声優
概要
『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズに登場する吸血鬼。
貸本時代に執筆された「霧の中のジョニー」などに登場し、作品によっては霧の中のジョニーや吸血鬼チャランポランとも呼ばれる。
アニメ第4期では吸血鬼エリート、第5期では霧の中のジョニーと吸血鬼エリートの両方の名前で呼ばれている。
シリーズを通して容貌は概ね一致している。大半はスーツに身を包み(シリーズによって、緑、黒、白となる)、ギターを背負う。顔の形や髪形も概ね同じだが、顎先は4期では平らで5期ではやや尖っているほか、髪形は大半が半々で前髪を分けているが、墓場鬼太郎では七三分けになっている。
性格
エリートとしての自覚もといプライドがあるのは、どのシリーズも一貫しているものの、その目的はシリーズによって異なることもある。
大半は個人のプレーの充実感といったもので、エリート官僚の血を狙うことで自らの実力を誇示している(特に第5期では躊躇)。
ただし第4期になると、吸血鬼としてのプライドは同じであるものの、さらに加えてゴリ押しによる戦法を嫌うなど、戦術の鮮やかさを求めている一面があり「力づくと言うのは、知性の足りない落ちこぼれのやり方だ。それはエリートの私のプライドが許しません」と発言することからも、かなり高いプライドを有している事がうかがえる。
標的である国防大臣の吸血に失敗して、日本の事情に詳しい協力者を求め、新聞に妖怪にしか読めない妖怪語で秘書募集の求人広告を出すが、「午後三時に銀座のいちばん高級な喫茶店で日本一のコーヒーをすすりながら、その横に世界一のギターを置いている日本一の男前」などとナルシスト全開の自己紹介をしていた。15円のアンパンすら買えないほど生活に困窮していたねずみ男に、月給10万円(当時の大卒初任給の平均は2万4千円)という破格の好待遇を提示して採用した。
だが実際はかなりケチな性格で、ねずみ男に金を払う気など最初から無く、用が済んだら始末するつもりだった。
第5期では、漫画版や第1期と同じく、世界各国のエリート官僚といった名士を狙うことが目的だった。
実力
黒船来航より前にフランスからきた吸血鬼で、ねずみ男を秘書として雇い総理などエリート官僚といった名士を中心に狙う。
その理由は「刺激があるから」というもの。
また実力は、バックベアードやぬらりひょんのような軍団を率いるものではない単独の敵では、最も鬼太郎を苦しめた相手である。ねずみ男の協力で鬼太郎を捕えたとはいえ、溶解液(5期では『コロリポン』と命名される)を注射して溶かしてしまった。第4期では音楽で自由を奪い、そのまま抵抗も許さず砂地獄へと落とし込んでしまった。第5期では吸血鬼としての実力の高さから、他の吸血鬼からも恐れられていたほど(モンローとピーも、エリートの音楽を聴いた途端に、すたこらさっさと退散してしまった)。
能力
音響催眠術
ギターの演奏による音響催眠術(余談だが、ゲゲゲの鬼太郎では同様の能力を持つ妖怪に夜叉がいる)が武器で、その演奏を聴いた相手を操ることができる。
ただし、単に音楽を引くのではなく、相手の性格あるいは性質に合わせて曲を弾くとのこと。とはいえ、この設定も明確に定まっているとも言えないところもある。
アニメ第4期では相手の体の一部(髪の毛等)を水槽のオタマジャクシに食べさせると、水槽に描かれている音符に合わせてオタマジャクシが並び、音楽を作曲する形式となっている。ただし、ターゲットである人間女性を操るときは、何らかの体の一部を持っていなかった。
第5期では特に必要な素材を必要とせず、演奏するだけで多数の人間を操ったり、長遠距離であるにもかかわらず鬼太郎を遠隔操作して自分の屋敷に誘い込むなど、前作よりもはるかに能力は上がっていると見るべきであろう。
蝙蝠化
人の背丈ほどもある巨大な蝙蝠に変身して戦うこともできるが、シリーズによって異なる。
漫画版やアニメ第4期では、人の姿のまま敗れ去っているが、アニメ第1期や第5期では蝙蝠に変身して再戦に挑んでいる。
体質
吸血鬼のエリートという事もあってか、弱点は特になし。吸血鬼と言えば十字架やニンニクを連想させるが、そういったものは一切効果がなく嫌がったりもしていない。 さらには昼間でも堂々と活動ができるなど、活動能力も吸血鬼にしては高いと言える。
第4期版
黒スーツに赤蝶ネクタイという井出立ちで登場。また水木しげるファンであるという佐野史郎氏が、エリートの声優を担当した。さらにはエリートのイメージソングも手掛け、本編中に披露している。
上述したようにエリート意識がずば抜けて高いのが特徴である。鬼太郎と初対面した時も「世界でも凄腕とされる評判の君がその程度とは、拍子抜けだね」と言い放ったほどである。
千年近い年月を生き続けたとされており、高い力と若さを得る為に、高い才能を持った若く綺麗な美女(要するに才色兼備な女性)を襲っては血を吸い続けていたと言う話である。さらには、吸血妖怪の祝日『チースッター祭』に、100人目の美女の血を吸うことで、最強の超エリート吸血鬼になろうとしていた。この裏には、妹蝙蝠のエリート化を成し遂げる事も含まれている。
本編開幕から、いきなり学校帰りだった美人の大学美術教授(cv:山崎和佳奈)を音響催眠術で路地裏に誘い込み、血を吸い尽くすという、吸血鬼としてのインパクトを与えた。
ねずみ男を金で釣って協力させたうえで、目標である女性を浚い、鬼太郎を屋敷に誘い込んだ。ねずみ男から手に入れた鬼太郎の髪の毛で鬼太郎に合わせた曲を作り上げると、とたんに用済みとなったねずみ男に、催眠効果でお金と見せかけた大きな石を持たせ、もたついたところで同じように砂地獄へと叩き落した。
その後、乗り込んできた鬼太郎に対してギターを奏でていとも容易く音響催眠で行動不能に陥れた。そのあまま屋敷の真下にある砂地獄へと叩き落すことに成功する。
安心して、最後の1人である女性の血を吸おうとしたが、その直前に砂地獄から脱出した鬼太郎のリモコン下駄によって口に叩き込まれてしまい阻止される。再度、砂地獄に落とそうとするものの、鬼太郎が耳栓をしていたことに気づかず、蹴り飛ばそうとして避けられてしまう。その際にギターを落として壊してしまった挙句、縁に捕まっていたエリート自身も屋敷が崩れるのと同時に谷底へ転落。
100人目の血を吸うことも叶わずして失敗。妹蝙蝠のティナに詫びながら力尽きた。超エリートになる夢も潰えたと同時に、これまで吸い続けてきた美女の精気が拡散。失踪していた美女たちが元の姿に戻る。しかしエリートは死亡したわけではなく、元の蝙蝠の姿に戻っただけで、ティナと共に飛び立っていった。
実写
月曜ドラマランド版の実写に佐渡稔(さわたり みのる)が演じる吸血鬼エリートが出てくる。
外見はドラキュラに近く、エレキギターを弾いていたり、マントを相手にかぶせ別の場所に飛ばす、杖から電撃を放つ必殺技「ビバ・フラッシュ」を使ったりするなど、原作とはかなり違う。
さらに今作では彼に噛みつかれた者は赤ちゃんプレイに目覚めてしまうという、とんでもない能力が追加されている。