概要
かつてベテルに封じられた悪魔の一体。
東京を守る結界の要・浄増寺が陥落した際の隙を突いて現世に顕現し、主人公と交戦する。
この時点のラフムは復活したばかりで力を十全に発揮できない状態だったが、己の半身である樹島サホリの存在を感知し、縄印学園へ向けて逃走する。
学園へ到達したラフムはサホリを洗脳して非道な行為をさせ、魔界ダアトにさらってしまうが主人公に討たれる。
外見
頭部にあたる箇所に大量の毛が生え、正面に両目のような穴がある。その他の六つの穴からそれぞれ六本の太い触手が伸びており、禍々しい生首のようにも見える。
公式Twitterで公開されたコラムによると「泥を固めて作った仮面の下から触手が出た姿」。
モチーフ
ラフム(Lahmu)は『バビロニア神話』、特にバビロニアの創世神話『エヌマ・エリシュ』において言及される男神である。その名は配偶神のラハムともどもアッカド語の“毛深い”という言葉とされるが、神話中の出自から河と海が混ざり合う河口や湾口に生じる泥質の島や沈泥(シルト)と関連付けられることもある。
天地にまだ名前がつけられていなかった頃、アプスー(真水)とティアマト(塩水)が混ざり合って神々が生まれ始めたがその中で最初に生まれたのが男神ラフムと女神ラハムだった。成長したラフムとラハムは男神アンシャル(上方=天の全体)と女神キシャル(下方=地の全体)を生み出したとされる。
また、マルドゥークがティアマト討伐を決心したくだりでは、アンシャルが神々の“天命”をマルドゥークに与えるために父母であるラフムとラハムへ使者を送っており、使者の言を聞いたラフムたちは陣容を整えているティアマトを批難してマルドゥークの下へと赴き、そしてティアマトを討ち果たしたマルドゥークを祝福した神の一柱としてラフムの名が数えられている。
一方で、より古代におけるラフムのイメージは家畜や野獣を川の水で世話する河川の精霊だともいわれ、ラフムの名には神に必ず付されるディンギル(diĝir)や図像に角(神の象徴)が記されないことからムシュフシュやアンズーのような“神に仕える超常的存在”、神殿や門を守護する魔除けの存在とされる。
その姿は大蛇、あるいは赤い帯と六つの巻き毛を持つ赤い帯や紐をつけた男とされ、豊穣の象徴である壷とともに描かれることもある。
関連動画
関連タグ
ラフム:『Fate/GrandOrder』に登場するラフムについて記載されている。
ネタバレ
サホリはラフムがかつて創造主によって奪われた「知恵」を持つ人間、ナホビノになるための半身である。
古き神であるラフムは、かつて先王が創造主の前に敗れ去って≪至高天≫の王座を奪い取られた様を目の当たりにしていたことから、人間が持つ「知恵」の正体とナホビノの意味を記憶していた。そして、創造主がルシファーによって倒されたことを知るに及んで己の知恵を持つサホリと合一、王座を簒奪して“創世”を行うことを画策していた(作中でラフムがダアト:品川区に拠っていた理由は『人間(知恵)が暮らす東京に近い場所』だったため)。
サホリを甘言で唆し融合しようとしたが、主人公と磯野上タオがサホリを救出しに現れると、サホリの意思を無視して強引に体内へ取り込んだ。しかし、ナホビノになることはできず一時は奇襲によって主人公とタオを殺傷する。だが、謎の声による呼びかけで覚醒したタオの力によって蘇生した主人公と、ラフムに取り込まれるよりも死を選んだサホリの覚悟の前にラフムはトドメを刺されて敗北する。
ラフムがナホビノになれなかったのは、サホリの合意を得られなかったためだと思われる。