概要
富野由悠季が監督し、彼にとっては機動戦士Vガンダム以来5年ぶりのTVアニメシリーズであり、いわば『リハビリ』であったという。
事実彼はこの後『∀ガンダム』『OVERMANキングゲイナー』と快作を連発。所謂『白富野』時代の始まりである。
旧来の富野アニメのように一族郎党ほぼ皆殺しにされつつ地球を守ったり因果地平の彼方へ行ったりはせず、
全体的に穏やかな傾向の物語になっている。…とはいえ、まだ毒気が抜けてない部分は散見されたのだが。
OPアニメは『全裸の女性陣が地球の自然や古代遺跡をさまよう』というキチガ…意味深なもの。
主役ロボであるブレンが数秒しか登場しないあたりおおよそロボットアニメのOPとは思えない構成である。
OP曲の歌詞もあって、ストレートにエロい。
また、EDは写真家のアラーキーこと荒木経惟の植物の花弁の写真がひたすら流れるというこちらもかなり意味深なもの。
こっちもこっちで淫靡。
キャラクターデザインはいのまたむつみが担当した。
キャッチコピー
『頼まれなくったって生きてやる』
同時期の『もののけ姫』の『生きろ。』というキャッチコピーに対抗して付けられたものという説がある。
物語
突如発見された海底遺跡オルファン。
それは地球上の全生命のオーガニックエナジーを吸って銀河へ飛び立つ方舟だった。
オルファンを使って銀河旅行をしようとする一団・リクレイマーとそれを阻止しようとする国連所属のサバイバル艦ノヴィス・ノアは、反発しあう二種のオーガニックマシン『グランチャー』と『ブレンパワード』を使って熾烈な戦いを繰り広げる。
元リクレイマーの伊佐未勇とブレンと心を通わす宇都宮比瑪は戦いの中で共感し、共にオルファン浮上阻止に動き出す…!
登場人物
↑作品を彩る女性たち。うち中央の五人はOPで脱ぐ。
リクレイマーの中核をなす伊佐未ファミリーの一員で、自分を実験体としてしか見ない両親に反発してオルファンを脱出。
その後しばらく一人でオルファンを阻止しようとするが、やがてノヴィス・ノアに加わって共に戦うことになる。
共にオルファンを脱出してきた愛機『ユウ・ブレン』とは志を同じくする仲間で、彼のことを大切にしている。
家族に対して愛憎織り交じった複雑な感情を抱いており、特に姉の依衣子への感情はかなり屈折している。
「お前のブレンパワードの扱い方、イエスだね!」
「ごめん、覚えていない」
孤児院育ちの少女で、ブレンパワードのリバイバルに立ち会ったことからノヴィス・ノアに搭乗することとなる。
どこまでも真っ直ぐな性格で、自分の感情を素直に表に出せる明朗快活な女性。その一方で、ちょっと嫉妬深いところも。
リバイバルの際にリクレイマーだった頃の勇と出会ったことがあり、後の勇のオルファンからの離反につながった。
「こんなものがなくたって、人は…生きていけます!」
「めーでしょうっ?」
勇の姉で、熱烈なリクレイマーとしてオルファンの抗体になりきっている勝気な女性。
勇がそうであるように彼女もまた勇に愛憎を抱いており、彼のオルファンへの帰還を願いながら付け狙う。
『クインシィ・イッサー』とは偽名であり、本名を嫌う彼女がジョナサンにもらった『女王として相応しい名』である。
「私はクインシィ・イッサーだ!伊佐未依衣子ではない!」
「あたしの分のドーナッツも取って置けよ♪」
リクレイマーの優秀なグランチャー乗りであり、アノーア艦長の息子。勇をライバル視し付け狙う。
幼少期アノーアに充分に愛されなかったことから鬱屈した性格になっており、
伊佐未ファミリーを手中に収めオルファンを我が物にする野望を持つ。
勇の母・翠とは愛人関係にあり、クインシィも自由に操ろうとするが不純な関係は結んでいない模様。
謎の人物バロンとの出会いからバロンズゥを手に入れ、その圧倒的な力をもって勇を追い詰めるが…?
「死ねよやぁーっ!!」
「8歳と9歳と10歳の時と、12歳と13歳の時も、僕はずっと、待ってた!」
(なにを…)「クリスマスプレゼントだろ!!」
ロボットとしてのブレンパワード
↑比瑪とその愛機ヒメ・ブレン。
オーガニックマシンと人の関わりも本作の見所の一つである。
厳密に言うと機械ではなく『オーガニックマシン』と呼ばれる生体マシンである。
プレートと呼ばれる巨大な円盤から誕生(リバイバルと呼ばれる)し、認めた人間をパイロットとして乗せる。
生体であるがゆえに自意識を持ち、性格も個体ごとにさまざま。
各機体は原則『(パイロット名)・ブレン』と呼ばれるが、再リバイバル後のネリー・ブレンのみ勇が搭乗した後も改名していない。
武器はリバイバルの際に同時に生まれる『ブレンバー』と呼ばれる格闘・射撃両面に使用可能なもの。
また、短剣ブレンブレードや体から発するチャクラフラッシュなども強力な武器である。
加えてユウ・ブレン及びネリー・ブレンのみグランチャーの武器であるソードエクステンションを使用することもある。
ユウ・ブレン(ネリー・ブレン)とヒメ・ブレンはチャクラフラッシュをあわせて放つ『チャクラエクステンション』と呼ばれる合体技を使うことができる。
ゲーム『スーパーロボット大戦J』ではその他のブレンパワードやバロンズゥとの組み合わせでも発動できる。