概要
pixivユーザー「天一号」氏が、2015年から2016年にかけてpixivへ投稿していた、「艦隊これくしょん」の二次創作小説。別称『艦これアニメ再構成ノベル』。
名目上はアニメ版のパラレルワールド(if世界)として描かれた作品であるが、睦月の性格はブラウザ版準拠である。アニメが終了した後はアニメ展開からは大きく離れていき、公式への風刺めいたエピソードも増えていく。その関係上、アニメ未登場の艦娘、オリジナル艦娘、果ては提督以外の人間キャラクターといったオリジナルキャラも多数登場するのが特徴である。
また、性質上史実に縛られる艦隊これくしょんの傾向そのものであったり、提督以外の人間を描かずに特定カップリングに固執するブラウザゲームや、そのプレイヤーに対する皮肉も多数描かれている。 例えば史実では駆逐艦は格下の「艦艇」と見られていたが、この作品では海上護衛任務・輸送艦護衛・避難民の救出等で駆逐艦の価値が非常に重んじられており、「軍艦」である空母や戦艦が駆逐艦の指揮下に置かれる事もあり、巡洋艦級が駆逐艦に艦隊旗艦を譲るなど当たり前である。駆逐艦が軍艦より格下などという史実など、この世界ではクソくらえなのだ。これは、駆逐艦を旗艦に据える利点が明確に存在する艦これアーケードの仕様にも通じる。
また、田中謙介氏が拾わない史実を重視しているという作風も特徴的である。例えば第六駆逐隊として有名な暁、第七駆逐隊として有名な漣も、艦これで有名なそれらの部隊の固定カップリング要員としてではなく、艦これ未実装艦である特型駆逐艦16番艦のオリジナル艦娘「狭霧」を加えた旧第十駆逐隊の一員として扱っている。
この作品では駆逐隊の編成は一定ではなく、同名の駆逐隊でも史実や定番のカップリングとは一致しない事がある(第六駆逐隊でも電以外の暁型(暁・雷・響)が外され、深雪・雪風・照月を編入されている等)。
その他、所属部隊の異動や史実と無関係かつブラウザゲーム・艦これ改・艦これアーケードには存在しない(if改装ですらない)架空改装による、根本的な兵装・デザインの変更も行われる事もある。
一例として、秋月は第六十一駆逐隊のペンネントを劇中で紛失した為、第五遊撃部隊ハチマキを身につけている設定になっている。
特に瑞鶴の変化が激しく、弓ではなくボウガンを使用する(これにはきちんと理由があり、劇中では史実で所属していた一航戦でも三航戦でも五航戦でもない「第五遊撃部隊の吹雪の部下」として水雷戦隊の護衛・支援にあたっている為)等、兵装・描写が原作ゲーム/アニメ・各種メディアミックスとは全く異なるものとなっている。
他にも、「大本営(=運営)から受けた甲種勲章より、(原作ゲームでは一切描かれていない)避難民の手作り勲章の方が価値がある」「機関(=艦これの運営母体であるC2機関)は気味が悪い」、「史実なんてクソ食らえ(劇中では一式陸攻・野中隊の塗色が桜花の母機のものだった事から、塗色を変更させている)」等、ゲームや運営への皮肉と思われる要素が多分に含まれている。