概要
「這いまわる(Creeping)硬貨(Coin)」の名の通り、迷宮の床を這いまわっている金貨。
金貨の姿に擬態した魔物とも、魔法をかけられ(animated)疑似生物となった金貨ともいわれる。
『wizardry』シナリオ#1に出現して以来、本作に対するオマージュとして同分野の多くの作品に出演している人気者(?)。
B2で群をなして出現し、硬い体を活かした体当たりとパーティー全体に及ぶブレス攻撃を駆使、更に頭数が減ると仲間を呼んで増えるという厄介な存在…
と思いきや、HPは1で固定、物理攻撃のダメージも1で固定、ブレスのダメージに至ってはなんと0で固定(ブレスを吐いた時点でのHPから算出される仕様のため そのためギャグ4コマなどののパロディでは耳もとに息を吹きかけると描写された)。
それでいて、撃破して獲得できる経験値はB2の魔物の中で最も高く、お金も多めに持っていることが多い。
集団で出現し戦闘中に増える点も計算に入れると非常に「おいしい」、ぜひエンカウントしたい存在である。
なお初期の版では、戦闘終了時に表示される「戦利品」のグラフィックがそのまま「モンスターとしての "Creeping Coin?"」に流用されていたが、FC版で「飛び跳ねて体当たりをかましてくる金貨」のグラフィックが新規に用意された。
このグラフィックの影響か、「空中を飛翔する硬貨の魔物」という印象を持たれていることも多いようである。しかし実際には "Creeping" という以上、仮に飛翔能力があっても基本的には這いまわって移動する存在と考えるべきであろう。
ライノゥビートル
シナリオ#2にはライノゥビートル(Rhino Beetle)という昆虫タイプの魔物が出現する。
"Rhino Beetle" とは本来カブトムシのこと(正しくは "rhinoceros beetle")で、"Beetle" はカブトムシを含む甲虫類(鞘翅目)を指す。
魔物としてのライノゥビートルも前作のボーリングビートル(Boring Beetle)のグラフィックが流用されていたが、FC版では "Rhino" のもう一つの意味「金銭(俗語)」にひっかけて、「昆虫の脚と顎をもつ金貨」のグラフィックが新規に用意された。
同時にFC版追加要素の一つとして、ライノゥビートルとは別個にボーリングビートルが出現する。
類似の例として、シナリオ#1に出現したドラゴンフライ(Dragon Fly)は「火炎ブレスの能力を持つドラゴン系の魔物」だが、本来 "dragonfly" はトンボのことである。
ファズボール
クリーピングコインと似た性質を持つ、フワフワしたピンク色の球体。シナリオ#2から登場。
初期の版では眼や口が描かれており、『DIMGUIL』で顔面が復活した。
攻撃力・アーマークラス(防御力及び回避力)はクリーピングコインより劣っており、冒険者にダメージを与える能力は皆無。
ただし呪文無効化能力と各種属性耐性が100%となっており、武器攻撃で一体ずつ潰していくしかない。
そのため状況次第では増殖速度が撃破速度を上回り、いつまでたっても戦闘が終わらなくなるという厄介な性質を持っている。
獲得経験値もほぼ皆無なので逃げてしまってもいいのだが、玄室遭遇の場合は同フロアの魔物と同程度の戦利品が期待出来たりもする。
なおこの作品の「仲間を呼ぶ」能力は「頭数が8体以上のグループは使用しない」仕様になっており、これを利用すればファズボールも効率よく掃討できるようになる。
ちなみに名称・外見・能力は同一だが、データ的には生息域や戦利品が異なる四種類(FC版Ⅲでは三種類)のファズボールが設定されており、『リルガミンサーガ』などでモンスター博物館をコンプリートする際にハードルになることも多い。
なお "Fuzzball" には『wizardry』シリーズの魔物以外にも
などの意味がある。