概説
- 「男としての生き方」
- 「男のロマン」
- 「男の美学と哲学」
……etc
そうした暑苦しくも渋く、男心をくすぐりまた感動させるような作品のこと。
特にその中でも「アニメ・マンガ好きな男ならば読破・視聴必須の作品」と位置付けられるものを指す。
その最たる所以には、「男らしさ」について存分に見習うべき描写が多い作品であることが挙げられる。
指定される傾向にある作品
GUN GRAVE
本ジャンルの筆頭格。
男臭さとケレン味の強さでは他の追随を許さない、マイナーながらに多くのコアなファンを有する。
「マフィア」、「野心」、「復讐」といったきな臭い命題を持ちながら、ただ信念に殉じて戦い続けるキャラクターたちの姿と生き様に、多くの男の子が「男の生き様」を教えられることになった。
スクライド
『ガングレイヴ』と対を成して挙げられる当ジャンルの代表作品のひとつ。
ガングレイヴに対して割とメジャーな分、こちらで当ジャンルを知った人も多い。
とにかく「意地」と「喧嘩」という、硬派な命題をとことんまで凝縮している部分があり、「なぜ戦うか」「誰のために戦うのか」という戦いの哲学に一つの回答を成している。
特に最終回の「男の喧嘩」の様相は、もはや伝説である。
また準主役といえるストレイト・クーガーの活躍も、このジャンルで当作品が光っている理由の一つだろう。
ガン×ソード
『GUN GRAVE』・『スクライド』と合わせて、“男の三大義務教育”とも言い得る当ジャンルの巨頭。
「痛快娯楽復讐劇」と銘打たれ、その肩書きの通り主人公ヴァンの復讐劇を主軸に物語が進む。いわゆる“オリジナル笑顔”やヴァンの“童帝”ぶりなど一部ファンからはネタにされがちだが、一方で彼の持つ男の哲学には一種のダンディズムさえ宿っており、その復讐への一途さ、亡き婚約者への愛の深さは、滑稽でありながら男として見習いたくもある。他にも復讐心ではあるものの、最終的にそれが必要悪と割り切れる終盤も、見ていて気持ち良い所がある。
勇者王ガオガイガー
小さな男の子から大きな男の子までを魅了した、サンライズロボットアニメが誇る“人類神話”。
テーマはズバリ勇気。
勇気とは何か、勇者とは誰なのか……。正しい勇気を以って行動した時、人は無限の可能性を引き寄せられるということを極限まで追求し熱く語ってくれた、勇気と愛と絆の物語がここにある。
子供向けと思って甘く見ると、涙腺へゴルディオンハンマーを叩き込まれるのは必定。
機動武闘伝Gガンダム
ガオガイガーと同時期に爆誕した、ガンダムシリーズの「異端児」にして「王道格闘活劇」。
戦場のリアルなドラマとSFを融合させた群像劇というシリーズの本流とかけ離れた、ガンダムによるロボット格闘アニメという荒唐無稽な熱血バトルアクションを豪快に描き、根強いファンを獲得した。
そんな本作のポイントは、ずばり愛!! 友愛・情愛・親愛・恋愛・師弟愛・兄弟愛・人類愛……。人の数だけ愛の形があり、その愛のために全力を賭す登場人物たちの生き様が心に迫ってくる。
特に師弟対決の結末と、最終回におけるガンダム史上前代未聞の合体必殺技は、その象徴的な場面として今なお語り継がれている。
天元突破グレンラガン
当ジャンルにおける新機軸。
先の作品は「主人公がある程度持論や意志を持っている」のに対し、この作品では「主人公が兄貴分から男の美学を学んでいく」という、それまでの作品では過去の話としてササッと終わらせそうな箇所に比重を置き、さらにその部分が作品全体に大きな影響力を及ぼしている。
「良き男を育てるのもまた男」という、この点を再確認させてくれる。
うしおととら
漫画から挙げられる代表作。2015年に晴れてアニメ化された。
主人公・蒼月潮の苦難と成長、とらとの喧嘩仲間的な友情と絆など、少年漫画の王道を征く熱い展開と、壮大なストーリーを畳みきった構成の妙もあって、一人の少年と一匹の妖怪が英雄へとして成長していく姿をボリューム満点に語ってくれる。
「男の成長にはともに成長する男が必要」という点を教えてくれる。