廃墟

はいきょ

廃墟とは、建物や集落などが長い間放置され、荒れ果てた状態になっているもの。

概要

　維持も管理もされず、朽ちるに任せられている建物。道や線路、橋なども廃墟に含まれる。その役目を終えたまま放置されているもの、致命的な損害を受けて人が立ち入れないもの、諸々の事情から完成を待たずして廃墟化したものなど、建物ごとにそこにかかわる人々が織り成したドラマが隠されている。何らかの価値が認められ、遺構や遺跡として扱われるケースも少なくない。

　日本では原爆ドームこと広島県産業奨励館や、軍艦島こと端島などが有名どころ。

　よく廃墟には「あそこで殺人事件があった」「部屋で自殺があった」などと語られるが、実際には事実無根の場合がほとんどである。

　退廃的な佇まいから不気味なオーラを放つ一方、近年では朽ちてゆく人工物に独特の美しさを見出す人々からの人気が高まり、廃墟専門の写真集が発行されるなど、サブカル的なジャンルの一つとして確立した（破壊行為を楽しむために新たにスクラップにして作るものではなく、諸事情で解体され、年月が経っているものに限られる）。

　実際に廃墟を訪れる人も多いが、いつ崩れるか分からないうえ、不良の溜まり場や野生動物の棲家になっていたり、ワケありの人が住み着いていたりと大変危険が伴う。興味本位での探索は慎むべきである。しかも無許可で立ち入ると不法侵入などで御用となる事もある。やはり迂闊に立ち入るべきではない。

　営業しているが廃墟化待ったなしの「終末物件」というものもあり、こちらは営業中なら入るのも合法。