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概要

「ガングート」とはハンコ半島のロシアでの呼称である。

日露戦争によってロシア帝国海軍は主力艦のほとんどを喪失し、1908年、海軍再建に向けた10ヵ年計画が開始され、ガングート級戦艦の建造が計画された。

当初、イタリア、ドイツ、イギリス、アメリカに技術協力を依頼し、イタリアのクニベリティ造船大佐の案とドイツ「ブローム・ウント・フォス社」案が有力候補となったが、国内で改めて新設計する事に決定した。

イタリア案の影響が強いと考えられ、実際、外見はイタリア戦艦ダンテ・アリギエーリと瓜二つであるが、最近の研究ではドイツ案の影響の方が強いとされる。

同型艦は4隻。

船体形状は平甲板型で、衝角を廃止し、砕氷型艦首を採用した。主砲の門数はイギリスの戦艦ドレッドノートより2門多い。艦尾水線下には楕円形の舵が直線上に2枚配置された。

この艦の設計には、まともに斉射ができない、機関区と弾薬庫が隣接しているなど欠陥が多いが、その幾つかは近代改装によって改善されている。

同型艦

ロシア革命後、赤色海軍に編入され艦名が変更された。

ガングート

→ 1925年「オクチャブリスカヤ・レヴォリューツィヤ」(十月革命)に

ペトロパブロフスク

→ 1921年「マラート」(フランスの革命家、マラー)に

→ 1943年「ペトロパブロフスク」に戻る

→ 1950年「ヴォルホフ」(ヴォルホフ川)に

ポルタワ

→ 1926年ミハイル・フルンゼ(ソ連の政治家、ミハイル・フルンゼ)に

セヴァストーポリ

→ 1921年パリジスカヤ・コンムナパリ・コミューン)に

→ 1943年「セヴァストーポリ」に戻る

近代化改装

ポルタワ以外は近代化改装を施された。艦首には新たにクリッパー式が用いられ、セヴァストーポリは水線下にバルジを設けた。

主砲の仰角は40度まで引き上げられた。小口径砲が撤去され76.2mm高角砲を主砲塔上に設置した。

1936年、セヴァストーポリはハインケル式旋回型カタパルトを搭載したが、1942年に撤去。

性能諸元(1914年)

艦名古戦場
常備排水量25,466t
満載排水量26,692t
全長181.2m
全幅26.6m
吃水8.4m
機関ヤーロー式重油・石炭混焼水管缶25基+パーソンズ式直結タービン(高速・低速)2組4軸推進
最大出力42,000hp
最大速力23.4kt
航続距離10kt/5,000浬
武装1907年式52口径305mm3連装砲塔×4基、1905年式50口径120mm単装速射砲×16門、1883年式43.5口径47mm単装速射砲×4門、45.7cm水中魚雷発射管×4基
乗員1,126名

前級:インペラートル・パーヴェル1世級戦艦

次級:インペラトリッツァ・マリーヤ級戦艦

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