概要
劇中展開される、次期主力可変戦闘機を決定する”プロジェクト・スーパーノヴァ”で
ゼネでラル・ギャラクシー社がテスト用に提出した機体。
革新的技術が多数投入され、従来の可変戦闘機を凌駕する性能を持つ。
ペットネームは「シュトゥルムフォーゲル」(Sturmvogel:海鳥)
デザイン
ファイター(戦闘機)モードはYF-23にF-22の要素を加えたような概観。
バトロイド(ロボット)モードではゼントラーディ系の倍力服のような形状となる。
バトロイド時のコックピットレイアウトは後にスタンダードとなる格納型ではなく、VF-1など従来から見られるような正面に露出したタイプ。
またバトロイド時の頭部にはレーザー砲ではなくブレードアンテナが取り付けられている。
ガウォークモードではゼントラーディ軍服を着たままガウォークとなったVF-1に似た形状となる。
そのため、ファンの中では「クァドランバルキリー」とも呼ばれている。
操縦方式
BDI(脳内ダイレクトイメージシステム)を始めとした脳波コントロールシステムをメインの操縦系として搭載しており、パイロットは機体を自らの体の一部のように動かすことができる。
しかしこのシステムは闘争本能を押さえ込み精神を安定させる事が不可欠であり、戦闘に用いるにはあまりにも不安定といえる。事実、劇中では連続して二回にわたり搭乗者であるガルドの精神の乱れによって動作不良を起こしている。
この為、補助的措置として通常の操縦インタフェースも備えられている。
BDIにより肉眼による視覚が不要であるためキャノピーは小さく視界も狭い。
またBDIは脳波操縦システム全般の呼称としても用いられるが、劇中で「BDIの動作チェック」として行ったのは視覚のみである。
その他性能
エンジン
非常に強力なエンジンと、機動面での安定性を持つが、それは機体の強度限界性能、ひいては当時の技術での人体への許容限界加重を上回っており(当時はISCが開発されておらず、Gをコントロールする方法がなかった)、劇中ゴーストX-9と対決した際にファイターモードではデッドウェイトとなる手足を排除し、安全装置を外してハイ・マニューバ・モードで最大性能を引き出すが、パイロットはGによって押し潰され致命傷を負い、機体本体も大気との摩擦で燃え上がるほどであった。
また、ほとんどのVFがバトロイド時の脚部にメインエンジンを内蔵しているのに対し、この機体はバックパックに当たる部分にエンジンがマウントされ、ガウォーク形態時の挙動の自由度に劣るものの、従来の機体にとってネックだった脚部の強度を向上させることに成功している。
エンジンを脚部に内蔵していないことから前述のハイ・マニューバ・モード時には手足を排除することが可能となった。
武装
武装については内蔵型の兵器が多く、ファストパックを用いないノーマルの状態ではガンポッドすら装備しておらず、代わりに手の甲に取り付けられたレーザーガンを各形態の主兵装としている。
その他、内装武器はマイクロミサイルサイロを機体各所に内装している他、胴体ないし頭部の何処かに一門程度レーザー砲を装備している(ゴーストX-9との対決で両手両足を失ったハイ・マニューバ・モードで使用)が、位置は確認できない。
なお、ガンポッドに関してはカートレスタイプの専用のものがちゃんとあり、バトロイド時であれば手に持って使用するためファストパック無しでも運用できるが、ファイター時に機体に保持するハードポイントがないため、ファストパックに設けられたホルスターに収納する形をとる。
その後の制式採用
このように高性能な機体であるが、野心的に新技術を詰め込み過ぎたために機体自体が高価となった上、様々な問題点も露呈し、結果主力機の座をライバル機であるYF-19に奪われている。
しかし、基本的な性能などにもやはり魅力的なものがあり、脳波コントロールシステムとそれに関連した一部の機能をオミットし、ファストパック装備だったガンポッドホルスターを固定装備とした、VF-22として特殊部隊用に制式配備が決定している。
なお、ハイ・マニューバ・モードは制限が設けられるなどの若干の下方修正こそされているがほぼそのまま残されている。