注意・誘導
原作漫画及び2009年版アニメと、2003年アニメでは別人。
これは、2003年アニメ製作当時には、原作ではまだスロウスが未登場であったためである。
●原作及び2009年版アニメ(FA)→スロウス(鋼の錬金術師) 【CV:立木文彦】
概要
原作には登場しない2003年版オリジナルキャラクター。
エルリック兄弟が母親であるトリシャ・エルリックを蘇らせようと人体練成に手を出した結果生み出された、「人の形をしてなかった化け物」を素体とするホムンクルス。ウロボロスの紋章は左胸。
生前のトリシャは原作とは異なり、夫に依存するあまりに、夫が失踪した後には育児に消極的であったり、病気の治療をせず緩慢な自殺を迎えるなどの怠惰な面があったため「スロウス」となった。
ただし、トリシャと完全な同一人物ではなく、実質的には別人である。
性格はトリシャとは正反対で、狡猾な性格。非情に知謀に長け、ホムンクルスの中では最年少であるにもかかわらず、「ジュリエット・ダグラス」の偽名でキング・ブラッドレイの秘書として活動するなど優遇されていた。
ジュリエットの時にはトリシャと同じ茶髪だが、地毛はラストやグリードと同じく黒髪である。
能力は身体の液状化。
水道管を通り滴の様にしたたった水溜りから再度人型になったり、周囲の水を取りこんで巨大な水流と化して吹き飛ばす、身体を伸ばす事で間合いを一瞬でつめる、湖の水と同化して対岸へ移動する、他人を自らの肉体で包みこみ拘束、あるいは溺れさせるなど非常に応用範囲が広い。体の水を利用した打撃は、ガトリング砲すら通じないエドの土壁を一撃で粉砕するほどの威力を有する。
また液化してしまうため物理攻撃はまったく通用せず、体内で爆発を起こされ粉々の水滴になった際も水が集まって再生してしまうほど。そのためホムンクルスの持つ再生能力自体ほぼ使用する意味がなく、残機が減ることすら無いに等しい。
ただその能力から冷気に弱く、浴びれば全身が凍結して動けなくなってしまうが、しかし一時的な冷気であれば細胞を振動させることで熱を発生させ、自らの力で解凍することも出来る。
その力を使い、自らの体内へラースを匿ってからは、彼から「ママ」と慕われ、行動を共にすることになる。母性を求めていたラースが女性の体内に匿われることによって胎内回帰のように認識したためで、この先、彼の行動は徐々に幼くなっていく。またホーエンハイムに対しては、彼の全身を液化させた下半身で包みこみ、拘束を行った。
ただし当のスロウスは脳裏に残っていたトリシャの記憶である「母親としての自分」「妻としての自分」を否定することで「スロウスとしての自分」を形作ろうとしていた。
ラストの描いた封印錬成陣とトリシャの遺骸(恐らく髪)を用いたエドの錬成により、残る赤い石を全て吐き出し魂のストックが1つだけになるも、上述の能力によりダメージすら受けない無敵ぶりを見せる。しかしラースがエドから奪った遺骸を取り込んだことを忘れて合体能力を使用したため急速に弱体化してしまい、エドにより、体内のすべての水分をすべてエタノールに再構築され、蒸発し消滅した。この時、エドに「よく、できたわね。後片付けはちゃんとするのよ。」といっている。あたかも幼い頃のエドにトリシャがそう言っていたように…。
余談だが、キャラクターデザイン担当の伊藤嘉之氏によれば、スロウスの衣装はウエディングドレスをモチーフにしたとの事である。
DVD特典の4コマ漫画では、スロウス(ジュリエット)の身体の水で沸かしたお湯でカップラーメンを食べたエドが「おふくろの味」と涙を流したり、エドとアル、ホーエンハイムに素行の悪さを怒鳴りつけて「おかん最強」と言わしめた。