概要・売上記録
宇多田ヒカルの記念すべきデビューアルバム。
ダブルミリオンを記録した『Automatic』、ミリオンセラーを記録した『Movin'on without you』が収録され、発売前から話題を呼んでいた。大ヒットすることは既に多くのメディアが予想していたのだが、いざリリースされると予想を遥かに越える売上を記録した。
一体、どれほど売れたのかというと、初週のみで200万枚を売上げ、当時歴代最高の初週売上を記録した。以降も数週に渡り100万枚ペースで売り続け、リリースから7週目に入る頃には邦楽アルバム歴代最高売上を更新していた。小室グループやバンドブームに乗っかったアーティスト達がこぞってダブルミリオン、トリプルミリオンを記録し、最高記録を樹立し合う中、まるで群れ成すそれらのアーティストを嘲笑うかの如く、彼女は全曲作詞作曲を手掛け、ほぼ一人で作り上げたこのアルバムであっさりと記録を抜き去ってしまった。
最終的な売上はオリコン統計で765万枚。日本レコード協会による累計出荷枚数は885万枚。全世界での売上は1000万枚を越え、日本人アーティストのアルバムで一番売れたアルバムとなった。この記録はレディー・ガガのデビューアルバム『ザ・フェイム(全世界1200万枚、アメリカ国内140万枚)』、シンディ・ローパーのデビューアルバム『シーズ・ソー・アンユージュアル(全世界1100万枚、アメリカ国内600万枚)』、そしてマドンナのデビューアルバム『バーニング・アップ(全世界1000万枚、アメリカ国内500万枚)』と、世界的スターのデビューアルバムに匹敵するセールスを記録した。
尚、リリース当時は16歳という若さであり、世界的に見ても早熟過ぎるアーティストと言える(前述のシンディ・ローパーのデビューアルバムのリリース年齢は31歳。マドンナは24歳。レディー・ガガは21歳)。
収録曲
1, Automatic
- デビューシングル『Automatic/time will tell』の1曲目。 宇多田ヒカルの言わずと知れた代表曲で、205万枚を売上げ、女性ソロ二例目のダブルミリオン・シングルとなった。
- 2ndシングル。自動車のCMに起用され、140万枚の大ヒットとなった。
3, In My Room
- シングルカットされていないが、HEY!HEY!HEY!で歌唱されたり、ファンに人気の楽曲である。
4, First Love
- 後に3rdシングルとしてシングルカットされる、現在に至るまで日本を代表する王道ラブソング。シングルカットされたバージョンは85万枚を売上げた。ドラマ『魔女の条件』主題歌。
5, 甘いワナ~Paint it black~
- 歌詞の一部をローリングストーンズの黒くぬれ!を引用している。
6, time will tell
- タイトルは母親の藤圭子と立ち寄った店の名前から取られている。デビューシングル『Automatic/time will tell』の二曲目。当初はAutomaticではなく、この曲がラジオでプッシュされており、宇多田ヒカル本人もこの曲には特別な思いを抱いている。
7, Never Let Go
- ドラマ『魔女の条件』挿入歌。
8, B&C-album version-
- 2ndシングル『Movin'on without you』のカップリング曲のアルバム・バージョン。B&Cとは曲中にも登場する夫婦の泥棒『ボニーとクライド』のイニシャルである。
9, Another Chance
- Aメロの一部がAutomaticに似ている部分がある。
10, Interlude
- 「よろこび かなしみ 感動 切なさ」の歌詞が、次作『Distance』のラストに収録された楽曲『言葉にならない気持ち』に転用されている。
11, Give Me A Reason
- 本アルバムの中で演奏時間が一番長く、6分を越えている。
12, Automatic-Johnny Vicious Remix-(Bonus Track)
- ボーナストラック。Automaticのジャニー・ヴィシャスによるリミックスバージョン。
関連項目
Distance…次作。