概要
作曲・編曲は大野雄二。BGMだけのインストゥルメンタルバージョン(別名「ルパン三世のテーマ'78」)と歌詞付きのボーカルバージョン(歌:藤原喜久男)が存在する。
テレビシリーズや劇場版のオープニングにも使われており、シンセサイザーを起用した「ルパン三世'79」や4ビートを効かせたビッグバンド・ジャズ風の「ルパン三世'80」等、数多くのアレンジもなされている。
知名度と人気が非常にある楽曲であり、学生の吹奏楽部の演目としても多用されている。
歌唱曲としてもその歌詞のハードボイルドな雰囲気が色々と引用されている。
「Lupin the third」(ルパン ザ サード)
(訳:ルパン三世) の歌い出しから始まる。
著作権問題とその解決
というのも、第1シリーズでは日本テレビ系とはいえ独立色の強かった読売テレビの制作だったのに対し、第2シリーズだけが日本テレビ制作だった。
そこへ持ってきてPART3では制作が再び読売テレビに戻っただけではなく、オリジナル・サウンドトラックの権利がそれまでの日本コロムビアから当時新興のVapに移ったことにより、第2シリーズまでの楽曲が使えなくなってしまった。
これは逆も同じで、PART3の主題歌『セクシー・アドベンチャー』・『フェアリー・ナイト』もコロムビアからリリースされるソフト(アナログレコード・CD・録音済カセットテープ)ではオリジナル音源が使えず、別の歌手にカバーさせ曲も大きくアレンジされたものが収録されていた。
だがPART3がほぼ打ち切りの状態で50話終了となった上、第2シリーズは日本テレビ系のアニメ再放送枠で繰り返し流れたこともあり、「ルパン三世と言えばこの曲……なんとかならないものか」とファンをヤキモキさせていた中、PART3ベースの劇場版『バビロンの黄金伝説』の制作が決定。
長編劇場映画となると流石に地方局の読売テレビの手には余り、系列トップの日本テレビが制作に参加することになった。更に配給として第2シリーズの劇場版2作に加わった東宝も関与することになった。
この過程でコロムビア・Vap間の版権調停が行われ、第2シリーズ終了以来5年ぶりに新バージョンが起こされることになった。こうして実現した『ルパン三世'85』は、OP・EDではなく挿入歌として劇中歌で使われた。
- ちなみに楽曲が複数レコード社間に渡ったため制作サイドで調停が行われたのは、ルパン三世のアニメシリーズではこれが2度目。1度目は『ルパンVS複製人間』で、当時の歌手-所属事務所-レコード会社間の硬い結びつきから、『ルパン音頭』は三波春夫の所属事務所と契約していたテイチク・レコード(現・テイチクエンタテイメント)が権利を持っていた。
『バイバイ・リバティー・危機一発!』に始まるTVSPでは『THEME FROM LUPIN Ⅲ'89』が起こされ、20年以上に渡り使用。この他にも新作劇場用長編作品やTVSP用の新作でも新バージョンが使用された。
2002年にはオリジナルのインストバージョンが、2005年には「'80」がそれぞれ再レコーディングされた。
そしてついにテレビシリーズでも『ルパン三世PART4』・『ルパン三世PART5』・『ルパン三世PART6』も同曲の新バージョンが使われた。PART4はイタリアが舞台のためマンドリン、PART5はフランスが舞台のためアコーディオン、PART6はイギリスが舞台のためギターロックに寄せた新アレンジが使用されている。
余談
TVアニメ版ボーカルOPの動画では不二子がライダースーツらしき衣服のチャックをおろし全裸でサブマシンガンをぶっ放すシーンがあるせいか、TVアニメ版ボーカルOPはなかなか動画サイトでもお目にかかれなくなっていたが、2021年3月25日にアニメ放送開始50周年を記念し、トムス側が公式にYouTubeにアップロードした事により敷居が大幅に下がった。
※この動画の14分12秒からの部分に該当シーンが含まれている。
このバージョンは2019年のTVスペシャル、プリズン・オブ・ザ・パストにてアレンジされている。
関連イラスト
関連動画
ルパン三世のテーマ'78
アルバムバージョンではイントロが若干異なっていたり、曲の途中でコーラスが入っていたり(シングルバージョンでは「TVサイズで使用される後半部分」にのみ含まれているため、アルバムバージョンではコーラスが2回も存在する事になる)、間奏中にルパン達の自己紹介が入っている。
2002年にはTVスペシャル用に若干の補作をしたアレンジバージョンが加わっているほか、以降の作品でもたびたびアレンジされている。
ルパン三世'79
ステレオ放送を実施した第99話と第103話ではフルサイズをTVサイズ用に短縮した上で効果音が被せられている。他のバージョンと比べ影が薄い…と思われがちだが、TVスペシャルや劇場版の予告編でも使用されるため使用頻度は意外に高い。
ルパンvs複製人間でも使用された。
残念ながら後発の作品でも未だにアレンジされず。
ルパン三世'80
この版から「ソーファーレド#ドシ♭ソ」という譜面が初出となり、以降のバージョンにも組み込まれている。
TVシリーズのオープニングのみならず、カリオストロの城の挿入曲やPART6のEPISODE0のエンディングでも使用された。
こちらも2005年にはTVスペシャル用に若干の補作をしたアレンジバージョンが加わっているほか、後述の2018版もアレンジバージョンである。
THEME FROM LUPIN Ⅲ 2015
ルパン三世PART4にて使用された、イタリアをイメージしたバージョン。78バージョンのアレンジでもある。TVシリーズのオープニングとしては唯一TVスペシャルでも使用されたバージョンでもある(イタリアン・ゲーム)。
LUPIN TROIS 2018
ルパン三世PART5にて使用された、フランスをイメージしたバージョン。80バージョンのアレンジでもある。
THEME FROM LUPIN Ⅲ 2021
ルパン三世PART6にて使用された、イギリスをイメージしたバージョン。再び78バージョンのアレンジでもある。
THEME FROM LUPIN Ⅲ'89
TVスペシャルで頻繁に使用される事もあってか、単純に使用されている期間だけなら最も長いバージョンでもある。金曜ロードショーのルパンといえばこの曲(または後述の2002)を思い浮かべる方も多いのではないのだろうか?
THEME FROM LUPIN Ⅲ '97
ルパン三世の誕生30周年を記念したバージョン。
1997年と1998年のTVスペシャル、2008年のOVAでしか使用されていない。
リミックスされたreadymade 440 mixバージョンもあり、2000年のTVスペシャルにて使用された。
ルパン三世のテーマ'78(2002 Version)
大野雄二がルパン三世の音楽担当25周年記念に作られたバージョン。
2002年のTVスペシャルでエンディングとして初使用され、以降の2000年代と2010年代前半のTVスペシャルでもオープニングや挿入曲として使用。近年でも金曜ロードショーのルパン三世作品の放送予告として使われている。
THEME FROM LUPIN Ⅲ 2019~classical piano ver.
2019年TVスペシャル、グッバイ・パートナーにて使用されたバージョン。
曲名の通り、ありそうでなかったピアノアレンジを前面に押し出したバージョン。劇中でもピアノが活躍していることによるアレンジか。
同年のルパン三世 THE FIRSTでも挿入曲としてアレンジされている。
THEME FROM LUPIN Ⅲ 2019
映画ルパン三世 THE FIRSTにてオープニングとして使用されたバージョン。今回も78アレンジ。
映画ということもあってか豪華なアレンジに。他にも劇中では80バージョンのアレンジと2019ピアノバージョンのアレンジが流れる場面も。
吹奏楽編曲版
ニュー・サウンズ・イン・ブラス(編曲:星出尚志)
ミュージックエイト(編曲:山下国俊)
ウィンズスコア(編曲:金山徹)
関連タグ
アルトサックス トランペット トロンボーン ホルン チューバ シンセサイザー おっさんホイホイ
SEAMO・・・この曲をサンプリングした作品『ルパン・ザ・ファイヤー』を発表。2006年にNHK紅白歌合戦に出場したとき「マタアイマショウ」と共に歌った。