三つ編み娘とヒゲ男
みつあみおとことひげおとこ
作者
遠藤平介(H.Endou)氏
公開*
平成24年11月20日に初回作品が公開
平成29年04月11日に第25話を以て完結
現在も公開中である。
みんなの禁忌
無精ひげの青年と三つ編みの女の子の、恋愛とその恋愛が“周囲の環境”と
折り合いをつけ“許される”のに何が必要だったのかが、丹念に描かれる。
みんなが持っている禁忌は、どこまで許されるのか・・・。
様々な禁忌を持つ人が二人に出会う・・・。
メインの二人
笹瀬拓也
29歳。シューズメーカーで開発を担当している。英語がペラペラ。
ひょんなことから杏と出会い頭に告白を受ける。を受けて、とり
あえず回避利用と涙ぐましい努力をしていたが、逃げきれ無かった(幸か不幸かは別として)。
だが、結果的にこの出会いによって彼は己の心にあるもう一つの闇、過去、
そして“それらをすべて武器にした周囲の環境と”文字通り対峙する。
彼はアンに思いを貫かせることができるか、アンを守り切ることができるのか・・・
生田杏
高校二年生。4人家族。女子高に通う。英語の授業が赤点。
通学中の駅で有り余る行動力とまっすぐな情熱で笹瀬に迫る。
赤毛のアンが好きで三つ編みにしているのだが、とにかくフットワークが軽い、
そして、諦めない事が身上の女の子。笹瀬があの手この手で躱そうとするところを
機転と気合と粘り強さとガッツで“笹瀬よりも骨のある”。
ただし、そのガッツが彼女にとって苦難の旅の始まりだった・・・
“許されるか”“許されないか”を彷徨する人々
当作品で語られる、世の中のはっきりしているのかざっくりしているのか解らないにも
かかわらず、とりあえず存在する“禁忌といわれる基準”。はっきりしないそんな基準
は幸せの基礎のになるのだろうか。
アンと笹瀬はどんな人と出会い、どんな示唆と教訓を得ていくのか・・・それは次第に
二人に絆が何処まで耐えられるかが焦点になる耐久レースの様相を呈していく。
当然たくさんの人に出会い、様々な視線と行動に晒される。
余りにも沢山。故に当項では地味にシナリオ本筋でやや関連の大きそうな人物の
ネタバレにならない程度のピックアップにとどめる。
そもそもその問にどこまで意味があるのか・・・。
アンの家で
徹
徹おじさん。杏の叔父。
笹瀬と書店に行った杏がばったり会う。実はこの物語でかなり重要な
“誰が好きなら許されるのか”という重要なファクターを伴って現れる。
おそらくアンが明確に“許されるか”“許されないか”のラインを知覚する
きっかけになった人物。“許されるか”“許されないか”という基準がいか
に曖昧か、対して最も正確に把握していたようである。
アンが出会った人々
山本
通称もっちゃん。
BL大好きな女の子。杏と笹瀬の話を横で聞いて、たびたびその手のネタを振りまくる学
校編のトリックスター。まさか自分まで“許されるか”“許されないか”の
耐久レースに巻き込まれるとは思わなかった模様。ただ、年上の男は無理だな、諦めて
いる節があった。もっとも自分まで“許されるか”“許されないか”のラインに立つとは
思わなかった模様。
香西
香西先生。漫画愛好家。
もっちゃんと一緒の絵師を追いかける教員。お互いのコレクションを交換したり
電話で話すなど、もっちゃんとともに“許されるか”“許されないか”のライン
に立っているようである。もっちゃんの露出の多いコスプレを教師権限で阻止し
たり、“女の子が肌を晒す危険性”熟知している。
笹瀬が出会った人々
新野
笹瀬の会社の悪友。
笹瀬のアンから逃げ切る作戦にいくつか協力した。アンのガッツを評価し、
笹瀬よりもよほど骨があると評する。まだ彼女はいない。たびたび笹瀬の
ことを気遣う良き友人である。猫を飼っている。
女子高生にやや拘りがある・・・。
福井さん
笹瀬の会社の上司。軽口を叩けるお茶目差を持ちながらも部下を気遣える
好人物。
そして恋愛に必要なのは「気持ちだけじゃ足りない、今必要なのは“覚悟”だ」
という持論はかつて自分も“許される”“許されない”の狭間を彷徨していると
きに得た教訓だった。作中で笹瀬に非常に大きな示唆を与えた人物。
四御神 都
しのごせ みやこと読む。書店で鼻血を出した笹瀬と出会った店員。
笹瀬と杏の関係に言及した際に、とがめられる。
「貴方には関係ない、私たちのことは放っておいて」
この言葉を自らと笹瀬の共通項として、その知遇を得た。
ただ、彼女もまた、“許される”“許されない”の狭間を彷徨する女性であり、
アンと笹瀬に最も大きく、そして鋭い試練を課すことになる。
もしかしたら、本編でアンに次いで悩んでいたかもしれない女性である。