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SCP-1609

えすしーぴーいちろくぜろきゅう

SCP-1609とは、怪奇創作サイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクト(怪異)の一つ。
目次 [非表示]

概要


アイテム番号:SCP-1609

オブジェクトクラス:Euclid



SCP財団が管理するSCPオブジェクトの一つ。通称「椅子の残骸」。

大小様々な大きさの木材片(材質はオーク材)、鋼の、そして漂白されたなどで構成されている「残骸」。テレポーテーション能力を有しており、ある条件が揃った時にその能力を発揮して移動したり、時には周囲に人間を攻撃するという危険な性質を持つ。その攻撃の性質上、ターゲットとして狙われるとまず助からない。


椅子の残骸」と呼ばれているように、元々は上述した素材で作られた、人間を模ったような独特な意匠の「椅子」だった。勿論ただの椅子ではない。これまた上述したテレポーテーション能力を持っているSCPオブジェクトそのものだったのである。ただし、現在のように攻撃的な性質ではなく、むしろ疲労を感じている人間の近くにワープし、自分に座らせる事で休息を与えるという友好的なオブジェクトだった。当初は。


その存在を知った財団はいつものように確保に向かおうとしたが、その財団の動きに先んじて行動を起こした組織があった。SCPオブジェクトの徹底的な破壊を理念とする世界オカルト連合(GOC)である。不幸にも椅子は財団より先にGOCの手に渡ってしまい、彼らの理念によって木材破砕機に投げ込まれてしまったのだ。

結果として現在のような無残な姿となってしまった椅子だが、問題はここから。残骸と化しても「椅子」の異常性そのものは失われなかった。自らをこんな目に合わせたGOCに対して怒り狂った「椅子」は、自らの残骸の一部をその場に居合わせたGOCメンバーの体内に直接テレポートさせて殺害。以来「椅子」は一定の特徴を持つ人間やある種の刺激に対して過敏に反応し、前述したものと同様の手口で人間の殺害を図ろうとする暴力的な性格を持つ「SCP-1609」に変貌してしまったのだった。

なお、かつてGOCと接触していた人物が周囲に事実を知らせずに接近した場合であっても、何らかの方法でその事実を察して例外なく攻撃性を見せるため、「取り扱う人間」についても注意が必要。同時に過去も現在も問わずGOCとの何らかの繋がりを持った人間は、SCP-1609の収容サイトに入る事は禁止されている。


GOCの職員に似た服装、木材破砕機を連想させるらしいモーター音、そして残骸と化した自分に危害を加えるかのような言動や装備が現在の異常性のトリガーとなっている。また、この一件がトラウマになっているのか、財団に確保されてからは外界との接触を極力避けている。過去に何度か収容違反を起こした(脱走した)ケースもあるが、最終的には自らテレポートで再収容されるために帰ってきた。今の彼(?)にとっては余程外界は怖いものらしい。かわいそうに……。


現在は財団の保管サイト-08の花壇に収容(?)され、マルチング材として扱われている。花壇(特にマルチング材=SCP-1609)を褒めてやれば、いきなり攻撃されるケースは少ない。また、前述したように外界との接触を避けようとするため、何らかの理由でその場から引き離す必要がある場合はSCP-1609にその説明を行い、納得してもらわなければならない。説得できていないとテレポートですぐに戻ってきてしまうし、無理やり引き離そうとすると最悪の場合殺されてしまう。


余談

このオブジェクトに関する一連の事件とオブジェクトの現状を受けて、財団のシーバート博士はGOCを扱き下ろすような文言を含んだコメントを残している。


確かにSCPオブジェクトを含む異常存在に対して破壊一辺倒のコンタクトを取るGOCに問題が無いとは言えないし、SCP-2002に関する事件などはGOCの破壊活動によってSCP-1609の一件以上に深刻な事態に陥っている。しかし、GOCの破壊活動によって事態が好転したケースも全く無いわけではない。また、財団は財団で「確保・収容・保護」の理念を掲げているが、その理念に固執するあまり事態が悪い方向へ転がってしまうケースもあり、そんな財団でさえ理念をかなぐり捨てて破壊計画を進めようとしている危険なオブジェクトが存在しているのも事実である。

結局のところ、どちらの意見も体制も、それだけなら絶対的に正しい・悪いという事はないと言える。それに両組織は本当に最悪の事態であれば、互いに共同戦線を張る場合もある。どちらもこの世の異常存在のエキスパートである事に変わりはないのだ。


ただ、第四の壁の外側から事態を眺める事しかできない我々からすれば「両方とももうちょっと柔軟性があってもいいんじゃないかな?」と思わない事も無い。


因みにSCP-978で撮影した際には、再び組み立てられた状態で撮影者が座っている写真が現像された。


関連タグ

SCP_Foundation

SCP-396 - 「椅子」のオブジェクト繋がり。こちらは敵対性はほとんど見せないが、また違った意味でのKeter級問題児である。実はSCP-1609とも多少なり繋がりがある。

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