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時計館の殺人

とけいかんのさつじん

『時計館の殺人』とは綾辻行人作の推理小説。またはそれを元にした谷山浩子の楽曲。
目次 [非表示]

女神は沈黙の獄舎につながれている。


1.綾辻行人の推理小説。館シリーズ第5弾。

2.1を元に作られた谷山浩子の楽曲。作詞は綾辻行人。作曲・歌唱は谷山浩子。


1の概要

館シリーズ第5作。1992年度 第45回日本推理作家協会賞長編部門受賞作


そのため「日本推理作家協会賞受賞作品全集」にて独立して書籍化もされている。


だからといって安易に「迷路館の殺人」より先に読むとしっかりネタバレを喰らう事になるが、逆にそれで衝撃を受けたとの声も


十角館の殺人」に登場した江南孝明が再登場。以降、鹿谷のバディとなる。



あらすじ


少女の幽霊が出ると噂される、針のない時計塔の建つ鎌倉の時計館。

108の時計が収められたこの時計館へとオカルト雑誌『CHAOS』(ケイオス)の新米編集者・江南孝明は同誌のスタッフ、霊能者・光明寺美琴、W**大学の超常現象研究会のメンバーらと共に泊まり込みで取材へと赴く事となるが、そこは十角館で起きた事件で因縁浅からぬ、あの中村青司が設計した館だった。

十角館の事件で江南と知り合った駆け出しの推理作家・鹿谷門実も遅れて時計館へと向かうが、取材班の泊まり込む旧館では凄惨な殺人事件が幕をあけるのであった……。


登場人物

新館側・部外者

  • 鹿谷 門実(ししや かどみ)

九州にある寺の三男。駆け出しの推理作家で十角館の事件で知り合った江南の友人。早い話が島田潔。十角館の事件以来、中村青司の館への関心は並々ならぬものがあり、江南たちの取材開始後自らも時計館に訪れる。終盤、「今日の一本」の禁を破ることとなる。

ちなみにあの「三つ首の鶴」が登場するのは本作である。

  • 福西 涼太(ふくにし りょうた)

W**大学3年生で超常現象研究会会員。親戚の不幸で急遽取材に参加できなくなったが、時計館には遅れて訪れ鹿谷と出会う。



旧館側・取材チーム

  • 江南 孝明(かわみなみ たかあき)

稀譚社が発行する雑誌『CHAOS』の新米編集者。鹿谷門実とは「十角館」事件で知り合って以来の友人。

  • 小早川 茂郎(こばやかわ しげお)

同副編集長。今回の企画の発案者で取材班リーダー。

  • 内海 篤志(うつみ あつし)同社写真部のカメラマン。
  • 光明寺 美琴(こうみょうじ みこと)

霊能者。鹿谷門実の住んでいるマンションの隣人。実は小早川の愛人。泊まり込み開始から早々に姿を消すが……?

  • 瓜生 民佐男(うりゅう みさお)

W**大学3年生で超常現象研究会会長。博識で取材チームではイニシアチブを取る。その姿に江南は学生時代に在籍していた推理小説研究会のメンバー・エラリイをダブらせる。

  • 樫 早希子(かたぎ さきこ)

同会員。

  • 河原崎 潤一(かわらざき じゅんいち)

同。

瓜生、樫、河原崎、福西の4人は、W**大学の附属中学の受験時からの幼馴染である。十年前、時計館を訪れたことがあるようだが……

  • 新見 こずえ(にいみ こずえ)

同。学年は2年。急に来られなくなった福西の代役。

渡辺 涼介(わたなべ りょうすけ)

同。学年は2年。今回の企画を大学のサークルに持ち込んだ人物。


時計館関係者

  • 古峨 倫典(こが みちのり)

時計館の先代当主。時計メーカー・古峨精計社の前会長。故人。永遠の死後、謎めいた詩を遺す。(項目冒頭はその一部)

  • 古峨 時代(こが ときよ)

倫典の妻で永遠の母。故人。

  • 古峨 永遠(こが とわ)

倫典と時代の娘。故人。時計館に現れるのは彼女の霊であると噂されている。病弱で長く生きられないとされていながらも母・時代のようにウェディングドレスを着た美しい花嫁となる事を夢見ていたが……

  • 古峨 由季弥(こが ゆきや)

倫典の息子。時計館現当主。元々は倫典の従弟の息子だったが、両親が亡くなったため養子となった。永遠を護るように言い含められていたのだが、彼女が亡くなってから紗代子曰く「"夢の世界"で生きている」。

  • 伊波 紗代子(いなみ さよこ)

時計館の現在の管理責任者。日本に来られない輝美の代わりも務めている。耳を悪くして補聴器をつけているのか、イヤホンをしきりにいじる。

  • 野之宮 泰斉(ののみや やすひと)

倫典が信頼を置いていた占い師。時代や永遠の死期を当てている。現在は時計館に住んでいる。取材チームに、破滅の相が見えるとして帰るよう警告する。更に甦った倫典の霊を見たとまで口にしている……

  • 田所 嘉明(たどころ よしあき)

時計館の使用人。昼だけ通いで働いている。主に紗代子が困難な力仕事を任されている

  • 足立 輝美(あだち てるみ)

倫典の妹。由季弥の後見人。現在は夫の仕事の都合でオーストラリアに住んでいる。

  • 馬渕 長平(まぶち ちょうへい)

倫典の友人。現在は鎌倉市内の老人ホームに入居している。


  • 馬渕 智(まぶち さとる)

長平の息子。永遠の許嫁であった。故人

  • 伊波 裕作(いなみ ゆうさく)

時計館の使用人。紗代子の夫。故人。

  • 伊波 今日子(いなみ きょうこ)

裕作・紗代子の娘。故人。

  • 寺井 明江(てらい あきえ)

看護師。長谷川の紹介で永遠の看護のため雇われていた。故人。

  • 寺井 光江(てらい みつえ)

明江の妹。一時期古峨家に使用人として雇われていた。

  • 長谷川 俊政(はせがわ としまさ)

古峨家の主治医。故人。

  • 服部 郁夫(はっとり いくお)

倫典の部下。倫典から信頼されていた。故人。

『ナイトメア・プロジェクトYAKATA』での時計館

館シリーズを原作とするRPGであるこの作品の主人公は由季弥がモデルとなった古我ユキヤ(CV:石田彰、下の名前のみ変更可能)。

また、ゲーム独自要素として彼の飼い犬・へろへろが仲間となる。(改名可能。この名前は綾辻氏がRPGをする際によく付ける名前との事)


時計館での登場モンスターは主に古代の絶滅動物がモチーフとなっている。

悪夢の具現化した時計館にてユキヤは父と、そして最愛の姉と戦うこととなる。

倫典の読みは原作では「みちのり」なのだが、ゲームでは「りんてん」となっている。


水車館では手に入った歯車を3回連続で「叩き壊す」を選択すると悪夢の結晶Zが手に入ったのだが、この時計館で砂時計を「叩き壊す」を選択するとGAME OVERになるという、ヒドいトラップが存在する。


原作で永遠が過ごしていたのは「振り子の部屋」だったのだが、ゲームでは「振り子の」の最上階に変更され、移動手段は階段しか無い。

したがって、病弱の少女がエレベーターもない塔の階段を日常的に昇降させられていた事になるのだが、完成段階になるまで綾辻氏を含めスタッフの誰一人としてこの違和感に気がつかなかったという

そのため、永遠の命を縮めたのはこの塔を昇降させられていたせいではないかとまことしやかに語られている。




2の概要

1つの時計は壊れて動かない 1つの時計は狂って止まらない


(動画一曲目)

アルバム『歪んだ王国』収録。

作詞:綾辻行人 作曲:谷山浩子 編曲:斎藤ネコ


人並みの恋そして花嫁となる事を夢見ながらも果たせなかった永遠を思わせるような歌詞。

「逆さまの時計」という、谷山浩子の代表曲「まっくら森の歌」を思わせるフレーズもあるが、この部分は綾辻氏ではなく谷山氏が考えたとか。

参考:

https://twitter.com/taniyama_/status/1462034720003215360


余談

  • 登場人物一覧の時点で故人が多いが、事件の被害者数はかの「殺人鬼Ⅱ 逆襲篇」をも上回る。
  • 古峨倫典の名前はアコースティック・ギタリストの岡崎倫典氏が元となっている。氏は楽曲の方の「時計館の殺人」にアコギ担当として参加している。また『ナイトメア・プロジェクトYAKATA』の時計館BGMはアコースティック・ギターが中心となって作曲されている。
  • 鹿谷考案として登場する「三つ首の鶴」は、嘘偽り無く実在しない作中オリジナルの折り紙だったのだが、後日折紙作家の前川淳氏から綾辻氏の元へ実物が送られてきた。
    • 作中、『迷路館の殺人』に折り紙作品・悪魔(5本指)を登場させたところ、その考案者から悪魔(7本指)の折り方を手紙で教わったと鹿谷が江南に語るが、その考案者とは前川氏の事である。
  • コミカライズ版『十角館の殺人』では中村青司の関わった建築物のイメージとして、本作の「針のない時計塔」が描かれている。
  • 1992年度 第45回日本推理作家協会賞長編部門受賞作はもう1作あり、宮部みゆき氏の『龍は眠る』なのだが、奇しくも両氏の生年月日は同じである。
  • 「時計館の殺人」が収録されたアルバム『歪んだ王国』に綾辻氏は他にも「気づかれてはいけない」の作詞、「王国」のサイドボーカルとして参加しているが、「HATO TO MAGI」の13回鳴る時計の音として古峨精計社の名前がクレジットされている。
    • この楽曲は次作アルバム『天空歌集』収録の「マギー」の前フリだが、歌は楠桂氏の漫画「楠劇場」のイメージアルバムへの提供曲。

関連タグ

綾辻行人

谷山浩子

悲しみの時計少女:アルバム『歪んだ王国』収録の楽曲、及びそれの元となった谷山浩子の小説。小説版の「鎌倉の時計屋敷を尋ねる」という共通項から兄妹作品と語られる。同作の帯は綾辻氏による「この作品はまぎれもなく第一級のミステリー(推理小説)でもある」という献辞が付されている。

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