名の由来となった大天使についてはアークエンジェルへ。
概要
地球連合軍が建造した最新鋭の戦艦。分類は強襲機動特装艦。ネームシップのアークエンジェルは、天使の階級である「大天使」に由来。
原型は地球連合宇宙軍で使用されるコーネリアス級輸送艦と、オーブ連合首長国で使用されるイズモ級宇宙戦艦。
1番艦でネームシップの「LCAM-01XA アークエンジェル」、2番艦の「LCAM-01XB ドミニオン」が該当する。
共通のデータ
分類 | アークエンジェル級強襲機動特装艦 |
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全長 | 420m |
推進機関 | レーザー核融合パルス推進 |
装甲材質 | ラミネート装甲 |
所属 | 地球連合軍・大西洋連邦 |
レーザー核融合パルス推進
アークエンジェル級の主推進器。
ヘリウムペレットを推進器内の燃焼室にてレーザー起爆させ、その爆縮の際に発生した核融合プラズマの膨張作用を利用した核融合ロケットであり(ニュートロンジャマーは核融合反応に対しては影響を及ぼさないため問題ない)、作動にはペレット起爆のために相応のエネルギーが必要である上、熱量によって敵に索敵され易いリスクもある。
VTOLノズルも持っているため大気圏内外での飛行が可能である他、艦中央下部の翼や艦尾エンジン保持部は水中翼として機能し水上も航行できる。
ラミネート装甲
アークエンジェル級の主装甲で、発生した熱エネルギーを装甲全体に伝導させ拡散し無効化する。熱と運動を利用したビームに対し無類の頑強さを発揮するが、排熱が追い付かないと装甲全体が同時に瓦解する危険性もある。
トリクル太陽光発電
装甲に備えた変換率80%の太陽光発電パネル。
ニュートロンジャマー下においては民間のインフラとしても有用だが、普及はヤキン・ドゥーエ攻防戦の後となった。
カタパルト
艦載機の発進は機体を弾体に見立ててローレンツ力によって磁場射出するリニアカタパルトを採用する。そのため磁場誘導レールを持つが、アークエンジェル級は地上での運用も想定しているため、MS用ステップが取り付けられている。
このハッチ開口はコーネリアス級と同規格になっており、艦同士を180度逆転させて自動物資搬入システムでケーブル接続することで、本艦や同型艦との補給を円滑に行う事ができる。
武装
近接防御火器システム | 75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」 |
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艦橋後方ミサイル発射管 | 対空防御ミサイル「ヘルダート」 |
艦尾大型ミサイル発射管 |
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多目的射出機 |
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副砲 | 110cm単装リニアカノン「バリアントMk.8」※ |
主砲 | 225cm連装高エネルギー収束火線砲「ゴットフリートMk.71」※ |
特装砲 | 陽電子破城砲「ローエングリン」※ |
※左右に同装備がある場合、右舷側を1番、左舷側を2番と呼んで区別している。
75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」
アークエンジェル級のCIWS(バルカン砲)。対艦ミサイルに対して自動で起動し、弾幕を形成して迎撃を行う。手動に切り替えて発砲することもできる。
地球連合・オーブでは普及品となっており、MSにも採用された。ジンやディンの装甲を貫通できる程度の威力はある。
対空防御ミサイル「ヘルダート」
艦橋の後方に16門装備されている極短射程の艦対空ミサイル発射管。近接艦対空ミサイルの一種。
ニュートロンジャマーが拡散した世界であるために電磁波の反復による照準に信頼性がないため、レーザー光を目標に照射して誘導する方式をとる。
110cm単装リニアカノン「バリアントMk.8」
アークエンジェル級の副砲となる大型リニア砲。通称「バリアント」。
縦方向に360度も回転できる上、横方向にも少しばかり射角と調整できるなど、砲身の稼働の自由度が高い。一方、短時間に連続使用すると砲身温度が上がって使用不能になるという欠点を抱えている。
225cm 連装高エネルギー収束火線砲「ゴットフリートMk.71」
アークエンジェル級の主砲となる2連装ビーム砲。宇宙世紀で言えば「主砲」「メガ粒子砲」と言った代名詞的なもの。通称「ゴットフリート」。
ラミネート装甲やアンチビーム爆雷等の対ビーム対策を行っていない艦であれば一撃で貫通するほどの威力を持つ。地球連合ではアガメムノン級、オーブではイズモ級の主砲として採用されている。
アークエンジェル級での可動域に関しては、バリアントと比較して横方向にのみ180度回転し、縦の稼働は若干できる程度しかない。加えて、背負い式でなく並列に装備されているため片舷砲戦での集中運用は不可能であり、反航戦や交差戦において難点がある。
陽電子破城砲「ローエングリン」
アークエンジェル級の両舷に計2門装備されている、同艦の武装で最も強力な陽電子砲。
反物質である陽電子を粒子ビームの中に収束・電磁投射させることで対象を破壊する。反物質は物質と触れる事で対消滅を引き起こし、γ線(光)に転化される。この際に放射線が環境を汚染する恐れがあり(大気も物質であるため、反物質と対消滅する)、さらに電子を失った大気は活性が高まって周囲の物質と反応し易くなり毒性が高くなるために地上での使用は倫理的制約があった。
なお、陽電子の保持にはビームを用いているため、砲自身が対消滅してしまうことはなく大気との不必要な対消滅も起こしにくい(つまり、あの太いビーム全てが陽電子というわけではない)が、その機構を搭載するにあたり他の武装より巨大化してしまっている。前述した汚染の少ないモデルというのも、この保持性能が向上して標的以外の物体(大気等)との対消滅をさらに軽減したものである可能性が高い。
また、発射前にチェンバーによって陽電子を生成・チャージする必要があるため、その時間が短いと十分な威力が得られない上、ビーム収束の観点から力場による防御壁で対抗されることもある。
オーブのイズモ級にも実装されている装備だが、地球連合で「特装砲」と呼ばれるのは実験装備であることが理由であり、後に拠点防衛用の城塞兵器として運用している。
艦尾大型ミサイル発射管
艦尾に多数設置されている全24門の大型ミサイル発射管。
外側に左右6門ずつ配置された12門が前方、内側の12門が後方に向けて各種の誘導弾が射出される。
- 艦対艦ミサイル「スレッジハマー」
- 対空防御ミサイル「コリントスM114」
- 大気圏内用ミサイル「ウォンバット」
- 対空榴散弾頭ミサイル
多目的射出機
両舷に4門ずつ設置されている射出機。
アンチビーム爆雷やフレア弾、信号弾などの発射が可能となっている。
アンチビーム爆雷
戦闘時に射出され、爆発することで敵側からのビーム砲撃に対処する装備。
散布後はビームを減衰させる特殊粒子が拡散されラミネート装甲も相まってビーム兵器に対して強固な耐性(ゴットフリートを完全に無効化するほど)を得る一方、自軍のビーム兵器にも同様の影響を与えてしまうという弱点も持つ。
その他の装備
耐熱用融除材ジェルDPX-M30
地球連合軍が開発した技術で、大気圏突入時に艦底部を気化性のジェルで覆うことによって艦体の温度上昇を防ぐ。
後にブルーフレームのフルアーマー・フェイズシフト、105ダガーにも用いられている。
ちなみに「融除材(ゆうじょざい)」という名称は非常に発音しづらく声優から不評だった。
ブラックホール排熱システム
赤外線追尾や探知を防ぐための装備で、機体の高温排熱を外気と混合することによって排熱を下げ、赤外線放射を低減する装置。
LCAM-01XA アークエンジェル
アークエンジェル級強襲機動特装艦・1番艦で、ネームシップである。
地球連合宇宙軍のデュエイン・ハルバートン閣下の提言で大西洋連邦とオーブ連合首長国の国営企業・モルゲンレーテ社が共同開発に携わり、ザフトが有するMSに対抗すべく開発されたG兵器の運用母艦としてオーブの資源衛星・ヘリオポリスで極秘裏に開発・建造された。
本来の艦長や要職に就く筈だった高官たちがザフト・クルーゼ隊によるMS奪取及び戦艦破壊の強襲作戦により死亡したため、建造に携わった技術士官であるマリュー・ラミアス大尉が急遽、艦長の任に就いた。
詳細はアークエンジェルを参照。
LCAM-01XB ドミニオン
アークエンジェル級強襲機動特装艦・2番艦。
アークエンジェルの同型艦で性能はほぼ同一。差異は艦体の形状に変更点(ブリッジのレーダーパネルと主翼部のプロペラントタンク)がある程度。
詳細はドミニオンを参照。
関連する艦艇
地球連合軍で使用される輸送艦。双胴型の外観や高い輸送能力の参考元となっている。
オーブ連合首長国で使用される宇宙戦艦。アークエンジェル級の戦闘能力や武装の参考元となっている。
アークエンジェル級の双胴型や武装を継承した地球連合軍の宇宙戦艦。技術的な繋がりは不明だが併記。
ミラージュコロイドステルスを搭載した非正規部隊向けの戦艦となっている。
関連タグ
機動戦士ガンダムSEED 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM