が決定される。

イグは自分の化身を世に放つが、これらの化身は時が来れば冬眠しなければならない。

出自については、ウボ=サスラが地球上で生み出したとされる場合もある。


信仰

イグ崇拝は地下世界クンヤンで始まったと考えられる。崇拝はそこから北アメリカ西部とメキシコ南部、ムーとヴァルーシアにも広まった。ククルカン、ケツアルクアトルの伝説の元になった可能性がある。

太古より被造物である蛇人間に信仰されていた。イグは蛇人間に奉仕を命じていた様子はない。蛇人間にとってイグは父である。

ムー大陸では、クトゥルフシュブ=ニグラスと共に、人類に友好的な神として信仰されていた。この末裔がクン=ヤンに住んでいる。

しかし、蛇人間の大半はやがてツァトゥグァを信仰するようになり、イグの怒りを買って知性のない蛇に変えられた。

 

現在でも大平原地帯のインディアン部族はイグを崇拝しているものがある。

また、魔術師の中には有形の物品と引き換えにイグに仕える者もいる。イグは満月と新月の両方に生きた動物の生け贄によって慰撫される。


関係性

イグは多くの神や怪物と交わり多くの子をつくっている。

・シュブ=ニグラス

 婚姻関係はないが、子供を複数つくっている。イグ自身がヨグ=ソトースとシュブ=ニグラスとの子であるとされることもある。

ウールヘーア

 シュブ=ニグラスとの娘の女神。

他の子供にハン、バイアティスなどがいる。


眷属

ヘビ人間

イグが創造した種族。独立種族。

恐竜が誕生する以前の2億7500万年前に最も栄えた。かつては科学が得意で生命そのものを操る技術を持ちえていた。しかし、大半の個体がイグからツァトゥグァを信仰したのを契機に、イグ自身によって半ば滅ぼされ、現在は少数の魔術師などが残るのみである。かつての先祖と比べ知能も体格も衰えてしまっている。

 ただし、それを踏まえた現在でも、科学と魔術の両方の技術に長けている種族。

・イグの落とし子

一般的にはイグと蛇人間との混血種の子孫。四肢は萎縮し機能を失い身体から垂れ下がっている。顔は部分的に人間のものだが、目は冷たく瞳がない。特別大きな卵で生まれ、出産の際に母親を殺してしまう。イグの呪いを受けた女性が絶命すると同時に産み落とすともある。

・イグの子/イグの聖なる蛇

イグの子と呼ばれるその地域に生息する特別大きな蛇。基本的にはその土地原産の蛇だが、頭に三日月の印をつけている。イグの加護を受けており、害するとイグの報復の対象となる。


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旧支配者 クトゥルフ神話 蛇人間

蛇神 

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