概要
江戸っ子気質が色濃く残る東京下町を舞台にした人情ものの雰囲気の中、主人公・ア太郎を中心としたギャグ作品である。ア太郎の周りの、デコッ八、×五郎、両目つながりおまわりさん、ニャロメ、ココロのボスとその子分たち、ブタ松、天国の神様とその弟子などの個性あふれる登場人物がドタバタ物語を展開する。2度に渡りアニメ化され、またテレビドラマ化もした。
主な登場キャラクター
- ア太郎(CV:第1作山本圭子 第2作丸尾知子)
- ×五郎(CV:第1作永井一郎 第2作はせさん治)
- デコッ八(CV:第1作加藤みどり 第2作頓宮恭子)
- ブタ松(CV:第1作富田耕生 第2作吉村よう)
- ニャロメ(CV:第1作田の中勇→大竹宏 第2作神谷明)
- ケムンパス(CV:第1作野田圭一 第2作難波圭一)
- べし(CV:第1作富田耕生 第2作塩屋浩三)
- ココロのボス(CV:第1作・第2作共に八奈見乗児)
- モモコ(CV:久川綾)…アニメ第2作のみのレギュラーキャラクター。原作リメイク版にも登場する。原作には同名の別人が登場する。トト子や加賀美あつ子と類似した容姿のキャラクター。
原作版
週刊少年サンデー1967年48号~1970年27号まで連載。
原作リメイク版
コミックボンボン1990年4月号~1991年1月号までアニメ第2作放映に合わせて連載された。同時期のボンボン同誌に平成天才バカボンが並行連載されていた。
GCニャロメ
(GCは「ガッツキャット」と読む。)コミックボンボン2003年10月号~2004年9月号まで連載。
同誌に天才バカボンが再録連載されていた。リメイク版のペン入れを主にやっていた吉勝太作画でニャロメを主人公としたケムンパスとベしのトリオがメインのスピンオフ。
※現在紙媒体の書籍の販売は無く、電子書籍のみの販売である。(ebookjapan、yahooブックストア)
単行本
※私家本は同人誌に近い扱いなので含まない。
- 曙コミックス版
1969年、全12巻。記録にある最初のコミックで絶版。
- ボンボンコミックス版
1990年3月~1991年1月。全11巻。絶版ではあるものの平成に入ってからの出版なので古本市場では結構出回っている。表紙は全て描き下ろし。
- 竹書房文庫版
1994年11月、全9巻。
- 電子書籍版
ebookjapan、yahooブックストア全11巻。10巻までがサンデー連載版で11巻がボンボン連載版や、テレビマガジン版などが収録の他、6巻には現行の単行本未収録の「ア太郎が死んじゃった」が初収録される。また「花のデコッ八シリーズ」は別巻であり、外伝も収録されている。
まんが王国、コミックシーモアなどのフィーチャフォンからタブレット対応サイトでは基本的に全9巻(または単話売りのサイトで201話)。ボンボン版収録は無いが「花のデコッ八シリーズ」は収録されている。また番外編などは別巻扱いで販売しているサイトもある。
映像作品
アニメ第1作
1969年4月から1970年12月にかけてNETテレビ系にて放送。1970年9月25日放映の第77回まではモノクロ、10月2日放映の第78回以降はカラーとなった。
前半は、ア太郎、×五郎、デコッ八が展開する下町人情ドラマだったが、後半はニャロメを中心としたサブキャラクターが主役の座を乗っ取り、アニメ版オリジナルストーリーも数多く生まれた。
最終話後編でア太郎もデコッ八も出なかったことは有名な話である。
アニメ第2作
1990年4月から12月にかけてテレビ朝日系にて放送。主題歌を島田紳助が歌ったことも大きな話題となった。舞台は平成であり、それに合わせて第1作目からリメイクしている。主役であるア太郎のキャラクター性を強くし、固定ヒロインのモモコも登場した。基本的にキャラクターの衣装は従来通りであるものの、背景や小物は平成を意識しア太郎のヘッドフォンも登場し、八百×の左向かいのビルは最初から最後まで工事したまま終わった。各キャラクターの住居などの設定も少々異なる。
大きな特徴としては、原作・第1作には出てきた他作品の赤塚キャラが全く出てこないこと。30分後に「天才バカボン」が他局で放映していたのも原因の1つだと考えられる。
また、お巡りさん(本官さん)は準レギュラー的な存在であったにも関わらず、天才バカボンが初出のキャラクターであったためかデザインがアニメ用に一新された。
※アニメ第1作、第2作ともに動画サイトで期間限定で配信されることがある。
DVD化
DVDBOX1~3巻までが第1作で、4巻は第2作を収録している。
アニメ主題歌・イメージソング
第1作
- オープニングテーマ
「もーれつア太郎」
(作詞:河内洋、作編曲:いずみたく、歌:桂京子)
78話以降は大竹宏によるニャロメ、ココロのボスの合いの手が追加される。
- エンディングテーマ
「江戸っ子のスキャット」
(作詞:河内洋、作編曲:いずみたく、歌:ハニーナイツ)
「モーレツ音頭」
(作詞:河内洋、作編曲:いずみたく、歌:加藤みどり、ハニーナイツ)
「ニャロメのうた」
(作詞:河内洋、作編曲:いずみたく、歌:大竹宏
第2作
- オープニングテーマ
「がってん承知ノ介」
(作詞:山口のばら、作曲・編曲:つのごうじ 、歌・演奏:紳助&バスガス爆発楽団 )
- エンディングテーマ
「ニャロメのROCK」
(作詞:園部和典 、作曲:古田喜昭、編曲:つのごうじ 、歌・演奏:紳助&バスガス爆発楽団)
イメージソング
- 1969-1970年ごろ発売のレコード
アニメではなく漫画のイメージソングとして製作されたレコード。アニメの主題歌ではなく、歌っている人もアニメとは関係ない。
「ニャロメのうた」(1969年、日本グラモフォン) 作詞:赤塚不二夫/作曲:熊野千賀夫/編曲:竹田由彦/歌:大野進(ニャロメ)※アニメのEDの同名の曲とは異なる。
「ケムンパスでやんす」(歌:たなだひろし)との両A面。12〜13万枚を売り上げたという 。
「おれと結婚しろニャロメ」(1970年、ポリドール) 作詞:赤塚不二夫/作曲:熊野千賀夫/編曲:竹田由彦/歌:大野進(ニャロメ)、露木美穂(ミー コ)。
「ニャロメのマーチ」(歌:ニャロメ児童合唱団、大野進)との両A面。
- 「もーれつア太郎ヒット曲集」
1990年9月1日、日本コロンビアより発売のCD。
アニメ第2作のOP、EDの他に各声優などによる、このCDのみのキャラクターイメージソングが収録されている。
しかし、デコッ八の曲は無い。
「ダウンタウン・ボーイ」(歌・丸尾知子)
「わしはMr.×五郎」(歌・はせさん治)
「ケムンパスとベしの子守唄」(歌・難波圭一、塩屋浩三)
「星を見つめるニャロメ」(歌・神谷 明)
「ベジタブル・ワンダフルフルーツ」(歌・丸尾知子)
「ココロのボスのココロ」(歌・つのこうじ)
「ブタ松三度傘」(歌・吉村よう)
「もーれつア太郎音頭」(歌・池田勝紀)