概要
めぐみは男女の恋愛の機微には疎いキャラなのだが、イケメンを見て普通にカッコイイと憧れるくらいの俗っぽさはある。
OP映像ではめぐみがブルーを見て頬を染めている様子が見られ、2話でブルーと初対面したときには目の中がハートマークになってデレデレになるギャグ演出が一瞬挿入されていた。
このことから、恋愛感情に発展するのではないかと注目されていた。
本編の展開
13話
2話での出会いからしばらくの間二人に何の進展もなかったが、この回で大きく動くことになる。
二人はクロスミラールームを通し一緒にぴかり神社に出かける。そこでめぐみはブルーが時折悲しそうな目をすることを心配し、自分が力になれないかと問いかける。
そこにファントムが出現。めぐみはブルーを守るためキュアラブリーに変身するも歯が立たずあやうく封印されかけるが、キュアフォーチュンの参戦やブルーが盾になろうとしたことでファントムは撤退する。
その後、キュアフォーチュンから自分はキュアテンダーの妹で姉から力を受け継いだと聞きショックを受けるブルー。「全ての不幸の源は僕なのかもしれない」と落ち込むブルーを、キュアラブリーは「神様と会えてプリキュアになれたことを感謝している、自分たちが力になる」と励ます。その優しさに感極まったのか、ブルーは突然キュアラブリーを抱き寄せた。
「ありがとう……、君が居てくれて良かった。」
この時はただ茫然となっていただけで、翌14話冒頭でもめぐみはブルーを心配するだけで特に意識している様子は見られなかったが、ゆうこに「好きとか嫌いとかに興味を持った方が良い」と言われた際、ブルーに抱き寄せられたことを思い出し赤面するなど、ブルーに対する感情に言葉にできない微妙な変化が表れてる様子がうかがえる。
23話
ブルーとクイーンミラージュ、過去に何やら因縁のある二人は魔法の鏡を通じて対面する。
ブルーは「このまま世界に不幸を放ち続ければ、君自身が不幸に呑み込まれる」と説得するが、ミラージュは「愛、勇気、優しさ、幸せ、すべては幻だと教えたのはあなただ」と聞く耳もたない。そこにめぐみがブルーを守るようにして二人の間に割り込む。
「愛も勇気も優しさも幸せも幻なんかじゃない! みんな心の中にある。幸せハピネスなんだから!」
明らかに空気が読めない行動でもあったが、そのめぐみの様子にミラージュは何かを察したようで、「なーるほど…」と皮肉げに小さく笑った後、いきなり激怒。
「ブルーに力を与えていたのはお前ね! その大きな愛、目障りよ!」
とすさまじい悋気を見せ、幻影越しにめぐみを攻撃した。しかしブルーの力で間一髪転移。以前にもミラージュと会ったことが?というリボンの問いには「昔の知り合い」としか答えず、「だが今は敵だ」と幻影帝国を倒し世界を守ってほしいと改めてプリキュア達に頼んだ。
そのときは背中を向けて表情を見せなかったが、めぐみはブルーが辛そうにしているのを感じていた。
24話~25話
翌24話は海でプリキュア強化合宿回。ブルーは留守番するつもりだったが、みんなから誘われて結局ついていくことに。
その夜、部屋に一人でいたブルーをめぐみが呼びに行き、そのまま二人で星を眺める。綺麗な星空に見惚れるめぐみに、ブルーは皆の楽しそうな姿を見て元気をもらったとお礼を言う。やはり前話のミラージュとの邂逅はブルーにとってかなりのプレッシャーになっていたようだ。
ブルーの笑顔を見てめぐみは不思議な胸のトキメキを感じる。「あれ、なんだろう、なんか胸がドキドキする……」と思った瞬間、めぐみは足をふらつかせて倒れてしまった。昼の特訓で波をかぶった結果、熱を出してしまったのだ。ブルーはめぐみをお姫様抱っこしてめぐみの部屋まで送る。めぐみは緊張を隠せない様子。
なお、直前のブルーとめぐみのやりとりを知らずにこの場面「だけ」を見た場合、女子中学生をお持ち帰りした事案にしか見えないのでさんざんネタにされている。
そして、よりによって誠司がこの場面「だけ」を目撃してしまった。
続く25話では、熱で倒れためぐみをブルーが看病する。
ブルーがおかゆをフーフーしてあーんしてあげているところに、ひめとクラスメート達がやってくる。ブルーを見た彼女たちから「まさかめぐみの彼氏!?」と聞かれ、めぐみは慌てて真っ赤になりながら否定する。つい神様だと言ってしまうが、ブルーがひめの遠い親戚だと名乗りフォローする。
めぐみは、24話でブルーがごまかしていたミラージュとのことについて、何かあったのかブルーに問う。ブルーは「自分がかつてミラージュを傷つけてしまったことがきっかけで彼女は世界を憎悪するようになった」と今の世界の状況は自分にも責任があると告白する。そのうえでブルーは口では「なんとしても彼女を止め、この世界を守らなくては」というが、ブルーの複雑な心境を感じためぐみは
「神様、本当はミラージュと戦いたくないんじゃ…。そういう顔してたよ。」
「つらいことがあったら言ってね。話聞くことはできるから。」
と、ブルーを励ました。
幻影帝国も含め、皆が幸せになれたら良いという理想を語るめぐみに、ブルーも同調する。
ふいにブルーが「僕のことはこれからブルーと呼んでくれていいよ」と言い、めぐみは照れながらも「ブルー」と呼び、赤面する。
ちなみにこれは先程のクラスメートとのやり取りを踏まえた行動だと思われ、ブルーなりの気遣いであろう。だが、この後誠司からブルー呼びを言及された際にめぐみは若干照れた表情を見せている。めぐみにとっては特別なことだったのかもしれない。
27話
大使館に集まって夏休みの宿題をする中、ゆうこから好きな人はいないのか聞かれためぐみは、口ではいないと言いながらも、神社でのことを思い浮かべながら赤面して動揺する。それは恋する乙女の姿そのものであり、これを見たゆうこは「めぐみの好きな人はブルー」「だがまだ恋まではいってない」と把握した。
誠司もそのことに気付いているようで、めぐみの件でブルーと二人きりで話がしたいと言う。
「俺は、めぐみのことを家族と同じくらい大切に思ってる。神様はどうなんだ」
「もちろん大切だよ」
「一番大切か?」
「大切なものに、一番も二番もないよ」
「じゃあ、女の中では一番か!」
かなりストレートな詰問をされるが、ブルーは
「誠司くん、君は本当にめぐみのことを大切に思ってるんだね。かつて僕にもそういう人がいた。でも今はこの星に生きるものすべてを大切に思っている。神様だからね」
と、めぐみだけに特別な感情を抱かないという自身の立場を告げる。また、この時ミラージュのかつての姿を思い浮かべている。
29話
ブルーはシャイニングメイクドレッサーでクイーンミラージュを倒すことを決意し、他のメンバーも賛成するが、ブルーの本心に感づいているめぐみは反対する。
「ダメだよ! ダメだよ、クイーンミラージュを倒すなんて! だってブルーは……! …本当はミラージュと戦いたくないんだから」
最初は威勢がいいものの、最後は自分でも躊躇するかのように小声でつぶやき、俯く。その姿にブルーは「神としてこの世界に災いをもたらすものは倒さないとならない」と逆にめぐみを説得。しかしめぐみはそれはブルーの本心ではないはずと聞く耳を持たない。
「ミラージュを倒して本当にブルーは幸せになれるの? わたしはみんなで幸せになりたい。誰かが不幸なまま私だけ幸せになりたくないの。だからブルーにも幸せになって欲しい」
自分のほのかな恋心を押し殺してでも、本当に相手の幸せを願うめぐみの言葉は純粋無垢だが、妹を助けるために犠牲になった姉を持ついおなは「みんなで幸せ」を軽い気持ちで口にするめぐみについカッとなり、口論となる。この世界の「幸福な日常」はキュアテンダーをはじめとした幾人ものプリキュアの犠牲によって保たれているのもまた事実なのだ。
ブルーがミラージュを倒そうと覚悟していることは、ミラージュ率いる幻影帝国から世界を守るためにプリキュアを作り出した神としての最低限の決意と責任である。ブルーを可哀想だというめぐみは、ブルーの覚悟に水を差しているのにも等しい。
世界を守るために散っていったプリキュアたちの気持ちを代弁するかのようないおなの言葉に、めぐみは何も返せずに押し黙ってしまう。
めぐみにしては珍しくかなり落ち込みどうしていいかわからなくなり、その夜に誠司に相談。「どうしていいかわからない」という本音こそをみんなに話し、喧嘩になってでもみんなで考えていくしかないとアドバイスされる。
翌日、仲間たちは皆で本音で話し合い、これからどうするかを考える。
ブルーにも「ミラージュを倒したくないという本音があるならちゃんと話してほしい」と頼む。
皆の真剣さについにブルーは観念し、ミラージュとの過去を語った。
300年ほど前、ブルーは巫女のミラージュを愛していたが、神と言う立場から彼女の「ずっと一緒にいたい」という願いを拒み彼女を傷つけた。そのせいでミラージュは今の姿となってしまった…と告白する。
そしてブルーの隠していた本音はやはり、ミラージュと和解したいというものであった。
その事実を知っためぐみは切なげな表情を浮かべるが、ブルーの気持ちを笑顔で後押しする。
36話
自分にとって「助けるべき人」の代表であった、病魔に侵された母が、自分を不幸だとは微塵も思っていないことが語られる。それ自体は良いことなのだが、めぐみにとっては「自分が別に頑張らなくても、みんなは自分の力で幸せになれる」という真実を心の底から理解することになる。
自分無力で何もできないかも知れないけれど、誰かを助ける力になりたいと頑張っていた。それは、相手が助けを必要としているという前提があってのことである。自分が助けたいと思っている相手が、別段助けを求めていないのならば、自分ができることは何なのだろうか。
人助けをするモチベーションが大きく削がれ、何よりも「母の病気を治す」というプリカード集めの目的が失われ、自分がこれからプリキュアとして戦っていくことができるか自信をなくしかける。
誠司は「プリキュアとしてサイアークから大勢の人を助けている以上、お前のやっていることは間違いじゃない、悩む必要なんてない」と元気づけさせるが、その様子をクロスミラールームから見ていたブルーは彼女を部屋に引き込み、少し話をする。
誠司はめぐみの最大の理解者。だから誠司が語った激励はめぐみが望んでいること。
「プリキュアは世界を救う戦士。だから悩むことはふさわしくない」「落ち込んでいる姿をみんなに見せたら、みんなが心配する。それは良くないこと」「だから、わたしはいつも笑顔でいなくちゃならない。みんなの幸せのために」
それらはめぐみのなりたい自分。心からの気持ちであり、イノセントな思い。
しかし、ブルーはそんなめぐみにわかりやすい激励の言葉はかけなかった。
暗い顔で悩みを吐露するめぐみの手をそっと握る。そして、諭すようにめぐみを導く。
「人を助けるってことはむつかしいことなんだ。悩んでいいんだよ」
「いや、そうやって悩むのはいいことなんだ。つらかったり、苦しかったり、時には自分に自信がなくなったりする。でもそれは、めぐみの心が成長するのに必要なことなんだよ」
「めぐみ、きみはそのままでいいんだよ。そのままでいてほしい」
自分を本当に助けられるのは自分だけ。めぐみがいくら誰かを助けるために頑張ってもそのことは変わらない。
だからこそ、めぐみが悩んでいても、それをめぐみ以外が解決できるわけがない。
だから、悩み苦しむことを恐れてはいけない。苦悩は常に人生とともにあり続ける。それを屈服させることはできても消すことはできない。苦悩とは一生の中で上手に気長につきあっていかなくてはいけない。めぐみの苦悩を具現化したアンラブリーはめぐみの影だった。つまり一生ついてまわり消えることはできないものだ。
ブルーはそのことをちゃんとわかって、めぐみに優しい言葉で冷酷に突き付けたのである。
めぐみはブルーの言葉に気づかされたものがあったようで、ハッと目をうるわせ、「もう、ブルーといると自分の知らない自分が出てくるよ!」と照れ隠し。
自分を助けることができるのは自分だけ。だから、誰かを助けることができるのもその誰か自身だけ。その現実を素直に受け入れ、それでもみんなが自分を自分で助けることができるきっかけを与えていきたい。誰かのために自分が何もできないと諦めることは決してしない。
それがめぐみの真なる思い。気持ちを新たにしためぐみは、イノセントフォームへの覚醒を成功させる。
戦闘終了後、めぐみはプリカードが全部集まったらみんなが幸せになる願いをしたいと、プリカード集めのモチベーションも取り戻す。その言葉にブルーは
「ああ、めぐみも含めたみんながね」
と、自分自身の幸福をないがしろにはしないように、あえて釘を刺す。
自分のことを思ってくれたブルーにめぐみは「ありがとう、ブルー!」と満面の笑顔でブルーに抱き付いた。イノセントフォーム覚醒成功でハイテンションになっていることもあって、めぐみがブルーの言葉の真意をどこまで理解したかは微妙なところである。
めぐみを「みんな」と同じだけ幸せになるべきというのは、めぐみはあくまで「みんな」の中に入っていて特別に贔屓して愛することはできないというのがブルーのブレない立場なのだが・・・
そして、よりによって誠司がこの抱き付いている場面「だけ」を目撃してしまった。
24話に続いてのこの展開に、誠司も間がいいのか悪いのか・・・・
さらには、この様子をディープミラーがクイーンミラージュにみせつけており、「さすが愛の名を持つプリキュア。地球の神をたぶらかすのもたやすいようで」とミラージュを挑発。
やはり前後の流れを知らずにこの場面だけを切り取られると、そういう展開に見えてしまうのはしょうがないようだ。
ちなみに、歴代でも敵キャラがプリキュアを弱いと見下すシーンは事欠かないが、「男をたぶらかす」というゲスい評価をした敵はディープミラーが初めてである。