ゼイン!
「変身」
ゼインライズ!
ジャスティス!ジャッジメント!セイギ!ゼイン!
"Salvation of humankind"
CV:中村優一
スーツアクター:齊藤謙也
概要
『仮面ライダーアウトサイダーズ』に登場する仮面ライダー。
善意から生まれた人工知能「ゼイン」が宿る仮面ライダーであり、全ての悪を根絶するために全てのライダーの力(ギーツ・ガッチャードを除く)を併せ持つ。
“善意を持つ”正義の仮面ライダーでありながら、本作のダークライダーに当たる(詳細はゼインのページを参照)。
ライダーズクレストは、目を象った2つの^と口に該当するV字型のモールドで、簡素だが笑顔を浮かべているように見える形状になっている。
ジョージ・狩崎が開発した専用ドライバーに、西馬ニコが「仮面ライダークロニクル」のデータを読み込ませて起動した。
『仮面ライダー剣』、『仮面ライダーディケイド』、『仮面ライダーエグゼイド』、『仮面ライダーゼロワン』のライダーシステムが応用されており、世界観や背景が異なる他作品同士の技術を掛け合わせて生まれたライダーである。
劇中では、ラウズカードの技術を応用してライダーカードを模したゼインカードとプログライズキーが開発された。
変身音は対の存在のアークライダーを思わせる3つの単語を並べた音声になっている。最後の英文は「人類の救済」を意味する。
プログライズキーを起動後、ゼインドライバーに装填すると、都心の光景が映った青い光球とファンタジー世界の光景が映った赤色の光球が出現し、変身者と同化することで変身が完了する。
ゼインドライバーとプログライズキーが収納されたアタッシュケースには、「Be very careful with this system. Have the potential to lead to dangerous situations.」(このシステムには十分注意してください。危険な状況を引き起こす可能性があります)と、注意書きがされている(詳細は後述)。
2024年4月26日、レジェンドライドケミートレカ投票で12位に入選し、ケミーカードとして商品化された。デザインはゼインの顔がついたシュレッダーになっている。
イラストには、ゼインカードではなく、仮面ライダーゼロワンのライダーカードをシュレッダーに掛けているというゼインのキャラクター性を象徴したかのようなデザインになっている。
なお、識別バーコードはゼロワンケミーカードの流用されていると思われ、電王ケミーカードやゼロノスケミーカードとガッチャードライバーに装填することでライジングライナーの音声を鳴らすことも可能。
なお、ゼインは『アウトサイダーズ』に登場する仮面ライダーだが、ライダーシステムの構造上『ゼロワン』の仮面ライダーとして扱われている(『アウトサイダーズ』は、『ゼロワン』の世界を舞台にしている)。
容姿
白と銀をメインに差し色の金と水色をあしらった高貴さを感じられ、マントをはためかせる聖騎士や救世主に似た外見をしている。
仮面ライダーアークゼロと対極になるデザインで、頭部のデザインが「笑顔」に近いモノが見え隠れしている。特に金色のライン(目の上部には眉のように^の形が、顎にはV字型のモールドがある)に着目すると笑顔を浮かべているように見える形状となっている。このラインがライダーズクレストの由来である。
しかし、その目元を見ると短いながらも涙を模したラインがあり、後述する必殺技の発動で光る姿は、まるで「嬉し涙を流している」、あるいは「笑顔の影で泣いている」「仮面で涙を隠している」とも取れるが・・・。
スペック
戦闘スタイルは少々動き辛そうな外見に反して、敵の反撃を許さない容赦の無い徒手空拳スタイルで戦う。
最大の特徴として、あらゆるライダーの力を持つゼインカードをドライバーに読み込ませてカードの能力を抽出し、自分の能力にする性能を持つ。
しかし、一度使用するとゼインドライバーで細かく裁断されてしまうため、再使用はできなくなる。
また、仮面ライダークロニクルの力に由来しているからか、どのライダー経由かは不明だが、時間停止能力(劇中では「フリーズ」と呼ばれている)も有している。
これらの機能を発動せずにいくつものライダーシステムを作り上げた狩崎に裏打ちされたドライバーの高性能さ、ゼインによる予測と変身者の実力が相まって、既にアークゼロを圧倒できる力を持つ。
使用アイテム
ジョージ・狩崎が開発した変身ベルト。
向かって左側にプログライズキー、中央上部にゼインカードを装填するスロット、右側にレバーがある。
ゼインに変身する際に使用するプログライズキー。現状はアビリティと名称は不明だが、キー自体には「KAMEN RIDER ZEIN」と記載されている。SPシンボルはレジェンドライダープログライズキー同様ゼインのライダーズクレスト、展開するとゼインの正面顔が描かれている。
形状はアメイジングコーカサスプログライズキーやエデンゼツメライズキー、トリケラトプスゼツメライズキーと同じ形状で、起動するだけで展開される仕様だが、認証システムの有無は不明。
ゼインが使用する専用のライダーカード。
ラウズカードの技術を応用したと思われるアイテムで、歴代ライダーの能力(平成・令和ライダーは最強フォーム、ガッチャードを除く)が同意の元で作成されている。使用するとゼインドライバーで裁断されるため、再使用はできなくなる。
裏面もライダーカードと同じ「KAMEN RIDE」の文字が刻まれているが、ライダーズクレストはゼインのクレストで統一されている。
必殺技
- ジャスティスオーダー
執行!
ジャスティスオーダー!
中央のスロットにゼインカードを読み込ませた後、レバーを引いて右手側のプログライズキーを押し込んで発動する。
読み込んだカードに対応したライダーの力を引き出す。使用したゼインカードはシュレッダーのように裁断されて消滅する。
正義の心で世界を救ってきたライダー達の顔が切り裂かれる瞬間はライダー達を所詮は自分の「正義」のための単なる道具としか思っていないように見える。
悪を駆逐するために、原典以上の高威力で発動している節がある。何より、その使い方はどれも「冒涜的」「尊厳破壊」とまで称されるほどの苛烈さである。
ブレンからも、「不快で傲慢で許し難い」「個の想いを大切にする私の主が一番憎む真の邪悪」と断じた。
- ハイパークリティカルスパーキング
仮面ライダーエグゼイド ムテキゲーマーのゼインカードを読み込んで発動する。
本家同様にショートワープを繰り返しながら相手に猛烈な打撃ラッシュを浴びせる。
しかし、発動する直前にブロンズドライブをフリーズさせた上で発動したため、対象は回避・防御が不可能な状態で技を受けることになり、組み合わせ次第で元から強い能力や技をさらに底上げ可能なゼインの力を知らしめた。
- 刃王クロス星烈斬
仮面ライダークロスセイバーのゼインカードを読み込んだ後、刃王剣十聖刃を召喚してクロスセイバー同様の手順で技を発動させる。
本家よりもさらに技が強化されており、10本の聖剣が対象を自動追尾し、聖剣を対象の全身に突き刺し対象を確実に殲滅する技になった。
前述のハイパークリティカルスパーキングをも耐えたブロンズドライブを跡形も無く消し飛ばす威力を誇る。このえげつない様子から、ニコは「エグっ・・・」と引かれていた。
ノーザンベースとサウザンベースの剣士らの強い思いから生み出された剣をカード1枚でいとも容易く召喚するばかりか聖剣固有の能力を使用せず、数の暴力で一方的に敵を殲滅するさまは、まさに正義の暴走を体現したかのような技である。
- フォーカード
仮面ライダーブレイド キングフォームのゼインカードを読み込んだ後、キングラウザーとラウズカードを召喚してキングフォームと同様の手順で技を発動させる。
原典のフォーカードは仲間との絆を体現した技であったのに対し、1人で使用かつ属性付与のカテゴリー6ではなく、カテゴリーK4枚を使用して威力を強化している。当然、威力は元の比ではないと思われる。
なお、ラウズカードは発動後も消滅せず、その場に残る。
変身者
ブロンズドライブの前に突如として現れ、瞬時に圧倒して撃破したゼイン。
その変身者は・・・
滅「あれは・・・」
ニコ「仮面ライダーゼロノス…だった男、桜井侑斗」
「時の運行が変わったらしい・・・。俺が仮面ライダーゼインだ!」
かつて、仮面ライダーゼロノスとして、時の運行を守った桜井侑斗だった。
しかし、『電王』の本編に登場する侑斗とは別の時間軸から来た人物らしく、人類が暴走した「地獄の未来」から来たと話している。また、「俺の知る時間の中に愛する者のために戦ったという時間は存在しない」と本人の口から公言されているほか、デネブが存在しない相違点がある。
本来の歴史での彼の活躍を(データを通して)認知していたブレンはゼインの適格者たる彼に心酔していたが、その事実を知り、狼狽する。
さらに、真の目的が「全ての物質をコントロールし人間の中にある全ての悪意を駆逐する事」即ち「仮面ライダークロニクルを通して人類を滅ぼす」ことだと判明し、ゼインを悪とみなした滅らに離反された。
ブレンは戦う気力すらなくしたが、彼を本来の歴史の桜井侑斗と同じく「愛する者の為に戦う仮面ライダー」へと変えるために反旗を翻すことを決め、仮面ライダーブレンに変身しゼインのフォーカードから仮面ライダーアークゼロを庇い、変身を解除させられてしまった。
それでもブレンが説得を続けたことで彼の心境に変化が生じたのか思い留まらせることに成功し、変身を解除した。
しかし、それも虚しく、ゼインは桜井侑斗の身体を乗っ取り、ついに覚醒。西馬ニコの声に変え、幻夢コーポレーションに仮面ライダークロニクルの一般開放の再開を命令した。
立体化
「装動 仮面ライダーガッチャード→4←」で、初のフィギュア化が実現した。プレミアムエディション版では同じく仮面ライダーの力を使う仮面ライダーレジェンドとセットで販売される。
刃王剣(柄の部分は省略されている)やキングラウザー、ゼインカードなども同梱されており、劇中アクションの再現も可能。なお、アクション性を重視し、マントは背中から伸びる部分と肩に掛かっている部分で分割されている。
客演
『仮面ライダーガッチャード』
第33話にクレジットされており、何らかの形で登場する模様。
キャスト欄には大川氏としてクレジットされているため、時系列はep.4より後と思われる。
余談
- 本作の主題にして、ダークライダーであることからか、完全新規のスーツが作成されたと思われる。
- 上記の通り、複数の作品の技術が用いられている上に(カードは本作初登場ではあるが、見た目はライダーカードと同一)歴代の変身アイテムを複数使用する仮面ライダーは非常に珍しい。
- ep.3『バトルファイトの再開とゼインの誕生』の配信開始後、Twitterの公式アカウントでもゼインの正体が発表されたが、当該ツイートでは「仮面ライダーゼインの変身者はかつて仮面ライダーゼクロスだった桜井侑斗(演:中村優一)!」と誤って表記されていた(すでに修正済み)。
- オーディオコメンタリーで語った中村氏のイメージによると、「基本ベースは(本編の)桜井侑斗で、同じ役ですけど気持ちを新たに挑戦しました」、「自分の正義を貫いたほうがいいと思いました」と語っている。
- スーツアクターの齊藤は後に『仮面ライダーギーツ』で仮面ライダーリガドΩを演じており、これで2度目のダークライダーを演じる流れとなった。
- 総評すると、ライダーの力と強い思いを正義の名の下に使い捨ての道具にするシステムであり、その様子を見たブレンはかつての戦いで相対した、人類の敵であっても信念だけはあったはずのダークライダー達を駒として操る「無」の同類と見なしている。
- 仮面ライダーの力を道具として利用し、使い捨てにする行為は、かつての滅亡迅雷.netやアークがハッキングして変身した仮面ライダーとも似通っているからか、真の目的を知った滅の反感を買っている。
- ゼインの容姿は上記に挙げた通りだが、「絶対正義」や「完全な善」「完全な悪」に対して否定的な仮面ライダーシリーズにおいて分かりやすいヒーロー然とした容姿は逆に異端とも言える。
関連タグ
仮面ライダーアウトサイダーズ ゼイン(仮面ライダーゲンムズ)
仮面ライダーゼロノス:本来の歴史で、かつて侑斗が変身していたライダー。上述の通り、カード型アイテムを使うことやセットする位置が同じ、カードが使い切りである点も共通。
仮面ライダーディケイド・仮面ライダーディエンド:歴代ライダーの力を封じた「ライダーカード」を使用するライダー。
超銀河王:同じくドライバーに2つの作品のアイテムを使用するキャラ繋がり。但し、こちらは怪人である。
仮面ライダーギーツワンネス:同じくドライバーに2つの作品のアイテムを使用するライダー。