「よぉ、リヴァイ…大きくなったか?」
概要
長身痩躯で鋭い眼光の持ち主。「切り裂きケニー」の異名を持つナイフの使い手。中央第一憲兵団に所属し「対人制圧部隊」の隊長でもある。部下からはアッカーマン隊長と呼ばれている。
その風貌や残忍な行動からは想像し難いが、意外に饒舌である模様。
商会長リーブスとの会話でリヴァイを「リヴァイ・アッカーマン」と呼んで話題に出し、リヴァイのフルネームを明らかにした。彼とリヴァイは過去に一緒に暮らしていた時期があり、リヴァイに様々な処世術を教えたらしい。その戦闘能力はリヴァイと同等かそれ以上であり、リヴァイはケニーの実力について「脅威の度合いで言えば・・・敵に俺がいると思え」と語り、他の新リヴァイ班のメンバーを憂鬱にさせた。
ケニーはロッド・レイスの指示で新リヴァイ班を襲撃、ヒストリアとエレンの身柄を確保する。
ロッドはレイス家の地下洞窟でヒストリアを巨人化させ、エレンを食わせることでエレンの持つ巨人の力をヒストリアに継承させようと目論んでいた。
一方、ケニーはこれを奇貨として自身の”夢”を実現させようと行動する。ところがロッドから、レイス家の人間でないと巨人の力を完全には発揮できないと聞かされ、意気消沈。さらにヒストリアが予想外の行動を取り、思惑の外れたロッドが自ら巨人化したために熱風と洞窟の崩落に巻き込まれてしまう。
ケニーは致命傷を負いながらもかろうじて脱出を果たすが、木の根元で動けなくなっているところをリヴァイに発見される。隠し持っていた巨人化の薬を使えばひとまずの延命は可能だったが、自身とリヴァイの母親との関係などについて語った後、薬をリヴァイに託して息を引き取った。
切り裂きケニーという異名や、西部劇の悪党のような風体、圧倒的身体能力から脳筋のような印象を受けるが、実際は(ウーリ・レイスの影響もあったのだろうが)観察力と思考力に優れ、自分のしていることの意味を冷静に考えるタイプ。ジェル・サネスら典型的な憲兵団の軍人とは違い、王のやり方に疑問を持ち、そこから距離を置いていた。
また事切れる寸前には、ロッド、サネス、ウーリ、そして自分と王制に加担した人間の全てが「何かに酔っ払ってねぇとやってらんなかった」「みんな何かの奴隷だった」と語り、自分たちの人生を自嘲する姿勢も見せていた。
過去
ケニーには生き別れの妹、クシェルがいたが、彼がその行方を探し当てた時には地下街の娼婦に身を落としており、さらに客の子供を身籠り出産することを決意していた。
後にクシェルは客から移された性病のため命を落とすが、ケニーがその死を知って駆け付けたとき、彼女の遺体の側には餓死寸前の少年が座り込んでいた。
それがリヴァイであり、つまりケニーとリヴァイは伯父と甥の関係にある。ケニーは妹の忘れ形見である彼に、地下街で生き抜くための術を教えた上で、彼のもとを去った。
またケニーの回想によれば、ケニーはかつてウーリ・レイスを襲撃して失敗。巨人化したウーリに捉えられ、握りつぶされるべきところであったが命を救われ、逆に王家がこれまでアッカーマン家に対して行ってきた仕打ちについて謝罪された。
アッカーマン一族の迫害については大して思い入れのなかった(と本人が述懐している)ケニーだが、巨人の力を持つ王族が、命を狙った自分に頭を下げる姿に心を動かされてウーリに降り、友人として迎えられた。
- この一件により、王によるアッカーマン家への迫害は終了したようだ。
ウーリの死後、ケニーはレイス家が持つ巨人の力を我が物とすることで「この世界を盤上ごとひっくり返す」という”夢”を抱き、中央憲兵の中に対人制圧部隊を組織し、その機会を虎視眈々とうかがうこととなった。
この頃、ケニーはパラディに工作員として入り込んでいたアニとも遭遇している。その際、咄嗟に娼婦を装った彼女に対し、妹を客との性病で失った過去から「その冗談は笑えないな。」と言い一蹴した。
エピソード
ケニー・アッカーマン役の山路和弘は総監督を含め、全てのスタッフの満場一致で起用に至った。 また、原作者の諌山創は2009年に公開された映画『ウォッチメン』に登場する山路が吹き替えを担当したキャラクター、ロールシャッハに強く影響を受けており、同じく進撃の巨人に登場するリヴァイはロールシャッハを演じた際の山路の声と役柄がモデルとなって誕生したキャラクターである。