プリンセスメーカーシリーズの第4作目。本作ではシリーズの生みの親の赤井孝美氏は監修という立場になっている。
シリーズについての概要は「プリンセスメーカー」参照のこと 。
過去3作品との変更点は…
・キャラクターデザインが天広直人になった。発表時は氏の関わったシスタープリンセスと絡めてネタにされることもあった。次回作の5では赤井孝美がデザインに復帰したためナンバリングではこの作品だけの特徴。
・娘以外にも時間が流れるようになった。ライバルたちも時が経つにつれ姿がどんどん変わっていく。
・休日の過ごし方におでかけコマンドの追加:簡易ADVが行える。本作におけるシステム上の最大の特徴で、ストーリーを辿るには重要な要素。無視して成人させることは可能であるが、詳しい世界情勢や娘の本当の両親に関わる事など、ストーリー上の重大な情報はここでしか得られない。2の武者修行に並んで奥が深く、このような要素がなかった前作と比較して「面白い」といわれる。
概要
2005年にプレイステーション2版発売。
その後内容を追加したWindows版、PSP版、さらに内容を追加したニンテンドーDS版が発売された。
2019年12月現在Steamで唯一発売されていないナンバリングであるため、シリーズの中ではプレイするための環境構築の難易度が比較的高い作品になっている。徹頭徹尾楽しみたいのであればPSP版の「ポータブル」を買うのが最良の選択肢だと思われる。(DS版はシステムセーブデータを消去できないという仕様で、一から楽しみたいのであれば中古がやりこまれていないものであることを祈るかプレミア価格と化した新品を買うほかない。追加されたシナリオも「まるでエロゲーのようだ」と賛否分かれる)
キャラクターデザインが変わったことによる弊害なのか、娘の変化が比較的少なく「物足りない」という声が少なくなかった。特に以前は毎年行われていた成長による変化は13歳、16歳の二回しか起こらない。
また生みの親が深く関われなかった為かこれまでのシリーズと比べるといくつかもの足りない部分があり、特に2以降シリーズ恒例であった「成人した娘からのメッセージ」が一部のエンディング以外存在しない。これらの不足点のため、過去作のプレイヤーからは不満が出ていた。
一方でこれまでのシリーズと違い世界観やその情勢が重要な要素となっておりその辺りの評価は高い。前作ではなかった執事嫁エンドがきっちり搭載されたことにほっとしたファンも。
独自システムが賛否両論だったゆめみる妖精と違い、シリーズの基盤である2を意識したシステムであるため馴染みのシステムで周回もしやすい。また親友と仲良くなって条件を満たす事で発生するエンディングは評価が高く、唯一無二であるため軽い少女同士の絡みに興味がある人は是非。
(前述の環境の問題さえ解決すれば)シリーズの中ではプリメの初心者に向いている作品だろう。
あらすじ
魔法が発展を遂げ、魔法による産業革命を迎えていた中世の世界。重要な資源「魔法石」を巡り魔族と人間の争いが続いていたとある王国。ある日イザベルという女性が単身魔王の元へたどり着き、戦争を休戦へと導いた。しかしその代償なのか、イザベルもまた人々の前から姿を消した。
王はその捜索に多くの冒険者を動員し、10年の歳月をかけた末に一人の青年が彼女を見つけ出した。だがイザベルはもう人間の世界に戻ることはできないと告げ、青年に一人の少女とある願いを託した。
「どうかこの子に、人間としての幸せをつかませてあげて」
残された青年はその願いを叶えるべく、娘との新たな生活を歩み始めた…。
今回のプリンセスメーカーはこの魔族との対立が娘に大きく影響してくる。その気になればお出かけでこの情勢について進展させることもできる。
彼女が世界情勢に関わるエンディング(将軍や大臣、魔王など)を迎えた場合、スタッフロール後にその後の世界の情勢が描写される。
因みに他作品では滅多に出てこない父親の心の声が結構な頻度で描写される。「魔法が気に食わない」など独自の設定があるため、父親に自分を投影するようなプレイヤーからは賛否分かれた。
娘
CV:水樹奈々
CDドラマ版の名前はパトリシア・ハイウェル。
父親(プレイヤー)の冒険仲間であったイザベルの娘。
何かしら困ったことがあると「あうう~」と言う癖がありこれは成長しても変わらない。
父親の呼び名は10~12が「パパ」13~15が「お父さん」16~18が「お父様」。
何気にシリーズ唯一父親の事をパパ呼びする娘である。
これまでの娘と違い、ある一筋縄ではいかない事情が存在し、以前のシリーズであればグッドエンドのはずのあるエンディングの場合はシリーズ屈指の鬱展開になってしまう。しかしWin版以降の「真の英雄」ルートでは…?
余談
本作はシリーズの中でも特に声優陣が特に豪華な作品。
一例をあげると…
と、2020年現在でも第一線で活躍する声優が勢ぞろいしている(川澄女史についてはぷちぷり*ユーシィにも出演していた縁がある)。尤も5も有名声優が多く参加していたが。
逆に執事「キューブ」はぷちぷり*ユーシィや旧作リファイン版で担当していたサエキトモ女史であることに安心感を覚える人も。
関連イラスト
関連タグ
プリンセスメーカーQ:実は2001年頃にはシリーズの生みの親である赤井氏が直接手掛ける4が開発されており、赤井氏の体調不良が無ければこの「Q」はそのプロローグになる外伝作になるはずだった。現代社会が舞台だったとか。
娘のデザインも大きく違っている。pixivではこの子もよく描かれる。この娘は「闇の王家」の「最後の一人」という、世に出た4や5を折衷した設定を持っていた。事実5の公式ガイドブックのインタビューではこの娘の設定を引き継いだのが5の娘であることが明言されている。…残念ながら現在シリーズの中でもQは特に入手の難しい作品となっている。