プロフィール
概要
轟家の第一子・長男。父はエンデヴァーこと轟炎司。母は轟冷。本編では故人。
人物
名前の初出は202話。焦凍の回想で登場。エンデヴァー曰く、「自身以上の火力を備えていたが、氷結の個性を持つ母の体質を持ってしまった」と評されている。
夏雄から慕われていたらしく、燈矢の死は夏雄がエンデヴァーを拒絶する大きな理由となっている。エンデヴァー自身も「燈矢は俺が殺したも同然」と深い後悔を抱いている。
関連タグ
轟家：エンデヴァー（父・轟炎司）、轟冷（母）、轟冬美（長女）、轟夏雄（次男）、轟焦凍（三男）
ネタバレ注意
「過去は消えない」
「ザ！！ 自業自得だぜ」
「さァ一緒に堕ちよう 轟炎司！！
地獄（こっち）で息子（おれ）と踊ろうぜ！！！」
死んだと思われていた彼だったが、実は敵(ヴィラン)勢の主力の一人・荼毘として生き延びていたことが全面戦争の終盤で明らかになる。
黒に染めていた髪を本来の色に戻したうえで、エンデヴァーと焦凍に正体を明かし、その様子をメディアを通じて配信させることで、No.1ヒーローの実子が敵(ヴィラン)勢の幹部であることを世間に知らしめた。
幼少期の彼は、ヒーローに強く憧れる純粋無垢な少年であった。
父・エンデヴァーが理想と考えていた『半冷半燃』（炎と氷の両者を操る個性）こそ持たないものの、炎の個性の素質が父以上だったことからエンデヴァーは彼に大いに期待し、絶対的No.1ヒーローを作り上げるという自身の野望を彼に託そうとしていた。
燈矢自身もこれに応え、憧れの父に技を教えてくれるよう頼むなど、政略結婚から始まった夫婦だったとはいえ家族仲は決して悪くなかった。
しかし燈矢が成長するなか、その体質は母・冷の個性「氷結」のみに適したものであることが判明してしまう。
彼の身体には炎への耐性が無く、個性を発動し続ければ身体が持たなくなる…それはすなわち彼がヒーローになることは難しいという残酷な現実そのものであった。
燈矢の身を案じた両親は、燈矢の個性の訓練をやめさせるという苦渋の決断に至った。
しかしそれを受け入れられない燈矢は「もっと強くなれば見直してもらえる」と期待し、両親の意思に反して自主訓練を行っては身体中に火傷を作るようになってしまった。
エンデヴァーは燈矢にヒーローの夢を諦めさせるため、燈矢よりもヒーロー適性に優れた子供――すなわち当初から自分が理想としてきた『半冷半燃』の個性を持つ子供を作ることを決め、弟の夏雄を経て、ついに理想通りの個性を持つ末弟の焦凍が産まれた（冬美に限っては、兄妹がいれば励ましあえるという意味で産まれていたが）。
しかし、成長により個性が強力になってもなお自分を認めてくれない父への不満を募らせた燈矢は、赤ん坊の焦凍に襲いかかってしまう。
これをきっかけに、エンデヴァーは焦凍と他の子供を近付けないよう引き離す決断をし、エンデヴァーは家族とは疎遠になり、焦凍の訓練だけに打ち込むようになった。
以後、冷の精神状態も悪化し、家族仲は次第に険悪になってしまった。
燈矢は、表向きは訓練を控える素振りを見せつつも隠れて自主練を行っては身体を傷め、夜中には自身と同じくヒーローに最適な体質を持たない弟の夏雄にひたすら父への愚痴をこぼし泣き付く…という日々となった。
13歳のある日、成長とともに彼の火力は跳ね上がり、その炎の色が赤から蒼へと突如変化した。
父に新しい能力を見せるため山小屋へ来てほしいと伝えた燈矢だったが、父が現れることはなかった。
どうやっても想いが叶わない状況に積年の感情が爆発した結果、炎の個性が暴走。
火力の下げ方を知らなかった彼の炎が止まることはなく、彼自身と周囲一帯をも巻き込む山火事へと延焼。
彼はそのまま行方不明となり、家族を含めた周囲からは火力の強さゆえに遺体を一切残さず焼死したものと思われていた。
しかし実は彼は死んでおらず、焼けて瀕死の状態をオール・フォー・ワンに拾われていた。
そして最高戦力の死柄木弔に何かあった場合の保険として、燈矢に大掛かりな再生治療を施していたのだった。
この間、目覚めるまで三年間も昏睡状態が続き、治療の過程で声も顔もまるで別人になってしまった。
覚醒した彼は体質が弱体化していることを告げられ、オール・フォー・ワンから体質強化を条件とした勧誘を受けるが、燈矢はそれを跳ね除け療養先である孤児院を焼き払って逃走する。
その強い負の感情に目を付けたオール・フォー・ワンは、彼をあえて放置することとした。
轟家にたどり着いた燈矢は「成長した焦凍に執着する父エンデヴァー」という、自身が消えた三年前と何ら変わらぬ光景を目の当たりにし、自分が失敗作の、いなかったも同然の不要な存在であったのだと認識する。
利己的な目的のために自分を生み出しておきながら失敗作として捨てたも同然の酷い扱いをしたエンデヴァーに強い憎悪を抱く。
そしてエンデヴァーが野望のため手塩にかけて育てた「最高傑作」の焦凍を、モノになった将来に自ら殺すことでエンデヴァーを絶望させる…という復讐を決意する。
以後はヴィランとして徒党で活動しながら、独学で個性を強化していく。
この間、ヒーロー社会の歪さを否とするヒーロー殺し・ステインの思想には、その出自ゆえ強く共感するに至った。
火災事故から約10年後、保須事件でステインが逮捕された後はその意思を継ぐ者であると自認し、ブローカー・義爛の勧誘で死柄木率いる敵連合に加入。
メンバー達にも正体を隠し、通り名「荼毘」を名乗り、本格的にヒーロー連合と衝突していくこととなる。
以降の動向は荼毘の項目を参照。
