概要
「この話題を提示した途端誰もが口をつぐむほどの恐ろしく忌まわしいあの事件」というような設定の架空の事件(都市伝説)。
似たような設定の都市伝説に「牛の首」というものがある。
しかし、このスレを立てた人物はもとより他の誰も事件の実像に触れないまま名前だけが一人歩きし(当然だが)、「公安が絡んでいる」、「語る奴も危ない」、「2chの影の部分」という情報が追加されていき、次第に『鮫島事件=タブー』という図式が出来上がった。
これはいわゆるジョークだが、そのスレッドを立てた本人が釣りであることを宣言してもその名は消えず、ときおり話題に上がっては様々な情報が飛び交っている。
(鮫島姓の実在人物やキャラクターになぞらえた風聞を提示する者、グリコ森永事件犯人にまつわる話と言う説を掲げる者、将軍様の手先の事だとする者などなど…)
とはいえ、そのスレを立てた人物と事件への質問者のIPアドレスは同じであり、これは両者が同一人物であることを示している。要するに自演である。
つまり『鮫島事件』とは架空の事件であり、そんな名前の事件は元々存在していない。新参者の反応を面白がるためにでっち上げられた全くの作り話である。
何も知らない人にいかにもそんな事件があったように思わせる釣りというわけであり、今では「『真相を探ろうとしたら消されるヤバい案件』というネタ」として語られることが多い。
表向きは、ね。
備考
この鮫島事件を都市伝説として考える場合、ネット上での都市伝説・噂の成り立ちにおけるモデルケースとして扱われる事もある。
基本、都市伝説は噂のカテゴリーの一つでありネット上かつ不特定多数で匿名の場(掲示板など)で生まれる都市伝説は成り立ちの可視化が比較的可能で、いかにもな説得力のある発言が重なる事でより信憑性が増していく過程が目に見えるようになる。
ところが、この過程が無責任かつ悪質なものだった場合は風評被害に発展する事が多々ある。有名なものではタレントのスマイリーキクチ氏が事実無根の噂に長く悩まされたケースがある。
ちなみにだが、この鮫島事件はこれが出た当時は2chにはまだアングラさが残っていた事や掲示板の書き込みによる事件が数多くあった事が背景にあるとも考察されている。そのためこれらを発端に本当に表に出ることすらない事件もあった可能性がある(それが鮫島事件ではないのは当然だが)。
なお
- 1968年6月に日本経済新聞社の鮫島記者が中国当局にスパイ容疑で長期勾留された事件も「鮫島事件」と呼ばれることもあるので留意。
- 1911年11月1日に発生した「東洋捕鯨鮫事業所焼討事件」(捕鯨に反対する地元民の怒りが爆発して発生したデモ、日本最後の一揆の一つ、日本最初の環境事件の一つ、日本最大の漁民一揆)は稀に「鮫浦事件」や「鮫村事件」と呼ばれることがあるため、鮫島事件と間違える人もいるので留意。前者は「島」と「浦」と、海に関係している漢字は似ているが。関連する話に鯨神「鮫浦太郎」伝説があり、まんが日本昔ばなしとふるさと再生日本の昔ばなしの両番組にて取り上げられた事もある有名な話でもある。