概要
「おっきい討伐」編にて"この姿では"初登場した大型討伐対象。(単行本では3巻収録)
キマイラや鵺のような、様々な動物の特徴を持った妖怪・神獣を彷彿とさせつつ討伐対象の中でも目を引く可愛いモフモフした容姿や、ナガノ作品には珍しい大きなグルグル目つきのキャラクターである事の特異性などから大きな注目を集めた。
初のぬいぐるみ発売時に公式の通称が「あのこ」と定められた。
それまではファンからは「討伐対象ちゃん」「討伐ちゃん」、容姿や「でかつよ」の存在から「でかもふ」などと呼ばれていた。なお「キメラ」に関しては既に登場している別のキャラクターの名前として用いられている。
かつての姿?
「ちいかわ」には、もう一人「あのこ」という名のキャラクターが存在している。
顔の描かれてないちいかわの同族(ちいかわ族)であり、長めの上にまっすぐ伸びた耳が特徴。
後述の経緯から「オフィスグリコちゃん」や「ピンクパジャマちゃん」などの仮称で呼ばれるなどしていた。
このエピソードの一つ前である「サッと日々」にて、シール貼りの仕事をしていたちいかわの同僚として登場し、ちいかわと職場に置かれていたオフィスグリコ※のお菓子や、ポシェットの鎧さんが作ったパジャマを通じて意気投合している。
なお、直前のエピソードで鎧さんからパジャマを購入し、「サイコー」だと感想を伝える手紙を渡すモブが登場しており、おそらく同一人物と見られる。
そして、メインキャラ3人で「おっきい討伐」に出かけた際に先述の大型討伐対象と遭遇。
圧倒されるものの敵意は示されなかった(ハチワレが負傷しているが、あちらからすれば軽く尻尾を振った程度と見られる)。さらに、ハチワレを介抱しているちいかわに対して何かを訴えるように偶然通りかかったカエルを指さしたものの、ちいかわはその意味を理解できず、うさぎの牽制によって退却、ちいかわたちも帰路に着くこととなった。
エピローグにて、ふたたびちいかわがオフィスグリコが置かれた職場に出勤するも、パジャマ仲間は来ていなかった。ちいかわは「あのこ」との会話を思い出し、寂しさを感じながら、オフィスグリコで「あのこ」が買っていたお菓子を1人で食べるのであった。
※「オフィスグリコ」とはグリコがオフィスで働く人向けに提供している、お菓子の置型販売サービスであり、支払いのためにカエル型の貯金箱が設置されている。作中では「オフィスグリコ」という名前こそ出ていないものの、特徴的なカエル型貯金箱が描かれている。
しかし、このエピローグを含めた数々の描写から『あの討伐対象は同じ職場で知り合った「あのこ」が変化した姿ではないか?』という説が浮上。
例えばオフィスグリコがカエルがモチーフであるため、討伐対象はちいかわ個人を認識しており、カエルを見て「自分は一緒にオフィスグリコでお菓子を食べた相手」と示したという可能性が指摘されている。討伐対象が読者から「オフィスグリコちゃん」と呼ばれる事もあるのもここから。
ほかにもちいかわに明確な敵意を持って攻撃を加えている様子がないことも、この説を補強するものとなっている。
その後、しばらく出番がなかったものの「木彫りの人形編」にて再登場。
討伐に訪れたモブたちを痛ぶったあと(明確な描写はないが、殺害・捕食したとも取れる仕草を見せている)、夜になって草原に寝転がりながら自身が襲われる側であった過去を思い出し、自身が強い力を手に入れたこと、蹂躙する側になったことを実感し満足げに笑う、という衝撃的なエピソードが描かれた。
この時に「楽しかった思い出」として描かれているシーンが「ちいかわの同僚」としてちいかわと関わった時の状況と一致しており、またシルエットやパジャマも同じことから、「シール貼りのあのこ」と「討伐対象ちゃん」が同一人物であり、なんらかの要因でモンスター化してしまったという説が確定する形となった。
そして、この回以降も時折登場するようになる。
最初のうちこそ、自分の肉体の変化に戸惑っているような雰囲気を見せていたものの、
- 討伐に来たかつての同族を力を奮って追い返し、相手の泣き顔と共に振り返りながら笑顔を見せる
- おそらく今まで通りに木の実を食べていた最中に、討伐に来たかつての同族達の匂いを嗅いで何やら意味深な表情を見せる(戦闘不能に追い込んだ彼らを捕食したとも取れるが、直接の描写はなく、擬音も木の実を食べている時と同じなため「彼らを追い払って食事を再開した」と読めなくもない)
…と、徐々にその精神性が変貌を遂げつつあることが示唆されている。
さらに話が進むにつれて狡猾さに磨きがかかり 「討伐に来た同族に対し笑顔で踊って友好的に見せかけて、相手が油断して武装解除したところで本性を現して襲撃する」という行為をするようになり、その所業を偶然見たでかつよ(※生まれながらのモンスターではなく、モモンガと体を入れ替えられてしまった元ちいかわ族であることが示唆されている)は戦慄していた。
一方、でかつよに対しては大して警戒もせずに寄り添って日向ぼっこを始めるなどかなり友好的で
決して見境無しの凶悪な怪物ではない様子
(あるいは、もうちいかわ族を同族とみなしていないのかもしれない)
あくまで現時点ではどういった経緯で変化したのかは不明。
- 「なんとかバニア」編やモモンガ⇔でかつよの描写から、なんらかの力によりモンスターと入れ替えられてしまった説
実際に夜空を見上げて涙を流すでかつよを描いた「あのこ」へのオマージュとも取れるエピソードがある。ただし、その場合「元のあのこ」はどこに行ってしまったのか、という疑問が残る。
2022年12月8日更新の回にてでかつよと邂逅。この時「とられちゃったの?からだ…」と尋ねられ、首を横に振っていたことからこの説は明確に否定されることになった。同時に、でかつよが「入れ替えられた」存在であることを確定に近い形で示すこととなった。
- 「杖」編や「木彫りの人形」編のように、何かのアイテムによって変化してしまった説
実際に「杖」編では、怪しい杖の力でうさぎとハチワレが大型の怪物に変化してしまった(ちいかわが杖を破壊したことにより元に戻った)上、「心が二つある」という意味深なセリフもある。このため、変身解除がなされなければモンスターとして徐々に自我を失っていく、衝動に制御が効かなくなっていく可能性も考えられる。
- 特に前触れなく、あるいは他のモンスターの攻撃が原因で変化してしまった説
初期に登場した「キメラ」は、詳しい経緯は不明だが突然泣き笑いの表情でちいかわを襲ってくる様子が描かれている。容姿から普通のモブちいかわ族がモンスター化したことが窺え、また何の関わりもないちいかわを襲うなどモンスター化の影響で殺戮の衝動を抑えられなくなっているとも取れるため、ストーリーが進むごとに残虐性を増していることにも説得力が出てくる。
また、夜に過去を振り返るシーンでは普段から討伐の仕事をしていたことが描かれており、討伐の仕事の途中に襲われてしまった可能性も存在する。
余談
ぬいぐるみの第一報が出た時、オフィスグリコのTwitter公式アカウントが反応した事がある。