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加瀬風靡

かせふうび

加瀬風靡(かせ・ふうび)とは、「探偵はもう、死んでいる。」の登場人物
目次 [非表示]

「本物の正義がなんなのか。アタシは今回の答えで満足せず、また何度でも問い直す。」


CV:渕上舞

概要

よく事件で本作の主人公である君塚君彦と関わる紅髪、長髪の警察官。彼のせいで事件に何度も巻き込まれているため、彼を「クソガキ」と呼んで(忌み嫌って?) いる。5,6年前の階級は巡査であったが、物語開始時の階級は警部補となっておりかなり出世しているようである。


女っ気のない、姉御然とした性格。ことあるごとに「禁煙する」と言っているが禁煙が続いたことはなく、いつもたばこを吸っているヘビースモーカーでもある。


君塚に拳銃を突き付けたり、軍用ヘリを持ち出したり、船を燃やしたり、出張でロンドンに一時滞在したり、《SPES》の親玉であるシードのことも知っているなど本当に日本の一警察官とは思えない言動が見られる。

それでいて、ことあるごとに「上に行きたい」と発言している。



以下ネタバレ


ここからは原作小説のネタバレを含みます。TVアニメ「探偵はもう、死んでいる。Season1」で語られていない内容も含むため、原作小説を最新巻まで読んでからこちらの記事を読むことをお勧めします。


彼女の正義



ここからは原作小説3巻までの内容を含みます。


















《シエスタ》の隠れ家でシャルと君塚の戦いが引き分けに終わったのち、2人のもとに突如現れ、自分が斎川唯の暗殺の命を出したことを君塚に明かす。そして、斎川唯の暗殺に失敗したシャーロット・有坂・アンダーソンを殴り飛ばす。そして君塚の、シャルを従えさらには斎川の暗殺を陰で指示していた加瀬風靡という人物はいったい何者なのかという疑問に対して、風靡は

《暗殺者》だ

と答える。彼女もシエスタらと同じく《調律者》の一員だった。

そうして、君塚を一撃でKOし、シャルとともに逃げた斎川を追撃する。


シャルは《シエスタ》との戦いの中で自らの意思を持った。そして《シエスタ》と和解しようと胸に抱きつこうとした瞬間、彼女の胸に飛び込んだのは一発の弾丸だった。風靡が放った弾丸によって《シエスタ》は重症を負う。

そして、君塚と2人で《暗殺者》に立ち向かうも、君塚はすぐにKOされてしまう。そしてそいつはさらに「シエスタの遺産」についてこう推理した。

「シードはシエスタとヘルを器として見出したが、それに気づいたシエスタは自らの命を差し出すことでその権利を消失させた。《名探偵》は世界を守るためなら自己犠牲を厭わない、さらに、シエスタは君塚・夏凪・斎川・シャルが遺産であると述べた。それはつまり、四人に対して、世界を守るために自己犠牲をしろ」と。

さらに、夏凪渚ではなく、シャーロットがその遺志を継いで《名探偵》になれとさらに述べる。

そんな説得に対してシャルは、

ワタシは別に、名探偵に憧れていたわけじゃない

ワタシは、シエスタという一人の美しくて強い女性に憧れてたんだ!

と宣言する。

そう言って、《暗殺者》に切りかかるが《暗殺者》はそれを軽い身のこなしでかわし、シャルに銃口を突きつけてとどめをさそうとする。しかし、その瞬間一発の弾丸が《暗殺者》の持っていた銃を弾き飛ばした、シエスタの七つ道具の1つであるマスケット銃を握った夏凪渚の放った弾丸が。戦闘機に乗った斎川と夏凪が戻ってきたのだ。

それでも、《暗殺者》は自身の任務を達成するべく、一本のサバイバルナイフでサーベルを持ったシャルを攻撃する。圧倒的な実力差でシャルはすぐに防戦一方となり、さらにそのサーベルを折られるも、夏凪の援護射撃が襲う。

それを見た《暗殺者》はその身一つで戦闘機を撃墜させる。撃墜した戦闘機から降りてくる2人に注目していた《暗殺者》であったが、シャルが《シエスタ》の持っていたナイフを用いて攻撃をする。足を一本潰したものの再びシャルが敗北する。そんなみんなの力を合わせた方法で勝とうとする3人に対して、

——この期に及んで、お仲間ごっこか? くだらんな

と吐き捨てる。さらに、

仲間、絆、友情、想い、愛、繋がり、縁——遺志。それが、世界の何に役立つ?

斎川唯——お前が死ねば世界は救われる。シャーロット・有坂・アンダーソン——お前が斎川唯を殺せば世界は救われる。夏凪渚——お前がかつての名探偵のように強ければ世界は救われる。なのになぜそうしない? できない? そうか、できないのか。だったら——ッ!

それができないなら! 無力だというなら……! せめてものそれを恥じる心を持ち、世界を救おうと戦うものの足を引っ張るな……ッ!

それが彼女の本音で彼女の正義だった。


しかし、夏凪渚はそんな正義を否定した。誰かが犠牲になる正義を。

そしてそれを聞いた《暗殺者》は

「最後に立っていたものだけが勝者だ。」

そう言葉を残し、夏凪渚ら3人を仕留めるため地面を蹴る。姿も見えないほどの動きであったが、突如夏凪渚の紅い目が光る。

加瀬風靡、あんたはそこから一歩も動くことができない

夏凪渚の《紅い目》による洗脳が発動した。しかし、加瀬風靡はそれでは止まろうとせず、少しずつ洗脳を破って夏凪渚を仕留めようとする。

「お前らごとき、たった三人だけでアタシを止められると……」

彼女は気づいたのだ。君塚君彦がどこにもいないことに。そして彼女はさらに気づく、君塚君彦がカメレオンの種を飲んだことに。そうして、洗脳で動けない加瀬風靡のもとに近づき、君塚は自身の最愛の相棒の正義を捻じ曲げた正義の味方を殴り飛ばしたのだった。



一時休戦


ここからは原作小説4巻までの内容を含みます。


加瀬風靡と和解した君塚らは翌朝、彼女のマンションに呼ばれていた。そこで、夏凪は誰も死なせずに《SPES》を倒すと宣言する。それに対して、風靡は10日間の猶予を与え、それまでに、シードを確実に討伐できることを証明できれば斎川唯を殺さないとした。それを聞いた君塚はロンドンのアパートにシードに関する情報があると考え、夏凪とともにロンドンに旅立つこととなる。そしてシャルは風靡からの仕事をこなすこととなった。残る斎川は乱入したコウモリが面倒を見ることとなった。またこのとき、風靡がコウモリを斎川の監視役とするために仮出所させたことも明らかになった。さらに、「シエスタを生き返らせる」という君塚の禁忌を叶えさせるため、この世界のすべての未来を知っているという《調律者》の1人、《巫女》がロンドンにいるという情報を明かした。




正体


警察官は表の顔で、裏の顔はシエスタミア・ウィットロックスカーレットと同じ《調律者》であり、役職は《暗殺者》。身を隠し、世を欺き、敵を殺す。それが彼女の使命。


シエスタは自身の死亡後もシャーロット・有坂・アンダーソンを守るために、同じ《調律者》である加瀬風靡のもとに異動させた。そのためシャーロット・有坂・アンダーソンの上司でもある。

上述の言動はすべて彼女が《調律者》であるために可能となったことでもあった。


またのちに、ブルーノ・ベルモンドによって《調律者》に勧誘されたことが明らかとなった。


能力


甘さを拭い、迷いを捨て、殺意を磨き、今この一瞬だけでも敵を上回ろうとする強い《意志》を持つことで《暗殺者》として必要な「異常な強さ」を手に入れた。純粋な戦闘力では作中で1、2を争うレベルである。


また、彼女はシャーロット・有坂・アンダーソン以外にも何人かの弟子をこれまで育ててきたが、誰も彼女から認められたことはないらしい。


投獄と脱獄


ここからは原作小説7巻までの内容を含みます。

世界を揺るがす最悪の危機である《大災厄》が解決したのち、《世界の危機》が発生しなくなったことで、《調律者》は解体された。《調律者》という後ろ盾がなくなったことで、これまで《暗殺者》として自らの手を闇に染めた彼女は《連邦政府》高官を1人殺害した国家反逆罪で投獄された。(彼女が本当に高官を殺害したかは不明である) そんな彼女のもとに20歳となった君塚はシエスタとともに会いに行く。彼らは《連邦政府》高官が次々に殺害されているという《未知の危機》解決のため、加瀬風靡のもとを訪れた。そこで大した情報は得られず、2人は帰ろうとするが、とある事件が発生する。


その事件は君塚とシエスタそして夏凪によって解決され、《未知の危機》に関する1つの結論にたどり着いた。その後、3人は《聖還の儀》に参加するべく、フランスへと旅立つ。


そのタイミングで加瀬風靡は脱獄していた。上述の事件の影響で刑務所の設備が機能しなくなっていたために加瀬風靡は別の刑務所に移されることとなったのだが、移動中、ガスマスクの男たちにその車は襲われ、気づくと加瀬風靡はいなくなっていた。加瀬風靡は《情報屋》ブルーノ・ベルモンドが脱獄の手引きを受けていた。そして、彼女もブルーノの考えに賛同して《連邦政府》に反旗を翻した。

脱獄後の彼女の動きはこのページの6-7を参照。



《暗殺者》の「敵」

ここからは原作小説9巻までの内容を含みます。

《聖還の儀》の事件をきっかけに人類の記憶に異変が生じているということにたどり着いた君塚らは過去の検証を開始する。その中で、《暗殺者》加瀬風靡に関する物語もいくつか存在した。


シードが《名探偵》らによって倒されて約4か月後、《調律者》として加瀬風靡は正義を執行していた。そんな中、一度《世界の敵》から外されていた七大罪の魔人が再び《世界の敵》に認定され、その討伐にリローデットが任命される。従来、《調律者》同士が互いの仕事を手伝うことは《連邦憲章》により禁じられていたが、彼女は魔人の討伐に力を貸していた。

《魔法少女》リローデットらの活躍により、魔人は倒されたが彼らの出自は不明であった。



さらに約3か月後、夏凪と君塚は刑務所を訪れていた。そこで、風靡、そして大神から《七大罪の魔人》の話を聞く。大神はあの魔人には《怪盗》アルセーヌが絡んでいると見ており、風靡も同意見であった。そして、風靡は現在の《暗殺者》のターゲットが世界最悪の犯罪者アベル・A・シェーンベルクであることを明かす。そのため、先述のように、魔人との戦いに参加していたのだった。また、アベルは何らかの方法で赤の他人に犯罪を実行させているという。それに似た経験を君塚はしていた。昨年の夏に出会った《怪盗》アルセーヌである。そして風靡はある1つの仮説を語る。

正義の味方であるはずの《調律者》の1人、《怪盗》アルセーヌが世界最悪の犯罪者アベル・A・シェーンベルクと同一人物であると。


さらにその3か月後、《発明家》スティーブン・ブルーフィールドらによる魔人の解析結果が風靡のもとにも届いた。それによれば、魔人の肉体からは現状この世のものとは思えない物質が出てきたとのこと。《怪盗》アルセーヌはあらゆるものを盗み、盗まれた人はその事実にすら気づかないということから、その物質も概念ごとアルセーヌに盗まれたのではないかという仮説が浮上する。そしてこの情報を君塚にも共有する、たとえ風靡がその記憶を奪われたとしても、誰かが覚えているように、物語の中心にいる君塚に。


婚約者?との再会

ここからは原作小説10巻までの内容を含みます。

1か月後、君塚と夏凪は《連邦会議》に出席するためロンドンを訪れる。その会議には《暗殺者》も当然参加するはずだったが、彼女は参加していなかった。その会議の日の夜、君塚はシャルに売り飛ばされて、人身売買組織に誘拐されていた。車でどこかに連れられていると、突如何者かが車に向かってとびかかり、車はブレーキを切り損ね外壁に激突していた。そして、その人物に抱えられて、車外へと出ていた。その人物とは紅髪の女刑事、加瀬風靡であった。《連邦会議》に欠席していた風靡がどうしてここにいるのかという当然の疑問に対して、敵の裏をかくために、《連邦会議》をドタキャンしたとのこと。そんな話をしていると、君塚を誘拐したヤギ頭が再び君塚を取り返すべく襲い掛かってくる。その戦いの中で風靡は爆風をもろに食らうが、生きており、ヤギ頭に手痛い一撃を入れる。何とかヤギ頭は立ち上がるも、第三者が現れその人物がヤギ頭を組み伏せて、気絶させた。その人物はライアン・ホワイト、インタポール所属で、加瀬風靡の幼馴染で自称?婚約者であった。


本物の悪と揺らぐ正義


後日、風靡はシエスタの病室を訪れる。そこで君塚にアベルが《暗号》のようなものを使い他人を操っていると説明する。

その後、夏凪の発言からアベルの狙いが《虚空暦録》に至る地図、そして《虚空暦録》そのものであるということに気づく。そのため風靡らは《虚空暦録》に至る地図をアベルより先に回収することを目的に動くこととなった。その地図を回収するため、世界各国を飛び回っていた風靡らであったが、風靡が欧州へ言っているときに突如アベルが日本に出現、「正義勢力」が戦いを挑むも、敗北してしまう。そして、ライアンはアベル襲来を聞いたのち連絡が途絶え、大神は大怪我をおって、君塚は《喪失のコード》によって動けなくなってしまう。それを見た風靡は男たちに守られた形となった夏凪、シャル、あるいは自分に向けて

ここから先はアタシ達の番だ

と言いアベルを討つことを決意する。


それから1週間後、風靡はロンドンへとやってきていた。そこで、君塚君彦を誘拐したゴートから話を聞く、自分が立てた仮説が正しいかを検証するために。その仮説とは、《ネバーランド計画》と《連邦会議》、シャルとの再会と裏切り、風靡/ライアンに救われ、アベルを捕まえるため一役買い、その最中にアベルと遭遇、結果アベルにより《喪失のコード》を与えられる、これらすべてがアベルの用意したシナリオで《特異点》を嵌めたのではないかというものだった。話を聞いた風靡は仮説を確信へと変えたのだった。


2週間後、風靡は《情報屋》ブルーノ・ベルモンドのもとを訪れた。そこで、何か特別な情報を聞き出したわけではなかったが、「正義」に関する話を聞き己がすべきことを成し遂げる決意を固める。


正義と意志


数週間後、風靡は《虚空暦録》が眠る空間へとやってきていた。彼女は《ネバーランド計画》の前から《虚空暦録》の地図のデータを集め、最近それがある程度集め終わり、《革命家》妖華姫にそれを共有することで解析をしてもらい、この場所へやってきたとのこと。そこで連絡が途絶えていたライアンと再会する。そこでライアンと話を交わすうちに、「ライアンがアベルと手を組んでいる」という真相にたどり着く。ライアンは集めた6人をプレイヤーとして《虚空暦録》の地図データを回収させた。そして、アベルが襲来するタイミングで万が一が無いように、風靡を遠ざけた。そして、地図のデータをアベルに横流しして、アベルにこの場所へと連れてこられた、これが真相だった。ライアンは風靡に自身の計画に協力するよう申し出るも風靡は拒否し、2人の戦闘が始まる。戦闘の中でお互いの思いがぶつかり合う。この世は矛盾だらけである。それに対してライアンは世界を新たに作り替えようとして、風靡はそんな矛盾だらけの世界でも守ろうとした。幼馴染として15年ほど同じ境遇で育った2人だったが、何が2人の意見を変えたのか。それは1人のおかしな女だった。ソイツから風靡は正義に関する答え、あるいは《調律者》としてなすべき答えを得る。

上から世界地図を見下ろすんじゃない。アタシ達は隣人の明日を守るために、地図の中で戦い続ければならない!

答えを得た風靡であったが、《虚空暦録》の力あるいは《暗号》の力によって拘束され、ライアンにとどめをさされようとしていた。

しかし、そこに「おかしな女」に影響を受けたもう1人の探偵が現れる。彼女の名は夏凪渚。そして《意志》の力がすべての場所で《激情》を抱く彼女は紅い宝剣でライアンを撃破した。


そんな夏凪の雄姿を見て、風靡は

「強くなったな」

と《暗殺者》が《名探偵》に救われたことを認めた。

その後、君塚とシャーロットがアカシックレコードを破壊したことで意識だけでそこに来ていた夏凪は消滅する。そうして、その場所には2人が残る。


しかし、その後、加瀬風靡は行方不明となる。


1年後、彼女は生きているためどうにかして脱出には成功しているはずだが、どのように脱出したのかは不明。



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