※アメリカ車に限らず自動車は非常に奥深いカテゴリーなので、詳細は専門誌や専門サイトを参照していただきたい。
メーカー
ゼネラルモーターズ(GM)、フォード・モーター、クライスラーの大手3社を総称してビッグスリーと呼び、これらがアメリカの自動車産業をリードしている。
かつては他にもハドソン・モーターやパッカード、スチュードベーカー、カイザー・フレーザー、アメリカン・モーターズ、デロリアンなどの多くのメーカーが存在した。
しかし徐々に淘汰や吸収合併を繰り返し、1980年代以降はビッグスリー体制が続いている。
2008年に現在電気自動車の開発で知られるテスラ・モーターズが初の量産車を投入し、米国自動車製造業界に参入。2020年には株の時価総額でトヨタ自動車を凌ぐほどに成長を見せている。
一般的な特徴とイメージ
一言で言うと、二輪も四輪も燃費よりデカさとパワーが重視された車づくりがされている。
それは以下の要因による。
- 非常に広大な国土と人口密度の低さ(市街地や集落の広がりの小ささ)を誇る国であるため、集落・都市間の移動には多くの燃料と荷物を載せられる大きさが求められる。
- 土地が広大なので道の大きさに余裕がある。
- 土地が広大なので管理の行き届いていない未舗装路(砂漠や山脈など)が多く、走破性が求められる。
- 土地が広大ゆえ農林業や鉱業とそれらの加工・運送業が盛んな事から、パワフルなトラックや農機・重機等の作業車が必要である。
- 人間も広大、もとい大柄で恰幅がいいのでその分大柄な車が求められる。
- 産油国なのでガソリンや軽油価格が安く安定していた時期が歴史的に長い。
要は土地も資源も人もいっぱいでデカいからである。
北米で最も売れている自家用車がピックアップトラックであると聞けば、アメリカ国民の性向はなんとなくわかるだろう。
当然アメリカでは自動車は生活上なくてはならない必需品であり、満16歳の高校生以上から運転免許を取得できるほどの車社会である。
広大な土地と原油の安さから燃費の悪くて楽しいスポーツカーに乗りやすい環境ということもあって趣味としての車文化への造詣も深く、現在の日本メーカーのスポーツカーの多くはアメリカの要望により復活し、アメリカの要望に合わせて開発されているほどである(NSXやGRスープラなど)。
もちろん旧車を長く大切に乗り続けるという文化もかなり発達しており、旧車の博物館や多くの旧車が集まる祭りが全米に多数存在する。
なおアメ車の大柄なボディや悪路対策の強力で堅いサスペンションは、国土的に山地や狭い市街地が多く路面整備が全体的に行き届いた日本や欧州市場での低評価につながっている。
ただしジープなどのオフロード用乗用車の評価は高く、日本でも山間部での作業用や市街地でも富裕層の趣味用としてたまに見かける存在である。
近年は日本車や欧州車の影響を受けた市街地向け乗用車も増えてきてはいるようであり、ダウンサイジングのターボやスーパーチャージャー、全自動運転等の装備化や研究開発も進められている。
なお米国で一般的に使われる距離と速度の単位は旧宗主国のイギリスと同じくマイルであり、アメ車のスピードメーターにはマイルと世界で圧倒的に主流であるキロメートルが同時表記されているものが多い。
ただし左通行基本右ハンドルの英国と異なり、右通行基本左ハンドルである。
主な四輪ブランド
ゼネラル・モーターズ系
フォード・モーター系
FCA(フィアット・クライスラー)系
その他
主な二輪ブランド
ビューエル
インディアン
ボスホス
タイタン