ヨーロッパの伝承などに登場する妖精の一種。
もしくはその伝承から着想を得て創作された架空の種族のこと。
ファンタジー物の小説やゲームなどによく登場する種族であり、古くはグリム童話の「白雪姫」などに登場する「7人の小人」もドワーフである。
同じく架空の種族として設定される事の多いエルフとは対の関係で登場する事が極めて多い。ドワーフのみが登場してエルフは出ない、若しくはエルフのみが出て来てドワーフは登場しない~といった作品はまず存在しない。いわゆるファンタジー物の“定番キャラクター”である。
大きく共通するのは、
- エルフとは仲が悪い。
- 悪の勢力を強く憎む。
- 打たれ強く魔法などにも抵抗力がある。
~等々であるが。
これらの多くのイメージはファンタジー小説の「指輪物語」と、最古のTRPGである「D&D (Dungeons & Dragons)」から輸入された物である。
前述の「エルフと仲が悪い」と言う設定は登場する作品によっては逆だったりする。
その場合はむしろ「悪の勢力対抗する同志」と言う立場で親交が深く、代わり人間などの世俗と距離を置いている設定になる事も多い。ただしいずれの場合も「悪の勢力を強く憎む」という設定は共通している。
またエルフなどと同様に「人間より長命」と設定されている場合が多いが。
その場合でもエルフの様に何百~年千年近く生きると言う訳ではなく。あくまでも人間よりは少々長生き、200~300歳程度という場合がほとんど。
外見的イメージ
作品や描き手の解釈によって様々なのは言うまでも無いが、
- 背が低い(1m~1.5m程度)。
- 筋骨隆々でいわゆるマッチョ体型。
- 男性だけでなく女性も成人は髭をたくわえている。
~という特徴を持っている事が多い。
他にも、
- 頑固者で偏屈だが酒好きで身内には優しい。
- 地下に住み、普段は鉱脈などを掘っている。
- 機械類の扱いが上手で鍛冶屋的な事もする。
- 金銭欲が強く、特に黄金に目がない。
~等々という性格付けをされてる事も多い。
その無骨なイメージに合わせて、手に持つ得物には「戦斧」や「ハンマー」が多い。
また前述の「女性も髭を生やす」と言う特徴のせいか、作品などに登場するドワーフはほぼ100%男性である。
尚、前述の「女性も髭を生やす」という設定は何かの小説やRPGなどで公式に設定された事はない。
恐らくはその原典に近いと思われる「指輪物語」の中でも、特にその様な記述などは無く。また同様にTRPGの「D&D (Dungeons & Dragons)」のルールブックの中にも同様に、特にその様なドワーフの女性に関する記述は無い。いつのまにかTRPGの愛好家を経て、ファンタジー物全般の常識として広まっていった、いわば“都市伝説”の様な物である。
2000年頃までほぼ上記のイメージで固定化されていたが。
しかし近年はTRPGの「ソードワールドRPG 2.0」や、PSP用ゲームソフトの「剣と魔法と学園モノ。」などの発表によって、女性ドワーフのイメージにも大きな変化が訪れている(前者は「ロリ」。後者は「ケモノっ子」の様なイメージ)。
キャラクターとしてのイメージ
前述の様にほぼ100%男性であるので、“頑固親父”と言うポジションを与えられる事が多い。
小説やゲームなどでは登場人物の年齢層が若めに設定されるため(多くは10代から20代)、それらの若輩をまとめる重鎮としての父親役として配役される。通常は主人公たちの仲で最年長者の1人である事が多いので、人生に対する含蓄に富んだ言い回しをする事が多い。
またその反面、「金銭欲が強い」と言う事を強調される事もあり。
その場合にはむしろ、常に金銭トラブルを呼び寄せてしまうトラブルメーカーとしての“狂言回し”としての役割を務める事も多い。このパターンの時には単なる「守銭奴」や「ケチ」なキャラクターとしての性格が強調され、非常に世俗的な現世利益を追求するキャラクターとして描かれる事が多い。